小さな日記

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プレシャス

2010年11月24日 | 映画
'Precious' Trailer HD


2009年アメリカ映画

これは、、、始まってから終わるまで、目が炎症を起したのかと心配になるくらい、ずっと涙がこぼれ続けた。感動ではなく、勝手に体が反応して、涙が出てきた。
1987年当時のアメリカは、アメリカ史上、黒人の所得格差が一番大きかった時代だそうだ。
母親の男性や子どもに対する思い、レズの黒人教師の思い、白人福祉士の思い、そして、もちろん、ヒロイン、プレシャスの思いが、まるで、ドキュメンタリーのように見事にリアリティーをもって迫ってくる。

少々関わった南アフリカの現状にも重なって、とてもわかりやすくわたしの中に入ってきた作品。
プレシャスは、16歳だが、心が無垢で現実をあるがままに受け入れていく様は、とても静かで、たった数年を描いた作品なのだけれど、ひとの人生の越し方の全てを教唆されたような気がした。道を歩いていくひと。

識字教育によって、自身の思いを認識すること、現実を判断し考える技術を得るプレシャスだが、わたしは逆に、16歳までそれを学ばずに、ひとがかくも「真摯に道を歩くひと」になりえたことに感動する。

母親役のモニークは、実際、兄弟に近親相姦されても両親に無視されたような環境で育ち、また、プレシャス役のガボレイ・シディベは幼い頃両親が離婚し、ブロンクスからハーレムに移ったという。それぞれの俳優が、ひりひりと自身の家族の歴史を投影しながらの迫真の演技を見せる。マライア・キャリーの福祉士も絶妙だった。

きょうは、裁判員裁判で死刑判決が二件あった。わたしは死刑には反対だ。自分が、違う環境、違う出会いで、今の自分ではありえないと思うから。

http://www.precious-movie.net/


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