シネブログ

このブログは映画に関する記事を書いています☆

『パーフェクト・ストレンジャー』

2008年07月30日 23時59分16秒 | 映画レビュー
原題: PERFECT STRANGER
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 110分
監督:ジェームズ・フォーリー
製作:エレイン・ゴールドスミス=トーマス
製作総指揮:
ロナルド・M・ボズマン
チャールズ・ニューワース
デボラ・シンドラー
原案:ジョン・ボーケンキャンプ
脚本:トッド・コマーニキ
撮影:アナスタス・N・ミコス
プロダクションデザイン:ビル・グルーム
衣装デザイン:レネー・アーリック・カルファス
編集:クリストファー・テレフセン
音楽:アントニオ・ピント
出演:
ハル・ベリー ロウィーナ
ブルース・ウィリス ハリソン・ヒル
ジョヴァンニ・リビシ マイルズ
ゲイリー・ドゥーダン キャメロン
クレア・ルイス
リチャード・ポートナウ
ニッキー・エイコックス
フロレンシア・ロザーノ
ハイジ・クラム
ポーラ・ミランダ
タマラ・フェルドマン
オススメ度:★★☆☆☆

ストーリー:
政財界の大物のスキャンダルを果敢に狙う女性記者のロウィーナは、ある時、幼なじみのグレースが殺された事件の調査に乗り出す。グレースが、出会い系サイトで知り合った大物経済人のハリソン・ヒルと不倫関係にあったことから、ヒルに疑いの目を向けるロウィーナ。知り合いのハッカー、マイルズの協力でヒルに近づき、やがて身分を隠して彼の会社に派遣として潜り込むことに成功する。ところが調べが進むうち、ヒルばかりか、彼女の周囲の人物に次々と秘密や疑惑が浮上、混乱は深まるばかりとなってしまい…。

コメント:
”ラスト7分11秒を迎えるまで決して見破れない事件の謎”
これが本作のキャッチフレーズである。
最近、同じようなものを掲げた作品がホント多いよなぁ。

ラスト何分の衝撃!をネタにした映画っていつ頃から流行りだしたのだろうか?
僕の記憶の限りでは、『メメント』が一番古い。
あれこそホントの”衝撃の結末”だった気がする。
(書きながら思い出したが、『猿の惑星』も衝撃のラストだったな)
それ以降は、『スクリーム』シリーズや『ソウ』シリーズなど数多くの映画が同様の思考で観客を騙してきてきた。

だが、そろそろそれも飽きてきた。

最近は別の作品でシャマラン監督の評価もとことん落ち気味なのを見ていてよくわかる。
観客はもうこの手の作品に慣れてしまっているし、あまり期待もしていない。
いい加減、広告だけで稼ぐのはやめにしようじゃないか!と投げかけたい。

本作はまさにその流れで作られた映画だ。
とりあえずラスト7分11秒でどんでん返しがあるのはいいとして、
じゃあそれまでの103分はなんだったの?
という展開はホントにタメ息ものである。
驚愕できる作品ならいいものの、在り来たりな展開には
「時間を返して!」と、叫びたくなる。

暇つぶしで観た作品だからよかったけど、お金払って観ていたら怒ってたかもしれない。
慣れって恐いものだな。

『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』

2008年07月30日 00時07分24秒 | 映画レビュー
原題: 4: RISE OF THE SILVER SURFER/FANTASTIC FOUR: RISE OF THE SILVER SURFER
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 92分
監督:ティム・ストーリー
製作:
アヴィ・アラッド
ベルント・アイヒンガー
ラルフ・ウィンター
製作総指揮:
マイケル・バーナサン
クリス・コロンバス
ケヴィン・フェイグ
スタン・リー
マーク・ラドクリフ
キャラクター創造:
スタン・リー
ジャック・カービー
原案:
ジョン・ターマン
マーク・フロスト
脚本:
マーク・フロスト
ドン・ペイン
撮影:ラリー・ブランフォード
プロダクションデザイン:カーク・M・ペトルッチェリ
衣装デザイン:メアリー・E・ヴォクト
編集:
ピーター・S・エリオット
ウィリアム・ホイ
マイケル・マカスカー
音楽:ジョン・オットマン
出演:
ヨアン・グリフィズ リード・リチャーズ/Mr.ファンタスティック
ジェシカ・アルバ スーザン・ストーム/インビジブル・ウーマン
クリス・エヴァンス ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ
マイケル・チクリス ベン・グリム/ザ・シング
ダグ・ジョーンズ シルバーサーファー
ジュリアン・マクマホン ビクター・バン・ドゥーム/Dr.ドゥーム
ケリー・ワシントン アリシア・マスターズ
アンドレ・ブラウアー ヘイガー将軍
ザック・グルニエ
ケネス・ウェルシュ
スタン・リー
声の出演:ローレンス・フィッシュバーン シルバーサーファー
オススメ度:★★☆☆☆

ストーリー:
ある時、強大な謎のエネルギー体が彗星のような閃光となって地球に飛来する。そして、それが通過した世界中の各地域では、次々と怪現象が発生していた。そんな中、巷では“ファンタスティック・フォー”のリードとスーが結婚するという話題で持ちきりに。しかし挙式当日、あの閃光がニューヨークに出現。それは銀色のボードを駆る人型の姿をしていることから“シルバーサーファー”と名付けられ、リードたちは謎の解明に奔走する。すると、シルバーサーファーが現われた星は、いずれも8日以内に滅びていることが判明。さらに、この一件には、かつてファンタスティック・フォーに捕らえられたはずの宿敵ビクターまで関わってくるのだが…。

コメント:
日本のサブタイトルが”銀河の危機”となっているが、原題は”SILVER SURFER”である。本作はまさにその”シルバーサーファー”が主人公とも言えるべき作品であるということを念頭に置いておくべきだ。日本ではよくサブタイトルのつけ方で配給会社のセンスを疑うことがしばしばあるが、本作も先入観の違いにより全く違う見方の出来る作品だといえる。

ある日、世界中で連続的な怪現象が続発した。
日本では駿河湾が凍結し(何でここを選んだのかわからんが…)、
エジプトでは突然の吹雪、ロサンゼルスでは大停電が発生。

と、同時に銀色に輝く遊体は彗星の如く地球に降り立った。
シンプルなその風貌が逆に底知れぬパワーを感じさせる。
ちょっと間違えば『ターミネーター2』の液体金属に間違えられかねない宇宙からの侵入者。
その名も”シルバーサーファー”(見たまんまじゃん…)!!
さてファンタスティック・フォーは敵か味方かわからない彼とどう対峙するのだろうか?
というお話。

個人的な感想としてはちょっとあっさりしすぎて、やや盛り上がりに欠けてしまった感じ。
前作同様、ファンタスティック・フォー各々の能力を生かした戦いは見所でもあるが、出番があまりに少ない。
まあ92分という上映時間で短くまとめ、観客を下手に退屈させてないだけマシと言えるかもしれない。

個人的に前作のジェシカ・アルバが大好きだったので、それを期待して鑑賞したというのもあるのだが、そのジェシカ・アルバだが、結婚直前という設定のため終始ピリピリムードが消えない。
ブロンドの髪も全く合っていないし、彼女の魅力が全く活かされていないのが残念だ。

悪役もなんだか絞られてない感じがして、ヒーローものとしての醍醐味が感じられない。
オススメできるポイントを探すのに苦労する作品だ。
な~んか全体的に中途半端な作品であった。

『300 <スリーハンドレッド>』

2008年07月28日 20時50分14秒 | 映画レビュー
原題: 300
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 117分
監督:ザック・スナイダー
製作:
ジャンニ・ヌナリ
マーク・キャントン
バーニー・ゴールドマン
ジェフリー・シルヴァー
製作総指揮:
フランク・ミラー
デボラ・スナイダー
クレイグ・J・フローレス
トーマス・タル
ウィリアム・フェイ
スコット・メドニック
ベンジャミン・ウェイスブレン
原作:
フランク・ミラー
リン・ヴァーリー
脚本:
ザック・スナイダー
マイケル・B・ゴードン
カート・ジョンスタッド
撮影:ラリー・フォン
プロダクションデザイン:ジェームズ・ビゼル
編集:ウィリアム・ホイ
音楽:タイラー・ベイツ
出演:
ジェラルド・バトラー レオニダス
レナ・ヘディ 王妃ゴルゴ
デヴィッド・ウェンハム ディリオス
ドミニク・ウェスト セロン
マイケル・ファスベンダー ステリオス
ヴィンセント・リーガン 隊長
トム・ウィズダム アスティノス
アンドリュー・プレヴィン ダクソス
アンドリュー・ティアナン エフィアルテス
ロドリゴ・サントロ クセルクセス
マリー=ジュリー・リヴェス
スティーヴン・マクハティ
タイロン・ベンスキン
ピーター・メンサー
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
紀元前480年、それまで千もの国々を征服してきた大帝国ペルシアはスパルタを次なる標的に定め、ペルシア大王クセルクセスに服従の証を立てるよう迫ってきた。これに対し、戦士の国スパルタの王レオニダスはその要求を一蹴、100万の軍勢を持つペルシアと戦うことを決意する。そして、レオニダスのもとには強靱な300人の精鋭が集結するのだった。さらにアルカディア軍などの援軍も得たレオニダスは、海岸線に連なる狭い山道のホット・ゲートに敵を誘い込む作戦を掲げ、300人の勇士と共に立ちはだかる。やがて、ペルシアの大軍が現われ、熾烈極まる死闘が始まった。圧倒的に不利と思われたスパルタ軍は怒濤の攻撃で敵軍を粉砕し、緒戦となる一日目は勝利を収めるのだが…。

コメント:
男の血が騒ぐ!!
これはまさに男をターゲットにした作品だ。

女性はあの肉体美を見て惚れ惚れするのかどうかは知らないが、男の目線で見るとあの肉体美はある意味羨ましい。このメタボメタボと騒がれる世の中で、あの肉体を持っていればどれだけ素晴らしいことか(ま、実際あそこまで筋肉があると…)。

と、ここまでちょっと肉体肉体と連発してしまったが、別にそっちの気があるわけではないのでご心配なく。それにしてもあの鍛え方は尋常ではない。一体どれだけ筋トレをすればあんな体になれるのか…。もうあの体をものにしただけで出演者は喝采を博したようなものだ。

本作の見所は何と言っても、「300人のスパルタ兵士 VS 100万人のペルシア軍」の戦いだ。とにかくビジュアルにはとことん凝っており見せ方があまりにカッコよすぎる。槍、剣、盾、彼らに持たせたものは全て武器となり、そして戦いには欠かせない知恵をも使い切る。早回し、コマ落とし、スローモーションの3つを多用し、戦いの極意を無駄なく描き切っていると言える。

槍で突き刺し、盾で交わし、そしてまた槍で突き刺していく。
敵が緩めば攻めて攻めて攻め続け、殺しに怯むことはない。
戦うことで生き抜いていくという教え…
そして生まれたときから鍛え抜かれた戦闘能力…
これはもはや普通の域ではない。
血しぶきを浴びながら彼らは自分たちの命が尽きるまで戦い抜く。

それがスパルタの教えなのだ。


これを芸術と見るか、ただの戦争と見るか。
見た者の視覚に任せ、新しい映像美の世界を堪能してみて欲しい。

『魔法にかけられて』

2008年07月27日 02時03分54秒 | 映画レビュー
原題: ENCHANTED
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 108分
監督:ケヴィン・リマ
製作:
バリー・ソネンフェルド
バリー・ジョセフソン
製作総指揮:
クリス・チェイス
サニル・パ-カシュ
エズラ・スワードロウ
脚本:ビル・ケリー
撮影:ドン・バージェス
プロダクションデザイン:スチュアート・ワーツェル
衣装デザイン:モナ・メイ
編集:
スティーヴン・A・ロッター
グレゴリー・パーラー
作詞作曲:
アラン・メンケン
スティーヴン・シュワルツ
音楽:アラン・メンケン
音楽監修:ドーン・ソーラー
ナレーション:ジュリー・アンドリュース
出演:
エイミー・アダムス ジゼル
パトリック・デンプシー ロバート・フィリップ
スーザン・サランドン ナリッサ女王
ジェームズ・マースデン エドワード王子
レイチェル・カヴィ モーガン・フィリップ
ティモシー・スポール ナサニエル
イディナ・メンゼル ナンシー・トレメイン
サマンサ・アイヴァース ナンシー
声の出演:
ジェフ・ベネット
ケヴィン・リマ
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
魔法の王国“アンダレーシア”に暮らす心優しいプリンセス、ジゼル。彼女はある日、エドワード王子と運命的な出会いを果たし、晴れて結婚することに。だがその一方、彼らの結婚によって王位を手放すことになるナリッサ女王は一計を案じる。実は彼女の正体は魔女だったのだ。そして結婚式当日、老婆に化けたナリッサはジゼルに接近し、彼女を井戸に突き落としてしまう。やがて、ジゼルが辿り着いた場所は、現実の世界、現代のニューヨークだった。しかし、周囲に助けを求めるものの誰も手を差し伸べてはくれず、途方に暮れるジゼル。そんな中、彼女はバツイチの離婚弁護士ロバートとその娘モーガンに救われるのだが…。

コメント:
王子とお姫様が出会った瞬間
「あ~ジゼル!朝には結婚しよう!」
って聞いたときは「おいっ!」とつい声を出してしまった。

でもそれはディズニーというおとぎ話の中でのこと。
現実の世界にくれば、どんな王子とお姫様だって真実の愛には悩んでしまうもの。

過去のディズニー映画を全く新しい方法でパロディー化し、
子供も大人もみんなで楽しめる新しいディズニー映画が誕生した。


「あぁあぁあ~あぁあぁあ~あぁあぁあああぁ~」
とお姫様が歌えば動物がみんな集まってくる。

公園で愛の歌を歌えば、人間だってみんな愛を誓いたくなる。
そこはまるでディズニーランドのパレードのよう。

朝起きればカーテンや絨毯を使ってあっという間にドレスを作っちゃう。
朝から歌って踊って楽しい目覚め。

ちょっとおかしな娘だけど、
こんなお姫様がいたら誰だって好きになるさ!!


まさかディズニーの実写版を見れるとは思ってもいなかった。
お姫様のジゼルを演じたエイミー・アダムスの可愛くて美しい歌声なこと。
まさに現代のプリンセスにふさわしい女性だ。
あのうさんくさい王子を演じたジェームズ・マースデンも完璧役にはまっていた(笑)

リスのピップ(エレキバンじゃないよ)も大活躍!?
現代に来た途端喋ることができなくなり、
王子に見せるジェスチャーがなんともかわいい。

ストーリーはと言うと意外や意外、まさかの方向に展開する。
魔女といえば毒リンゴのイメージ(それは白雪姫だけか?)だが、
本作でもちゃんと登場している。
が、王子様の真実の愛のキスが通用しない!!
なんとジゼルは現実の世界に来てしまったせいで、
別の男性を好きになってしまっていたのだ。

過去には見ない展開に最後までハラハラドキドキだった。
真実の愛を見つけるのは難しいって気にもさせられるが、
逆に歌って踊って自分の言葉で伝えれば真実の愛は見つかるんだ。

みんなが現代の魔法にかけられたラストに感動。
たまにはこういうラストもいいなって感じだ。

本作の見所は、ディズニーと現代の世界をうまくコラボレーションさせたこと。
歌って踊ってミュージカル映画のような感じにも見えるが、
ディズニーが好きな人には間違いなくオススメの作品。
恋人、家族、みんなで見るとハッピーになれること間違いなし。

でもミュージカル嫌いのあのタ○リさんはこういう作品嫌いなんだろうな(笑)

『ブレイブ ワン』

2008年07月26日 00時42分08秒 | 映画レビュー
原題: THE BRAVE ONE
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ/オーストラリア 上映時間: 122分
監督:ニール・ジョーダン
製作:
ジョエル・シルヴァー
スーザン・ダウニー
製作総指揮:
ハーバート・W・ゲインズ
ジョディ・フォスター
デイナ・ゴールドバーグ
ブルース・バーマン
原案:
ロデリック・テイラー
ブルース・A・テイラー
脚本:
ロデリック・テイラー
ブルース・A・テイラー
シンシア・モート
撮影:フィリップ・ルースロ
プロダクションデザイン:クリスティ・ズィー
衣装デザイン:キャサリン・マリー・トーマス
編集:トニー・ローソン
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演:
ジョディ・フォスター エリカ・ベイン
テレンス・ハワード ショーン・マーサー刑事
ナヴィーン・アンドリュース デイビッド・キルマーニ
メアリー・スティーンバージェン キャロル
ニッキー・カット ビタール刑事
ジェーン・アダムス ニコール
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
ニューヨークでラジオ番組のパーソナリティを務めるエリカは、婚約者デイビッドとの挙式を間近に控えていた。そんなある日、2人は愛犬を連れた散歩中に3人組の暴漢に襲われ、デイビッドが命を落としてしまう。幸せの絶頂を目前に絶望の淵へ突き落とされたエリカ。そんな彼女とは対照的に、警察の事件への取り組みはおざなりだった。そこで彼女は、自分で我が身を守るしかないと一挺の拳銃を手に入れる。そしてある時、偶然入ったコンビニの中で銃殺現場に遭遇、自分も狙われたエリカはとっさに引き金を引くのだった。その瞬間、彼女の中で何かが目覚め、やがて深夜の地下鉄では恐喝してきた2人の悪党を躊躇なく撃ち殺すのだが…。

コメント:
最愛の恋人を殺されたヒロインが、自分の身を守るため一挺の拳銃を手にしたのを機に、街をごろつく悪人たちを処刑していく様を描く。

はっきり言ってこれ程までに重い作品は久々で、鑑賞後に心に蟠りの残る結末も初めてのような気がする。

復讐映画といえば、過去に数え切れないほど製作されているジャンルである。本作もパターン的には今までとさほど変わらない作品だと言えるかも知れない。だが、過去の作品と圧倒的に違うと感じたのは、ジョディ・フォスター演じるエリカの復讐に燃える動機と葛藤がリアルかつ繊細に描かれている部分である。

彼女は復讐をするために銃を持ったのか?
おそらく自分の身を守るための護身用の銃に違いない。
だがその感情は、仕事を通じて、献身的な刑事との行動を通じて、次第に復讐心へと変化していく。

たまたま遭遇した争いごとを”銃”によって切り抜けていくエリカ。
自分は悪を世の中から排除する力を持っている。
”銃”があれば自分を守れる、人を助けることができる、自分と同じ目に遭う人がいなくなる。
そんな自己中心的な偽善心がやがて彼女に復讐心を宿らせることになる。

だが全てが正しいという声ばかりではない。

ラジオ番組で犯罪に対する声を聞いて、悪に対する制裁を後悔するエリカ。
崩れつつモラルを前に、法と感情を両立させる刑事の話を聞き葛藤が渦巻く。
そんな中、自分と同じ被害者の話を聞いたときは彼女自身の決断が全てを決めることになったのだ。

ある日、彼女の家に結婚式の招待状が届く。
自分たちの結婚式のために、婚約者と一緒に作ったものだ。
この時彼女の心を復習心が完全支配することとなる。

「あのときに戻りたい。」

戻れるわけはないと知りながら、彼女は自分たちを地獄へ突き落とした犯人のところへ向かう。
エリカは自分の人生を奪ったやつらに迷いもなく”銃”を放つ。


一体何が正しくて何が間違っているのか?
僕は本作に答えを見出すことができない。

もちろんエリカとその婚約者に理由もなく暴行を与えたごろつき集団は間違いなく死刑に値する存在だ。
だが、その悪党に復習心だけで制裁を加えていいのかわからない。

どちらかといえば、その行動は許されるものなのかもしれない。
自分の人生、自分の大切な人を奪った人間を殺して何が悪い。
そう思うのが当たり前なのだ。
本人がやりたいのならそれを認めるのもやさしさなのかもしれない。

だが、どちらにしろ過去は消えることはない。
エリカには一生悪夢としてまとわりつく問題なのだ。
そこに救いはあるのか?希望はあるのか?
それこそ当事者の生きていくための課題なのだろう。

本作では答えを出すことはできない。
感情で片付けるか、法律で片付けるか…
考えたところで出る答えなどないのだろう。
当事者がどれだけ辛い思いをするか、それだけが重くのしかかる内容である。

『ナンバー23』

2008年07月21日 03時15分19秒 | 映画レビュー
原題: THE NUMBER 23
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 99分
監督:ジョエル・シューマカー
製作:ボー・フリン、トリップ・ヴィンソン
製作総指揮:リチャード・ブレナー、マイク・ドレイク、トビー・エメリッヒ、キース・ゴールドバーグ、イーライ・リッチバーグ、ブルックリン・ウィーヴァー
脚本:ファーンリー・フィリップス
撮影:マシュー・リバティーク
プロダクションデザイン:アンドリュー・ロウズ
衣装デザイン:ダニエル・オーランディ
編集:マーク・スティーヴンス
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演: ジム・キャリー ウォルター・スパロウ/フィンガリング
ヴァージニア・マドセン アガサ・スパロウ/ファブリツィア
ローガン・ラーマン ロビン・スパロウ
ダニー・ヒューストン アイザック・フレンチ/マイルズ・フェニックス
リン・コリンズ ブロンドの女/ドブキンス未亡人/フィンガリングの母
ローナ・ミトラ ローラ・トーリンズ
ミシェル・アーサー
マーク・ペルグリノ
ポール・ブッチャー
エド・ローター
パトリシア・ベルチャー
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
動物管理局に勤める平凡な男、ウォルター・スパロウ。誕生日である2月3日、彼は妻アガサから“ナンバー23”という殺人ミステリーの本をプレゼントされる。その小説には、まるでウォルターそのものと思える主人公が登場し、“23”という数字が持つ奇妙な謎に取り憑かれて人生を狂わし、破滅へと向かう姿が描かれていた。やがてウォルターは、自分に関係するあらゆる情報も“23”に符合している事実に愕然とし、自分も物語の主人公と同じ運命を辿るという強迫観念に囚われてしまうのだったが…。

コメント:
僕も数字を見ると、つい何かと絡めたくなる癖がある。例えば自分と同じ誕生日の人には変な運命を感じたり、”4:44”という時間を見たときは不吉な予感がしたりと、どうでもいいこだわりが生まれてくるのが数字の不思議な力だ。本作ではとにかく”23”という数字をありったけ探して探して探しまくった結果、たまたまこじつけのような作品が出来上がってしまったというような映画である。

ラテン語は23文字
テンプル騎士団の歴代総長23人
魔女の宴 6月23日
タイタニック号の沈没 1912年4月15日
TWA機の事故 座席番号23で爆発
元大統領クリントンとブッシュの名 23文字
米国 ドイツに戦線布告 1941年12月11日
ヒトラー自殺 1945年4月
シーザーの刺し傷23
古代マヤ人が信じた世界の週末 2012年12月23日
チャールズ・マンソンの誕生日 11月12日
死の陰の谷を歩く時…聖書の詩編23

オープニングで流れるこれらのテロップだが、映画とは全くと言っていいほど関係ない。つまり”23”なんてものは探せばいくらでもあるもので、こじつけ以外の何ものでもない。上に書いた項目が少しでもストーリーに絡むなら感動もあるのだろうが、別にそういうわけでもないからがっかりだった。

それよりも気になったのがジム・キャリーの容姿だ。彼が髪をアップにし髭を生やした姿はジャック・ニコルソンにそっくりではないか。しかも彼の演技には深みがあり役作りも完璧だ。次世代のジャック・ニコルソンとなるかはわからないが、これからますます名優の道を歩んで行く彼が見えるような気がした。

あまりに”23”と宣伝されているので、”23”という数字に囚われがちになるが、そこはあまり気にしないように鑑賞すべきだ。”23”という数字に囚われず鑑賞できれば、それなりに楽しめる内容である。

『ディスタービア』

2008年07月20日 00時20分56秒 | 映画レビュー
原題: DISTURBIA
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 104分
監督:D・J・カルーソー
製作:ジョー・メジャック、E・ベネット・ウォルシュ、ジャッキー・マーカス
製作総指揮:アイヴァン・ライトマン、トム・ポロック
原案:クリストファー・ランドン
脚本:クリストファー・ランドン、カール・エルスワース
撮影監督:ロジェ・ストファーズ
プロダクションデザイン:トム・サウスウェル
衣装デザイン:マリー=シルヴィー・ドゥヴォー
編集:ジム・ペイジ
音楽:ジェフ・ザネリ
出演:
シャイア・ラブーフ ケール
キャリー=アン・モス ジュリー
デヴィッド・モース ミスター・ターナー
サラ・ローマー アシュリー
アーロン・ヨー ロニー
ホセ・パブロ・カンティージョ
マット・クレイヴン
ヴィオラ・デイヴィス
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
父親を交通事故で亡くして以来、自暴自棄になっていたケールは学校で教師を殴る事件を起こしてしまう。そして裁判所から3ヶ月間の自宅軟禁処分を言い渡され、行動範囲の半径30メートルを越えると警察へ通報される監視システムを足首に取り付けられる羽目に。こうして暇を持て余し、ある時ふと近所の覗き見を始めたケールは、やがて親友のロニーと隣に引っ越してきたアシュリーも交え、ますます覗き見にはまっていく。そんなある日、血まみれのゴミ袋を引きずる人影を目にするケール。また同じ頃、巷では赤毛の女性ばかりが次々と行方不明になる事件が頻発していた。裏手に住む挙動不審な男ターナーが容疑者と睨んだケールたちは、彼を焦点に覗きを続けていくのだが…。

コメント:
ヒッチコックの名作『裏窓』の題材を借りてはいるものの、現代のデジタル技術を駆使したことで新しいアイディアが満載で、まさに極上のサスペンス映画と化している。

『裏窓』の特徴と言えば、主人公が足を骨折してベッドでの生活を余儀なくされたことで始まる映画だ。本作では主人公が教師を殴った罪で3ヶ月の自宅監禁を命じられ、そこから殺人事件の目撃者となってしまうというお話。まず驚いたのが、監禁中に足に巻いて自宅からの逃走を監視するシステムが存在していることだ。自宅から30m離れただけで、システムが起動し即座に警察が押し寄せてくる。この30mという距離が全体的にうまく利用されており、とてもバランスの取れた緊張感を保ってくれている。

また今回探偵を一緒に行うのが、隣に引っ越してきた美女アシュリーと親友でお調子者のロニー。まず本作のキーワードでもある”覗き”だが、アシュリーに対する覗きシーンはかなり控えめで男としてはちょっと物足りない。隣家で真昼っからプールで泳がれちゃ~誰だって覗きたくなるでしょ!?もう少しサービスがあったら★5つだったのに…。でもこの女優さん、ホントにきれいで魅力あるのでこれからもたくさん映画に出てほしいもんですな。

と、話が少しずれたが、メインはやはり殺人鬼の行動を”覗く”というものである。双眼鏡から見たアップの視点と窓から見える全体の視点をうまく使い分け、覗く者たちと犯人の心理をうまく描いている。”覗く”ということは相手からも”覗ける”という恐怖をひしひしと感じさせられた。

舞台は現代ということで、デジタルカメラ、携帯、パソコンなどデジタル機器があらゆるところで使用される。自分の目で確かめることより、デジタル機器に映ったものを先に信じてしまう世の中。最終的に信じられるのは、自分の目で見て手で触ってリアルな実物を確かめるしかない。後半で犯人の自宅へ潜入する主人公たちの心理はそういったところにあるのだろう。でも確固たる証拠が上がるまで動かない警察も嫌だな。鹿を自宅に持ち帰って車庫に保管している人間を不審に思わないものだろうか?あれはあまりに出来すぎな話であるように感じた。

いやそれにしても犯人役のデヴィッド・モースははまり役だ。白髪の渋い風貌に落ち着いた演技。冷静かつ沈着にことを運ぶ犯人にピッタリである。主人公のシャイア・ラブーフも期待の俳優なだけに名演技を見せてくれている。キスシーンが長すぎて結構苛っとしたけど…今後も期待できる俳優だ。

最初から犯人は明確であるものの、行動範囲も狭められじわじわと追い詰められる感覚が最高のサスペンス要素といえる。現代版『裏窓』の名は十分引き継げる作品であったように思う。”覗き”という、やってはいけないけどついついやってしまう人間の葛藤がいきつく結末をとくとご覧あれ。

『ホステル2』

2008年07月19日 11時11分17秒 | 映画レビュー
原題: HOSTEL: PART II
製作年度: 2007年
監督: イーライ・ロス
上映時間: 94分
監督:イーライ・ロス
製作:イーライ・ロス、マイク・フレイス、クリストファー・ブリッグス
製作総指揮:スコット・スピーゲル、ボアズ・イェーキン、クエンティン・タランティーノ
脚本:イーライ・ロス
撮影:ミラン・チャディマ
特殊メイク:グレゴリー・ニコテロ、ハワード・バーガー
プロダクションデザイン:ロブ・ウィルソン・キング
衣装デザイン:スザンナ・プイスト
編集:ジョージ・フォルシー・Jr、ブラッド・E・ウィルハイト
音楽:ネイサン・バー
出演:
ローレン・ジャーマン ベス
ビジュー・フィリップス ホイットニー
ロジャー・バート スチュアート
リチャード・バージ トッド
ヴェラ・ヨルダノーヴァ アクセル
ヘザー・マタラッツォ ローナ
スターニスラフ・イワネフスキー
ジェイ・ヘルナンデス
ジョーダン・ラッド
エドウィジュ・フェネシュ
モニカ・マラコーワ
オススメ度:★★☆☆☆

ストーリー:
ローマに留学中のアメリカ人女子大生ベス、ホイットニー、ローナは、休暇を使ってヨーロッパ旅行に出発、プラハ行きの列車に乗る。そこで、天然スパの情報を聞いた彼女たちは急遽行き先を変更、スロバキアに向かうのだった。やがて、目的地ブラティスラヴァのホステルに到着し、町へ繰り出す3人。だが彼女たちは、ある会員制拷問殺人ゲームの餌食としてパスポート写真が世界中の金持ちたちにインターネット配信され、オークションにかけられていることなど知る由もなかった。そして、ベスたちは2人のアメリカ人男性に落札され、彼らの快楽を満たす生け贄となるため戦慄の舞台へいざなわれていく…。

コメント:
前作では快楽を求めて旅をしていた3人の青年が、訳も分からないまま拷問されそのまま殺されるという、どちらかというと被害者の視点で描かれており、裏の世界がいまいちはっきりしないまま終わったという感じだった。それとは打って変わって本作は、殺人ゲームにおいて生け贄を落札するユーザの視点を主に描いており、この恐ろしい裏の世界がどのようにして運営されていたのかを坦々と描いている作品である。

正直、正常な人間にとってはかなりきつい内容だ。たとえ映画とはいえ、こんな内容を描いていいのか疑問に思ってしまうくらい残酷でエグイ。評価以前の問題だと感じた。

特に子供を出しすぎなところはやめて欲しい。子供にあんな役をさせたらダメだ。なんだか世界のバランスがおかしくなりそうで見ていられない。製作者としてはそういう訳の分からない恐怖の世界を描きたいのだろうが、ただグロイ映画を作りたいだけならこれで最後にして欲しいものだ。

自分がこんな作品に手を出してしまうのもある意味恐怖だが、この恐怖の世界を作り出してしまう製作者がやはり一番恐怖である。

相変わらずタランティーノの名前が入ってるが、彼は完全にドMな人間なのだろう。それにしてもラストで、女が男の○○を○○するところは流石に見てられなかった。あれは痛すぎるぞ!!

『となりのトトロ』

2008年07月18日 23時31分36秒 | 映画レビュー
原題:MY NEIGHBOR TOTORO
製作年度: 1988年
監督:宮崎駿
上映時間: 88分
監督:宮崎駿
製作:徳間康快
プロデューサー:原徹
企画:山下辰巳、尾形英夫
原作:宮崎駿
脚本:宮崎駿
撮影:白井久男 スタジオコスモス
特殊効果:谷藤薫児
美術:男鹿和雄
編集:瀬山武司
作詞:中川季枝子 「さんぽ」
音楽:久石譲
歌:井上あずみ
作・編曲:久石譲
仕上:保田道世
制作:スタジオジブリ
声の出演:
日高のり子 サツキ
坂本千夏 メイ
糸井重里 とうさん
島本須美 かあさん
北林谷栄 ばあちゃん
高木均 トトロ
丸山裕子 カンタの母
鷲尾真知子 先生
鈴木れい子 本家のばあちゃん
広瀬正志 カンタの父
雨笠利幸 カンタ
千葉繁 草刈り男
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
大学で考古学を研究する学者のお父さん、小学6年生のサツキ、4歳のメイの3人が引っ越してきたのは、豊かな自然と美しい四季があふれる田舎の、「お化け屋敷」のような一軒家。しかし本当に出たんです……トトロが。

コメント:
「ヴぉーヴぉーグゴォォォ」
メイが最初にトトロと出会うシーンが一番好き。

それにしても何てほのぼのとした作品なのだろう。時代設定は昭和30年代初頭ということなので、まさに当時の風景をそのまま映画にした作品。日本にはまだこれだけ豊かな自然があるのだということを思い出させてくれる。

お父さんとサツキ、メイが引っ越してきたボロ屋敷。川がせせらぎ、家の裏には何百年も聳え立つクスノキがある。

そんな田舎の風景に突如と現れるトトロの姿。体は大きいけどフカフカの毛皮に包まれあどけない笑顔。こんなお化け(?)がいても全く違和感を感じさせないところがこの映画のスゴイところなのだ。日本の人里離れた田舎にはどこにでもこんなお化けがいるのかもしれない。きっと日本の自然は全てトトロが不思議なダンスを踊って作り出してくれているんだ!と、大人なのにそんな妄想を抱いてしまう。だけどそういう不思議でちょっと怖さを交えた想像の世界を持てるって素敵なことだと思うのだ。

ジブリ作品の背景には、いつも目には見えない大きなテーマを感じることができるからおもしろい。

でも実はこの映画、結構暗い面を持ち合わせている。サツキとメイのお母さんは病気であまり思わしくない状況。元気に振舞う二人だが、後半はお母さんの病気を巡って奮闘する姿が描かれる。でもこの設定があったからこそ更におもしろいキャラの登場を実現可能とした。

”ネコバス”

猫好きにはたまらなく素敵なキャラに違いないだろう。メイを探すために行き先がメイとなり、お母さんに会うために行き先が病院と変わる(最後は「す」ってなってたから自分の巣に帰るのかな?)。とにかく便利なバスだ。トトロも乗せられるし、人間からは見えないし、キャラとしても最高の目立ち方。

他にも”まっくろくろすけ”や”中トトロ””小トトロ”など脇キャラが夢のある世界をサポートしてくれているし、もう言うことなしのアニメ作品。個人的には自分の子供に見せたい映画No.1だ。映画を通じて自然の素晴らしさを感じ、人間が忘れかけている世界を思い出させてくれる。そして最高の音楽。家族みんなで見るにはもってこいの作品だ。

この暑い夏、もう一度この作品を観て自然にとけ込んでみてはどうだろうか?
きっとどことなく涼しさを感じさせてくれることだろう。

『鉄コン筋クリート』

2008年07月18日 00時34分58秒 | 映画レビュー
原題:-
製作年度: 2006年
別題:-
製作国・地域: 日本 上映時間: 111分
監督:マイケル・アリアス
アニメーション制作:STUDIO4℃
動画監督:梶谷睦子
演出:安藤裕章
プロデューサー:田中栄子、鎌形英一、豊島雅郎、植田文郎
エグゼクティブプロデューサー:北川直樹、椎名保、亀井修、田中栄子
原作:松本大洋 『鉄コン筋クリート』
脚本:アンソニー・ワイントラーブ
デザイン:久保まさひこ(車輌デザイン)
美術監督:木村真二
編集:武宮むつみ
音楽:Plaid
主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION 『或る街の群青』
CGI監督:坂本拓馬
キャラクターデザイン:西見祥示郎
サウンドデザイン:ミッチ・オシアス
作画監督:久保まさひこ、浦谷千恵
色彩設計:伊東美由樹
総作画監督:西見祥示郎
声の出演:
二宮和也 クロ
蒼井優 シロ
伊勢谷友介 木村
宮藤官九郎 沢田
大森南朋 チョコラ
岡田義徳 バニラ
森三中 小僧
納谷六朗 じっちゃ
西村知道 藤村
麦人 組長
田中泯 ネズミ(鈴木)
本木雅弘 蛇
オススメ度:★☆☆☆☆

ストーリー:
昔ながらの義理と人情が支配する街“宝町”を拠点に、何ものにも支配されずに自由に飛び回る“ネコ”と呼ばれるふたりの少年クロとシロ。彼らは誰よりも街を知り尽くしていたが、その愛する宝町に再開発と呼ばれる変革の荒波が迫ってくる。その影響でヤクザと暴力といった“退廃”が同時に街に押し寄せてしまい……。

コメント:
僕は基本的にアニメは好きなほうだ…と今まで言い続けていたが、実はそうではないのかもしれないことに気付いた。実際アニメ好きがアニメに求めるレベルってどういったものなのかわかってないが、個人的に求めるものと言えば”キャラ””声優”そして”世界観”の3つだ。

過去のアニメで好きなものと言えば、ジブリ(『ゲド戦記』はダメだったけど…)やディズニーといった王道の作品、最近は『時をかける少女』でも感動させられた。最低でもキャラクターと世界観ははずせない要素となっている。それらの個人的なこだわりがたまたまはずれたせいか、本作はその全てが自分に合わないと判断してしまったのだ。

あとから調べてみると、監督は「アニマトリックス」のマイケル・アリアスが手がけているではないか。実はあの作品もすんなり受け入れられなかったのが事実。やはりアニメには人それぞれの向き不向きがあるのだということなのだろう。合わないものはとことん合わないという事実を受け入れざるを得なかった。

人は皆好き嫌いがあるものなのだから当然このセンスに合わせる必要もなく、ただ義理と人情が支配する街という設定に惹かれたというのもあって最後まで鑑賞はさせてもらった。とはいえ声優にしても、はっきり言っていらいらするセリフが多く完全にシャットダウン。蒼井優の名演技という以前の問題であった。本作は映画版ではなく原作の漫画コミックで観るのが最適だということで判断した。

この夏、様々なアニメ作品が公開されるが、特にあの”ポ~ニョポ~ニョ”言ってるやつ。
個人的にはあれも危険な香りがしてならないのだ…。

『AVP2 エイリアンズVS. プレデター』

2008年07月13日 18時33分12秒 | 映画レビュー
原題: ALIENS VS. PREDATOR: REQUIEM
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 94分
監督:コリン・ストラウス(ザ・ブラザーズ・ストラウス)、グレッグ・ストラウス(ザ・ブラザーズ・ストラウス)
製作:ジョン・デイヴィス、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル
製作総指揮:ポール・ディーソン
脚本:シェーン・サレルノ
撮影:ダニエル・C・パール
クリーチャーエフェクト:アレック・ギリス、トム・ウッドラフ・Jr
クリーチャークリエイト:アレック・ギリス、トム・ウッドラフ・Jr
プロダクションデザイン:アンドリュー・ネスコロムニー
衣装デザイン:アンガス・ストラティー
編集:ダン・ジマーマン
音楽:ブライアン・タイラー
出演:
スティーヴン・パスクール ダラス
レイコ・エイルスワース ケリー・オブライエン
ジョン・オーティス モラレス
ジョニー・ルイス リッキー
アリエル・ゲイド モリー
クリステン・ヘイガー
サム・トラメル
ロバート・ジョイ
デヴィッド・パートコー
トム・ウッドラフ・Jr
イーアン・ワイト
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
南極での死闘を終えたプレデターの宇宙船では、すでに次なる戦いへの火種が生じていた。一体のプレデターからチェストバスター(エイリアンの幼体)が誕生し、両者の能力を併せ持つ“プレデリアン”へと成長、プレデターたちを次々に惨殺していく。そしてコントロール不能となった宇宙船はコロラドの森へ墜落。すると、プレデリアンのほか、船内に潜んでいたエイリアンたちが獲物を求め飛び出していくのだった。一方、船の異変を知ったプレデター側も、エイリアンの駆逐を生業とするニュー・プレデター“ザ・クリーナー”が地球へと乗り込んでくる。こうして、再び2大モンスターの激闘が始まり、地元の人間たちはこの凄惨な戦いに巻き込まれてしまうのだが…。

コメント:
いや~やってくれました!いい意味でやってくれました!!
史上最悪の二大モンスター決戦、今回もなかなか派手にやってくれています。

今作の見所と言えば”新種”の登場。
プレデターの体内から生まれた新種のエイリアン“プレデリアン”と、エイリアンの駆逐を生業とするニュー・プレデター“ザ・クリーナー”。なんかむちゃくちゃな設定から無理矢理生み出された新種のモンスターたちが、なんと本作では地球のとある街中で暴れ回るというだから、ファンにはたまらなくそそられる設定に違いない。

結構本作の評価が低いようだが、その酷評で多く見られるのが、画面が暗かったとかストーリーに深みがないとか、本作に求めるべきでないツッコミばかりである。ホラーなんだから画面が暗いのは当たり前。明るい映像でグロイシーンを見せられるのは嫌でしょ。音だけでそれなりの想像は容易にできるし、見たいと思ったシーンはちゃんと見せてくれているので十分満足のいく内容である。

またストーリーに期待するなんて以ての外だ。そもそもエイリアンとプレデターが同じ作品に登場している地点で、ある意味お遊び的な映画なんだから、2大モンスターが大暴れするというシナリオだけで受け入れるべきなのである。『フレディVSジェイソン』のときだって、一緒に出演しているだけでファンはうれしいもの。そんな作品には過去のオマージュ的な要素を入れてくれるだけで十分なのだ。この設定に変な期待感を持って観ても報われないのは承知の上である。

ま、こういった作品は観る側があらかじめ覚悟して観る必要があるってことだ。個人的には、あらゆる状況でお構いなしに戦ってくれたエイリアンとプレデターを観れただけでよしとする作品である。たまには何も考えず観れるお遊び的な映画もいいものだ。

『ボルケーノ』

2008年07月07日 00時19分38秒 | 映画レビュー
原題: VOLCANO
製作年度: 1997年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 106分
監督:ミック・ジャクソン
製作:ニール・H・モリッツ、アンドリュー・Z・デイヴィス
製作総指揮:ローレン・シュラー=ドナー
脚本:ジェローム・アームストロング、ビリー・レイ
撮影:テオ・ヴァン・デ・サンデ
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:
トミー・リー・ジョーンズ マイク・ローク
アン・ヘッシュ エミー・バーンズ博士
ギャビー・ホフマン ケリー・ローク
ドン・チードル
ジャクリーン・キム
キース・デヴィッド
ジョン・コーベット
ジョン・キャロル・リンチ
マイケル・リスポリ
マルチェロ・テッドフォード
ローリー・レイサム
スージー・エスマン
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
中度の地震が続く中、地下鉄工事現場で作業員が事故死する事件が発生。死因は蒸気によるものだとされたが、市の危機監理局(Office of Emergenxy Management)局長であるマイク・ロークはこの街に忍び寄る未曾有の恐怖を感じていた。そして地震学者のエミーは地下での調査中、同僚を失いながらもここで火山活動が行われている事を突き止めた。だが時既に遅し、エネルギーを蓄え過ぎた溶岩流は遂にタール池から噴出、周囲の建造物や椰子の木々を燃やしながらウィルシャー通りに溢れ出た。火山弾が降り注ぎ、地獄と化すロス市内。このまま溶岩が流れると避難場所が危険だと判断したロークは通りを塞き止める事を決定する。次々と資材が運び込まれ、警官や消防士らの協力で堤防が築かれた。はたして迫り来る溶岩流に彼らは勝つことが出来るのだろうか?

コメント:
火山を題材にした映画と言えば、同年に公開された『ダンテズ・ピーク』か『ボルケーノ』のどちらかと言えるだろう。個人的には後者の方が好きである。ロスの中心で火山が噴火するという有り得ない設定が逆にリアリティを生んでおり、自然災害の恐怖を見事に作り出していると言える。自然災害なんて誰にも予測不可能なものなのだから、これくらい大胆な発想はそれなりに受け入れられることができるだろう。

本作の見所と言えば、なんといってもあの”溶岩”だ。触れたもの全てを燃やし、そして溶かす。時にはゆっくりだが、じわじわと街を呑み込む姿はやはり恐怖の塊に違いない。今回は溶岩が地下鉄や用水路を流れるなど、都会の地形を利用した襲撃の連続で、まるで人間を試しているかのような展開がとても面白いのだ。そんな恐怖に立ち向かうのが主人公の危機監理局局長を始め、学者、警察官、消防士、地下鉄職員、医者のプロフェッショナル達なのだ。人間が知恵を振り絞れば適わないものはないと言わんばかりに、あらゆる手段を使って溶岩に立ち向かっていく。

確かに脚本や演出に対するツッコミどころはたくさんあるが、本作では人間の知恵、思いやり、そして勇気のある行動を見るには相応しい作品である。現実の世界でも今年は自然災害が絶えない状況だ。この先も地球で生きている限り、いつどこで自然災害に遭遇するかわからないだろう。だがそんなときに自分ならどう行動できるか?どうやって生き延びるか?本作は観た者の心にそんな選択肢を問い掛けてくる作品に感じた。