Cafe Eucharistia

実存論的神学の実践の場・ユーカリスティア教会によるWeb上カフェ、open

再び、ツボに嵌る

2009-02-21 19:45:10 | 豆大福/トロウ日記
昨日、「景気回復に全知全能を傾けて全力で取り組む」と、麻生首相が予算委員会で答弁したという。

「えっ、ぜ、全知全能ですか…しかもそれを傾けちゃうんですか…。そもそも、『全知全能を傾けて』っていう日本語表現があったのだろうか」と、さまざまな戸惑いが一瞬で脳内を駆け巡る。

この方の、日本語に関する能力についてはこの際、これ以上言及しまい(私とて、ひと様の日本語能力をどうのこうの言えるほどではないゆえに)。しかし、全知全能、である。すごいね。こういった、神学的に深~く議論があるところをサラッと言えてしまうという、その、何と言いますか、あまりの無邪気さ。これには、込み上げる失笑を抑えきれない。

いえ別にですね、「あんたの言っていることは、その道の者からみると頓珍漢も甚だしい、実にみっともない発言ですぜ」などと、上から目線で首相の発言をこき下ろそうというつもりは毛頭ない。ただ、この発言は、個人的にはツボにヒットであった。前首相の「あなたとは違うんです」以来のツボヒット発言だ。ちなみに私の予想通り、大福先生にとっても今回の麻生首相の発言は、小ツボぐらいにはヒットしたみたい。

前述のとおり、神の全知全能については神学的に複雑な議論がある。ひとことで言えば、とくに議論の対象となるのは「全」の部分に関して、となるだろうか。神論、神議論、キリスト教的世界観、そこからさらにキリスト論、教義学(特に使徒信条などの関連で)等々にわたり、この問題は古代から議論されてきた。

この発言、やはりCNNとかで国際配信されてしまう(あるいは、すでに配信された?)のだろうか。だってこの発言、日本より幾分なりともキリスト教に馴染みのある文化圏の人間にとっては、多かれ少なかれ、ネタになってしまうだろうから…というような懸念を大福先生が抱かれる。それに対して、私が答える。

「そうですねぇ、もしCNNがこの発言を伝えるとしたら、やっぱり ”…with my almightiness” なんて訳されちゃうんでしょうか。何だか、日本語の『全知全能』という響きより、さらにひどくツボにはまる感じですねぇ。あるいは、オマエ何様だという怒りの反応の方が強いですかねぇ」。

さて、どうなんだろうか。

「あ~、よかった、安心した~こういう人が、まだ日本人の中にいて」
今朝方、村上春樹氏のエルサレムでのスピーチに関して、あるラジオパーソナリティーがもらした感想である。本当に同感である。あのスピーチが素晴らしかったことは言うまでもないが、それとともに、国際的な場でマトモな発言をしてくれた日本人文学者の存在に、ホッとした感が沸いたのも、事実。それにひきかえ、特に最近の日本政府、これ以上、国内のみならず国際的にも恥ずかしい姿を晒すのは、お止めになった方がよろしいかと。

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