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カラスのはなし。

2013年05月11日 | Weblog
山の案内 歩き日記 今日の猫たち 白カラスと2ヶ月 参考資料 カラス対策マニュアル(環境省自然環境局) 宇都宮大学杉田昭栄教授講演より
白カラス発見以来、カラスとは「なんじゃろかい」と、探求心に火が付き、調べてみました。その結果、カラスが大好きになりました。

1-カラスの種類
 日本には、5種のカラスがいるが、通常「カラス」と、呼ばれるのは、「ハシブトガラス(ブト)」と「ハシボソ(ボソ)ガラス」である。その違いを下表にまとめた。
比較項目 ハシブトガラス・・・カラス専門家は、「ブト」と言う。 ハシボソガラス・・・「ボソ」
鳴き声 「カァカァ」と、澄んだ声で鳴く。鳴くときは、体を45度に保った姿勢で、声に合わせて、尾を真下に下げる。 「ガァガァ」と、濁った声で鳴く。頭を前後にお辞儀するように振り、その動作に合わせて鳴く。
体型 嘴が太い。嘴から額のラインが出っ張っている。 嘴が細い。嘴からのラインがなだらかで細い顔つき。
イラスト
カラス対策マニュアルより
体長 56cmくらい 50cmくらい
本来の生息地 森や林など隠避性の高いところ。。 草原など開放的なところ。
現代の主な生息地 市街地から山地まで応範囲。市街地で急速に増えている。 山地を除いた平地や農村部。
ブトとボソの混住化も確認されており、明確に区分できない。
なわばり つがいで営巣のため。 基本的にはつがいで営巣のため。
営巣木 茂った常緑樹が多い。 見通しのよい高木が多い。
営巣開始 木の葉が茂ってから。 木の葉が芽吹く前。
卵数 3~5卵。 3~5卵。
地上での移動方法 飛び跳ねる。 二足で歩く。
2-カラスの特性
 ・巣(なわばり)と眠る所(ねぐら)は、別々である。ねぐら:通常夜を過ごすところ。
 ・ねぐらは、森林や公園などの樹木の上である。ねぐらでは、数羽から10,000羽の集団で夜を過ごす。

 ・繁殖期になると、ねぐらと別の所の、樹木、人工物(鉄塔・電柱など)の上に巣を作る。巣の周辺をなわばりとする。
 ・巣の大きさは、50~80cm、厚さは10cmほどで、小枝を集めてつくる。針金のハンガーやプラスチックも使用する。
 ・巣作りは、雄が巣材を運び、雌が細かいところを作るなど、役割分担がある。

 ・雌が卵を温め、18~20日で卵が孵り、雄雌交代で餌を運んで育て、30~35日で巣立つ。
 ・巣作りは3~5月、抱卵は4~5月、巣立ちは6~7月。巣立ってから1~2週間は、巣の周りで暮らす。
 ・巣立った雛は、飛ぶ練習をしながら、暫くは、親の後を追って給餌を受ける。

 ・巣立った後は、通常、巣には戻らない。
 ・繁殖行動できるは、生後3年以降である。繁殖能力のない、若いカラスは、なわばりがもてないので、群れを作って暮らす。

 ・野鳥の寿命を調べることは、大変困難なことであるが、一般的に10~20年程度といわれている。
 ・食べ物は、動物質から植物質まで何でも食べる雑食性。腐敗したものは食べない。

 ・食べ物を隠しておいて、食べ物がないときに取り出して食べる、貯食習性がある。食べ物は、樹木の穴、草むら、石の下、屋根の雨樋、植木鉢などに隠す。
 ・貯食は、隠しておいた、場所を覚えて、おかないといけないので、カラスの記憶力が優れているのは、この貯食習性にあるといわれているが、
  他の鳥類も貯食行動をするので、この説には同意できない。

 ・雌雄の見分けは、観察を続けないと、外見だけでは難しい。交尾中は、上が雄、下が雌である。雌が若干小さい。
 ・カラスはペットを含む、小動物、小鳥、卵、雛を襲って食べることがある。

3-カラスの優れた能力
 ・他の個体と比較して、圧倒的大きい脳をもつ。
 ・人間の顔を3日見続ければ、完全に覚える。

 ・色の識別ができ、どの色に餌が隠されているかといった、学習効果も1週間で完全に覚える。
 ・紫外線に対する視覚センサーを持つので、カラー範囲は人間をはるかに凌駕する。
 ・視力は、人間の7~8倍良い。

 ・怖い物や嫌な物を識別するため、にじり寄る、飛び退くの安全確認行動をする。この安全確認行動のため、カラス害対策が難しくなっている。
 ・カラスの死骸をぶらさげると、カラスは、仲間の死骸に激しく反応し、即座に数羽から数十羽で上空を旋回し、警戒を発声し、かなりの期間近づかない。
 ・満腹になると、鉄棒や滑り台で遊ぶ。

 ・集合、相手の確認、自己主張、警戒などさまざまな場面で、鳴き声によるコミュニケーションを行う。
 ・生ゴミ袋をあせるときは、肉や魚など、栄養価の高い食べ物にありつける可能性が高い、赤っぽいものや、濡れたものを狙っている。

 ・貝など固いものを道路に置き、車のタイヤで割らせる。高い上空から落とし割る。
 ・水道の蛇口を開けて水を飲む。

 ・ザックを開け、ザックの中から弁当を盗む。(私は、その瞬間を目撃しました。)

4-市街地のカラスが増えた理由
 ・生ゴミ、ペットの餌など、栄養価の高い餌が豊富にあり、それにより、繁殖力が高まったため。
 ・人の近くにある、生ゴミを得ることにより、人を怖がらなくなり、猛禽類の少ない、人の近くで、巣作りができ、安全に子育てができるようになったため。
 ・食物が豊富にあるので、捕食能力の劣る、若いカラスや老カラスが餓死せずに生き残れたため。

 ・カラスの卵は生まれる日にちが違い、早く生まれた卵は、早く温め、早く孵るため、大きさもまちまちで、食べ物の少ない森では、
  先に生まれた力の強いものが生き残り、後から生まれた弱いものは死ぬ。もし、食べ物の少ない時期に、全部が、一緒に生まれたら、
  力の差が無く、全てが死んでしまう。後から生まれた蜷は、厳しい自然界で子孫を残すための保険に過ぎないのである。
  食べ物が豊富な市街地では、後から生まれた雛も生き延びられるため。 
5-カラスの害をカラスの立場で考える「カァ~」
 カラスの害が問題になっている。害の一番手は、ゴミ集積場荒らし。2番手は、人間を襲う。3番手はふん公害である。いずれも人間の立場からの害であって、カラスの立場から考えて見ると、「おらたちゃ、なんも悪いことさ、してね、ただ自然に生きているだけだ」と、なる。 
 カラスが、町に住みだしたのは、いつ頃だろうか。ある日、一羽のカラスが町を訪れ、「なんかうまいものはないか」と、高い電柱の上から見ていると、美味しそうな色の詰まった、袋が山積みにされている。カラスは、注意行動をしながら、そろりそろりと近づいては、飛びはなれ、また近づき、ビニール袋を突っつく、突っつくと袋が破れる。

 「じぇじぇじぇ、肉でねぇか」と、カラスは生ゴミの肉を引っ張り出して食べる。「じぇじぇじぇ、うまい」と、カラスは、袋を破り、次から次に、魚や野菜などを引き出して食べる。「ふ~満腹、満腹」と、腹をかかえて、「そっだ、じっちゃんや、ばっちゃんや、おとさんや、おかさんに、おしえねば」と、カラスは森へ帰っていきました。

 それから、しばらくすると、沢山のカラスが、ゴミ集積場にやってきて、ゴミ袋を破り、餌をあせり出しました。 すると、そこへ、人間がやってきて、「こら~~」と怒りました。カラスはびっくりして、飛び逃げましたが、人間は飛んでこない。「二本足、とべんのや」と、安心して、電柱の上から、眺めていると、人間は、いなくなりました。

 また、カラスは、ゴミ集積場を荒らし「満腹、満腹、そっだ、みんなをよぶべ」と、森へ帰っていきました。沢山の」カラスがあちこちのゴミ集積場を荒らすようになりました。そして、「おら、森からここまでくるの、めんどうだべ、それに子供の食べ物運ぶの大変だべ」「うんだ、うんだ、鷹もいねえし、二本足は怖くないし、木もあるしな」「ここに巣をつくるべ」「うんだ、うんだ」と、なりました。

 こうしてカラスは、町に住むようになりました。
自然界ではありえないこと・・・1箇所に餌が集まっている・・・カラスにとって最高の生活環境。 

イラスト
カラス対策マニュアルより

イラスト カラス対策マニュアルより

 カラスが人を襲うのは、繁殖期が多く、雛が巣立ったり、巣から落ちたりする時期が多い。親が雛を守るため人を襲う。

 人が上から見たり、同じ高さから見える場所に巣がある場合に襲われる確率が高い。

 カラスは、巣に近づく人の行動を、常に監視しているので、巣を見つめたりせず、無関心な態度で、カラスと接すると、襲われない。

 カラスが、攻撃する時は、木の枝を折ったり、叩いたり、濁った声で鳴いたり、威嚇行動をする。

 攻撃するのは、主にハシブトガラスである。

 カラスは、 繁殖期以外にも人が襲われることがある。ペットや公園の鳩などに餌をやっている時や、弁当を広げて食べている時が、殆どであり、襲ってるのでな く、捕食行動なのである。

 私が、山で弁当食べている時、カラスがすごいスピードで、近づいて、きたことがありました。「じぇじぇじぇ」でした。実際に遭遇すると、軽い恐怖感を味わえます。鷹にも弁当を食べているとき、襲われたことがあります。(^o^) 弁当を食べている時、いきなり黒いカラスが、近づいてきたら、びっくりして 、恐怖感を感じ、襲われた勘違いするのである。

 なかには、悪い人に、巣を落とされ、巣を落した人と、同じ服装、髪型の人に対して、襲うようになったとの報告もあります。いずれにしても、快適な町の生活で、カラスの数が増え、生ゴミあせりや、餌付けにより、人との距離が短くなった、ことによる弊害と考える。

6-まとめ
 カラスは、ゴミ集積場を荒らし散らかすとか、人を襲うとか、縁起の悪い鳥とか、カラス好きは少ない。でも、カラスは、町の自然の中で、野生の生活を営んでいる、もっとも身近な野鳥である。

 カラスと仲良く暮らすためには、カラスがどういう生活をしているか、知ることが大事である。その上で、対策を講じる必要がある。

 まず、カラスの食を断つこと、生ゴミを食べられないように、網をかぶせたり、ゴミ袋の食い物が、外から見えないようにするとか、食物を捨てたり、餌付けをしたり、小鳥に餌をやったりしないなど、身近なことから始める必要がある。

 カラスが、車に轢かれた、動物などの掃除屋で、甲虫類、小鳥、ネズミなどを補食し、数のコントロールする役割を果たしていることを、忘れないでほしい。

 カラスの顔、カラスの行動、尻をふりふり歩いてる姿、こっそり人間を観察する姿、本当に可愛いですよ。(^^)/


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