
いきなり、マグロの頭の写真で驚いた人もいるかと思うが、このマグロの頭は本マグロ(クロマグロ)の頭で肉がたくさん付いている。(もちろんお刺身でそのまま食べられる鮮度だ。)写真の男性はうちの店の調理スタッフのJYO。

これを以前は丸ごと焼いて出していたのだが、焼き上がるのに2時間以上も掛かり、また、少人数では食べきれないので最近は半分にカットして出している。(価格も以前の半分)

自分で言うのもおかしいが、このマグロのカブト焼きは絶品なので大切なお客さんの接待などにお勧めしたい。(要予約)
さて、今回は「ラープ」を作ってみたいと思う。
この料理はタイの東北地方の料理で、ラオスから伝わったとされているが日本人にも好まれる味だと思う。
ちょと辛い味付けで、ミントや香草がたくさん入ったサラダで、肉は「鶏の挽肉」を使ったもの、「牛の挽肉」や「豚の挽肉」を使った「ラープ」もあり「内臓系」を加えたラオス風の「ラープ」もある。
白いご飯と一緒に食べても美味しいが、餅米を蒸した「カオニャオ」とも合うし、レタスで包んでビールのおつまみにもとても合う。
そして、この料理の特徴は肉を油で炒めないことだ。
余計な油が入らないことで、サラダとして美味しく食べられ後を引く。
また、「カオクワ」という餅米を炒ってから細かく擦ったものを入れるのもこの料理の特徴で、「カオクワ」の食感と香りが「ラープ」のうまさを引き立たせている。
この「ラープ」という料理の名前だが、ラオス語で「幸せ」という意味だと聞いたことがある。
本当に「幸せ」という意味なのか確かめたかったが、うちのスタッフにはラオス人が居ないので、タイの東北地方のイサンという場所から働きに来ているスタッフ2名に「ラープ」とはどういう意味なのか聞いてみたが、「肉を細く切った物」とか、「サラダ」とか、つまらない回答ばかりだった。
なぜ、イサンのスタッフに聞いたのかだが、もともと現在のイサンという地域はラオスの一部で「ラーンサーン王国」だったからだ。
後に(18世紀)にイサンはタイに取り込まれたが、今でもイサンではイサン語(ラオ族の話すラオ語)を話している。
ラオ族の血を受け継ぐイサンの人なら「ラープ」の意味が分かるかと思ったのだがガッカリした。
さて、それでは早速、「ラープ」を作ってみよう。
今回は「ラープムゥ」(豚の挽肉)のラープを作ることにしよう。
◆「ラープムゥ」の作り方。
<用意するもの>

手前の写真の左から「いろいろな野菜や柑橘類」(詳細は別の写真で説明)、写真後ろの左からムゥ(豚の挽肉)400g、「ナンプラー」、「カオクワ」、プリッポン(唐辛子の粉)。尚、写真には写っていないが、ピックワ(鷹の爪)とポンチューロット(味の素)を少量使用した。
<いろいろな野菜や柑橘類>

写真の左から、サラネー(ミント)、パクチータイ(コリアンダー)、パクチーファラン(パセリと言われているが、パクチータイを濃くしたような味で香も強い。)、トンホーム(万能ネギ)、バイマックルー(こぶミカンの葉)、ホムデーン(紫玉ねぎ)、マナオ(ライム)。
<作り方>野菜を切る。
①ホムデーン(紫玉ねぎ)をスライスする。

②トンホーム(万能ネギ)とパクチーファランを一緒に小口切りする。

③バイマックルー(こぶミカンの葉)を指先で丸める。

④バイマックルーを細く千切りにする。

⑤パクチータイ(コリアンダー)を1㎝位の長さに切る。

⑥ミントの葉を軸から摘み取る。

⑦マナオ(ライム)を3等分に切る。

<作り方> ピックア(鷹の爪)を油でさっと揚げる。
⑧ピックアを170℃の油で揚げる。(焦げて黒くならないように注意する。)

⑨キッチンペーパー等で油を切る。

<作り方>本調理
⑩フライパンを中火に掛けてムゥ(豚の挽肉)を入れる。(油は敷かない!)

⑪途中で水を大さじ1程加える。

⑫肉全体に火が通るように炒める。

⑬肉に火が通ったらボウルに入れる。

⑭カオクワを大さじ2加える。

⑮マナオ(ライム)を1個分絞る。(さっぱり味が好きならば多めに入れる。)

⑯ナンプラーを大さじ3加える。

⑰味の素を小さじ1加える。

⑭プリッポン(唐辛子の粉)を大さじ2加える。

⑮パクチータイ(コリアンダー)、パクチーファラン、トンホーム(万能ネギ)、ホムデーン(紫玉ねぎ)等の野菜を加える。

⑯さらにバイマックルー(こぶミカンの葉)など、ミント以外の野菜をすべて加える。

⑰全体をよく混ぜ合わせる。

⑱皿に盛る。

⑲キャベツ(クランピー)、インゲン(トゥアファックヤーオ)、キューリ(テンクワー)など、お好みの野菜を添えて、ラープの上にミントの葉(サラネー)と揚げた鷹の爪(ピックア)を乗せる。

完成写真。

この料理は日本の酢の物や和え物と同じで、調味料を加えてからしばらく置いておくと、野菜から水が出てベチャっとしてしまう。
食べる直前にサッサッと和えて食べるのが一番美味しい食べ方だ。
中に入れる具は自分の好きな物を加えて、オリジナルの「ラープ」を作ってみるのもいいだろう。
また、今回はキャベツとインゲンとキューリを添えたが、レタスを添えて「ラープ」をレタスで包んで食べるとビールにピッタリなおつまみになる。
さて、次回は「ヤムウンセン」(春雨のサラダ)を作ってみよう。
(イサーン出身のタイ人達のいうように、ひき肉をつかったサラダらしいです)
「幸せの」という意味があると意気揚々と知り合いに言ったら、
そんな意味はないと激昂されました。
このブログのせいで恥をかきましたよ!!!
私も以前、ラープについて
「ひき肉の料理」「サラダの名前」と聞いて、
釈然としなかったので、このブログを見て「これだ」
と思ったのですが、ガッカリでした。