小さな日記

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あたしのなかの魔法

2009年02月11日 | 
ジャスティーン・ラーバレスティアの3部作「magic of madness」の待ちに待った最終巻。ハヤカワ文庫FTラー3-3

この展開には驚いた。
登場する16歳前後の少年少女たちには、誰一人信頼できる大人がいない。嘘をついていないか、自分のエネルギーを奪われないかと、必死に自分を守る方法を探していくのがこの物語の冒険だ。
手放すこと、輝きを諦めること、月並みを受け入れること、主人公が選択したのは、日本人が弥生時代から固執してきた上昇志向でもある。
オーストラリアからこういう思想が発信されたことに、希望が湧く。

生き延びるためにはなにをしてもいいと暴力をふるうひとたちに読ませたい。
貪欲から逃れるために主人公は決断した。
貪欲とは、悪いこと、醜いことへの固執だけではないのだ。正義、真実、美、公正、健康、平和、それら、良いことへの貪欲すら、子どもたちを、世界を、犯し、奪っていることを、直視しなくてはいけない。