Cafe Eucharistia

実存論的神学の実践の場・ユーカリスティア教会によるWeb上カフェ、open

Venus 日本公開

2007-07-24 19:33:19 | 遥かなる銀幕の世界
10/27より、シネシャンテで全国順次公開!

とのフレッシュな情報を、ペンギンさんからいただいた。ありがとうございます

今年のアカデミー賞で、ピーター・オトゥールが8度目のオスカーにノミネートされた作品である。この映画のDVDを注文し、先日やっとアマゾンUKから発送のお知らせがきたので、今おそらく海を渡っているところであろう。

DVDを観る予定のない方々は、是非晩秋のひと時を過ごすにあたって、 この Venus という作品の鑑賞を今から予定に入れておきましょう。

続・こけし

2007-07-21 18:01:26 | 豆大福/トロウ日記
1記事に写真が一枚しか貼れなかったので、記事を分けることにした。

こちらはループタイで、試作品だそう。う~ん、鮮明に撮れないなあ、ケータイでは。今回、モデルになっていただいたのは、仙台四郎さん(木彫)。ループタイというと、高齢の男性のアクセサリーというイメージがあるが、私はこれ、好きなのだ。若い男性が付けているのを見て、「粋だなぁ」と感心したことはあるけれども、女性のアクセサリーとしてもいけるかも。もっともこれを私が付けたら、こけし顔が上下に2つ並ぶようになってしまうだろうなあ…コラそこ、笑わないように。

今の時代にこけしを作る大変さ

2007-07-21 17:58:04 | 豆大福/トロウ日記
鯖湖型土湯系こけしの伝統を引き継ぐ、高橋通・高橋順子夫妻の新作のご紹介。携帯のカメラで撮ったので、鮮明さに欠けるのが残念である。画面向かって左が順子氏作で、その色使いの大胆さ、胴模様に竹を描く斬新さ、全体から力強さが伝わってくる。そして、右が通氏作。忠蔵以来の特徴で、顔の表情は素朴で繊細な線で描かれているのだが、そこには作者の優しさや豊かさが滲み出ている。

…と、毎度楽しませていただいている。近年は、こけし作りのための木材が、なかなか手に入らないのだそうだ。こけし職人みずから、材木運びや鍛冶もこなさなければならなくて、かなりの重労働でもあるらしい。1本のこけしを作るのは、私たちが想像するより大変な作業なのだ。ぽつり、ぽつりと、○○系の後継者が途絶えたとか、廃業した、ということを耳にすると、やはり寂しい。(続く)

Kessinger Publishing

2007-07-17 18:43:21 | 豆大福/トロウ日記
結構お世話になっている出版社である。どんな出版社かというと、米国モンタナ州にある会社で、HPにはこうある。

ケッシンジャー出版は、最新技術を駆使しながら、何千ものレア本、希少本、絶版本を出版しています。

私たちは世界中の、見出だすのに困難な本を探し、それらを手ごろな価格の版で出版しています。


とはいうものの、扱う書物にはかなり偏りがあるのも、事実。しかしその偏り具合なるものと、自分の趣向にはシンクロニシティが大いにあるので、個人的には、あって嬉しい出版社なのである。検索をかけると「おおっ、こんな本まであるのか」と感動する。調子に乗って、リンクが張られた「アマゾン購入カート」をクリックしてゆく。そろそろまずい金額になっているだろうなと思いつつカートを開けると、それまでカートに累積されていた本、本、本…にケッシンジャー本が加わり、(私にとっては)あまりにもの高額さに、目眩が……というのがパターン。

もちろん、そのまま会計に進むわけにはいかない。何かしらの、中には全く意味の分からない理由をつけては、サクサクと「後で買う」リストの方へ回していく。そろそろもう、米国アマゾンだけでも「後で買う」リストが100を超えそうだ。こうのような私から見ると、図書館のアクセスが比較的楽であったり、研究費が助成される立場にある人たちはいいなあ、と思うこともある。外部者にとって、図書館へのアクセスは以前よりずっと改善されて、国公立大学にある蔵書ならば、相当アクセスが簡単になってきた。でも私立大学は、まだまだである。

そうそう、各国にあるアマゾン、できれば統一することはできないものか。A国では見つからなくてB国では扱いのある本、または最も安価で手に入れられる国のアマゾンを、いちいち一国ずつチェックするのは骨が折れるのだよ。(さらに、米国アマゾンのHPを開くと「日本でお買い物しましょう」などと、神経を逆なでするような言葉がドーンと飛び込んでくる。こちらとて、できればそうしたいわい。)

ケッシンジャー社、こういう出版社には、今後もぜひ頑張ってもらいたい。

ついでにいえば、国内を含めて出版物の郵送費、もう少し安くならないだろうか。10月に郵政民営化が実現されることで、郵送費は高くなる?それとも、安くなる?あるいは従来どおりなのか?一昨年の総選挙で小泉元首相による「郵政選挙」に同意して自民党に投票した有権者の方々、もし高くなるようならば、値上げ分を私の代わりに負担しておくれ。(どうすりゃいいのかは、分からないけど。)

トマス・カヒル『聖者と学僧の島』

2007-07-09 14:40:25 | 豆大福/トロウ日記
市の図書館で偶然に出会った本。トマス・カヒル『聖者と学僧の島』(青土社)How the Irish Saved Civilization についての、備忘録。

本書は、日本語のタイトルと英語のタイトルを足したような内容になっている。(英語では、『いかにしてアイルランド人が文明を守ったか』。)本書の後半部は、英語のタイトルに沿う内容になっていて、つまり中世西欧の学問とローマ・カトリックのキリスト教が存続しえたのは、アイルランドの学僧たちのおかげである、という主張が展開される。前半部は中世にいたるまでの歴史的背景が述べられている。

カヒル独特の視点と思われるのは、たとえば、アウグスティヌスや同時代人のパトリックをもって、古代世界は完結されるという立場が主張されるのだが、著者は、アウグスティヌスを紹介し評価した上で、パトリックの方が神学的にも人格的にも、アウグスティヌスを凌駕する人物として考えているようなところだ。

全体を通していえることは、本書は歴史的な検証が不十分であるがゆえ、折角の興味深い視点がうまく生かされていないのが非常に残念だ。一般書にはどうしても、「簡潔性が求められる」という限界があるのだから、いっそのこと、専門書としての体裁を整えてもらった方が、私にはよかったのだが。中には、あまりにもエキセントリックな主張も多々あるので(たとえば、パウロが伝道したガラテアの人々が実はケルト人だったとか)、読むのがバカらしく思えたこともあるが、一方で、何故だかわからないけれども引き込まれてしまうのは、カヒルの教養の深さゆえであろうか。不思議な本。

著者は、アイルランド系アメリカ人である。世界には現在でも、ユダヤ人以外の「ディアスポラの民」というべき大きな民族集団がいくつか存在するが、アイルランド人もそうである。本国の人口が約390万人に対して、世界に散らばったアイルランド系の人口は約5000万人。そのうちの4000万人が合衆国民だ。特にニューヨーク、ボストンの警官や消防士にはアイルランド系が圧倒的に多いのは、よく知られているとおりである。

個人的な実体験からいえば、アイルランド人たちとの関わりは、本国のアイルランド人より、アメリカのアイルランド系の人たちの方が多い。本国人/ディアスポラ人の違いは私なりに感じるところはあるものの、ディアスポラ人の民族意識の高さについては、たとえばセント・パトリックデーの大騒ぎや、世俗化された(あるいはアメリカナイズされた)ハロウィンの様子からも、うかがい知ることができるだろう。そこからして、著者カヒルに関しても、「非常に高い民族意識を持った人たち」というステレオタイプを、ついつい思い起こしてしまう。まず、英語(原語)のタイトルからして、そう思わせるものがある。本書は合衆国でヒット作となったらしく、何回か増刷されている。

しかし、そこが本書の興味深いところにつながると言えるわけで、単なる鼻につくような民族意識の展開とは、一味違っているところがいい。確かに、私たちが「教会史」といった場合、西の果ての修道院・教会についての歴史は割愛されがちである。最近では、ヨーロッパ先住民やケルト民族の文化についての研究は、以前よりぐんと盛んになったが、アイルランドの中世についての紹介は、あまり目にしない(ような気がする。私が知らないだけかも)。しかしこの、私たちがあまり問題にしてこなかった「もうひとつの」キリスト教には、異端排除に血眼になっていたローマ中心のキリスト教とは違った、宗教的寛容があるように思う。その一点を再確認させてくれただけでも、本書に出会ってよかったなあと思えるのだ。

Hell Raiser

2007-07-02 20:13:09 | 遥かなる銀幕の世界
うぉー!なんだ、このタイトルはー!
と、新刊のピーター・オトゥールの伝記の副題に、のけぞってしまった。 Peter O’Toole – Hell Raiser って、なになに?何が書いてあるんだろう…。

アラビアのロレンス以来、彼は素晴らしい演技に、自由奔放な生き方という評判を兼ね備え、…彼の役者仲間は、オトゥールの寛大さと魅力について高く評価するが、ある者は、彼の伝説的な飲酒と、よく知られた性的放蕩によってもたらされるダークサイドを見てきた。

などと概要にはある。あー、それで「Hell Raiser 地獄をつくる男」なのか。うゎっはっは。原稿の方はきっと、すでにオトゥール本人に読んでもらっているはずだよねぇ。だって、書かれていることが本人のあずかり知らないところで、人をまるで悪魔呼ばわりしたこんなタイトルの本がいきなり出版されたら、問題だものねぇ。

「私が Hell Raiser? うっひゃっ、ひゃっ…。いいねぇ、これ。いいよ、いいよ、気に入った。これでいきましょうよ」

仮に、タイトルまで含めてご本人の「承諾あり」の場合、彼の反応を想像すると、こんなところであろうか。(完全に勝手な想像なので、違っていたらごめんなさいね、ぴーちゃん。)彼のインタビューなど、できる限り読んだり、テレビ(というか、You Tube など)で視聴したりするようにできるような時代になって、本当にありがたいのだが、あらためて思うのは、いわゆる舞台または映画での演技だけでなく、自分についての語り部になるときの彼も、とても上手いのである。そういった場では、彼は本心や本当のことを語っているのだろうが、一方で、どこまで本当だか分からない、というところもある。こんな印象を、彼のインタビューなどから、私などは抱いてしまうのであるが、さらにそこから次のことを類推してしまう。おそらく彼には、生きることそれ自体、自分という人物を演じることだと自覚されているのではないだろうか。う~ん、すばらしい。

で、さっそく予約完了。発売まで、あとひと月たらずだという。楽しみ~なのだが、それにしてもどうにかして欲しい、最近のポンド高。