秋の味覚と言えばやはり「松茸の土瓶蒸し」でしょうか。
国産の松茸は数万円もするのでちょっと買えません。
写真の松茸は1500円。
外国産らしいけど、どこの国かは分かりません。
匂いはほとんどしないけど、形がなかなか立派だからよしとしましょう。
当家の土瓶蒸しは、松茸ではなく、「だし」で勝負です。
昆布は西武池袋店から買ってきた大本山永平寺御用達「奥井海生堂」のもの。
かつおぶしは千葉三越に売っている「山政」の品を、京都のしにせ「有次」のかつおぶし削り器を使って削ります。
かつおぶしを削るのはすっごく大変ですが、わが家では夫の前にかつおぶしと削り器を置いておくと自動的にできあがるので便利なんです。
なべに浄水器の水を入れ、昆布を1時間以上浸けておきます。
なべのおつゆが沸騰したらかつおぶしを入れ、火を弱めて昆布、かつおぶしを取り出します。
ダシのとり方については吉兆のご主人が書いた「吉兆味ばなし」という暮らしの手帳社の本を参考にしているんです。
この昆布を千切りにして、かつおぶしと煮ると、ちょっと料亭風のしぶーいお酒のおつまみができます。
できあがった「だし」と、薄く切った松茸、蒲鉾、鶏肉、ぎんなんなどを土瓶に入れて火にかければ出来上がり。
こんな贅沢な食べ物を、家庭で子供や夫に食べさせていいのかしら。
(やぎさんゆうびん幻の第26号から転載)