母の教えの中で、わたしが一番胆に命じている言葉は、
「なにか悪いことが起きたら、その悪いことだけにとどまるように努めなさい。悪いことが波及して次の悪いことが起きないように」。
311も、地震、津波、原発事故、放射能汚染と、次々と、大きな悪いことが続いているけれど、それだけにとどめるためにはどうすればいいものか。悪いお手本は政治の世界で繰り広げられている。そうじゃなくて、、、
「マイネーム イズ ハーン」2010年インド映画。この映画は、アメリカの911という悪夢が、そこにとどまらず、イスラム教徒の迫害、戦争、天災の救援と、波及していく中で、自閉症の主人公が一貫して愛をもって行動する様を映し出してくれる。
ベトナム戦争時代の反戦歌として知っていた曲「勝利を我らに(we shall over come)」が、随所に使われているが、この映画での「勝利」が意味するものに感動した。戦争にも、病気にも、天災にも、放射能にも、わたしたち人間が対抗する手立ては少ない。けれども、その恐怖によって、心が愛から離れてしまうことが、負けなのだ。そのような悲惨な苦痛があったとしても、ひとの心が愛に満ち溢れ続けることが、勝利なのだと。
「愛すると心が弱くなってしまうと思う。今、わたしを強くするのは怒りなの」そんなセリフも出てくる。そう、愛とは、そんな気がするものだ。だから、ひとは辛いときには、怒りによってなんとか生きる意欲を失うまいとする。でも、それはきっと、間違いなのだ。確かに一時は、強くなった気がするけれど。
わたしたちの311も、辛さを なにかのせいにして怒りをよびさまし、強く責めることで解消することはしてはならない。辛さも悲しみも、あるがままに、愛が癒してくれるのを待たねばならない。
植物の種が、条件さえ整えば、必ず芽を出し、双葉がつき、青々と茂っていくように、わたしたちは、誰しも、愛の種を無尽蔵に持っている。なにかを責めるのではなく、なにかをいとおしもう。それがなんであろうと、そう、綺麗な服であろうと、隣の子犬であろうと、自分の爪であろうと、いとおしむことが、愛の種への水撒きになることは間違いない。
悪を探して責めることではなく、魅力を感じるものをいとおしむことに、フォーカスしよう。
MY NAME IS KHAN -FIrst Look Promo with JPN sub #1-2 日本語字幕付き