
最近入手した1924(大正13)年12月発行の「福博名所名物写真帖」、初見の写真多数で少々興奮しとります。今からちょうど90年前、この時期ならではの貴重写真のオンパレードです。
2枚目の天神町交差点の写真は、同様の絵葉書をこれまで1928(昭和3)年頃と表記してきましたが、撮影時期記載から1924(大正13)年12月だと判明しました。九州鉄道(天神大牟田線)福岡駅開業直後の風景とわかり、同時期に整備開店した天神エリア初の商業施設「九鉄マーケット」との関連も興味深しで関連資料を見直し中。
3枚目、伊藤伝右衛門の「銅御殿」は1927(昭和2)年には火災焼失するので、写真は稀少。焼け残った長屋門は、飯塚市幸袋の旧伊藤伝右衛門邸に移築されているものですね。
東中洲千日前の写真(4枚目)は大火災から復興した直後(現在の大阪屋などの通り)、映画館「友楽館」などが見えます。
5枚目は博多掛町、手前右は「岩田屋呉服店」。この通りはほとんど岩田屋、岩田屋紙店・小間物店・洋品店・造花店など、のちの百貨店化の基礎となる店々。岩田屋さんに遺る諸資料を拝見したことがありますが、この手の写真はありませんでした。
6枚目は新道、のちの寿通りですが戦前の写真はほとんど観たことがありません。水路に石フタをして新しい通り(小路)とした名残りが伝わります。
7枚目は川端町、福岡初のレコード店である大日本蓄音器商会(のち土屋楽器店、土屋レコード)なども写っています。いずれの写真も、戦後発行された懐古写真集でも観たことがなく、総合図書館や博物館の資料にもなかったと思いますので、かなり貴重…。
まだ多数のレア写真が掲載されているので、ゆっくり解読する予定です。