シネブログ

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『レミーのおいしいレストラン』

2008年10月29日 00時24分52秒 | 映画レビュー
原題: RATATOUILLE
製作年度: 2007年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 120分
監督:ブラッド・バード
製作:ブラッド・ルイス
製作総指揮:
ジョン・ラセター
アンドリュー・スタントン
原案:
ブラッド・バード
ヤン・ピンカヴァ
脚本:ブラッド・バード
撮影:シャロン・カラハン
音楽:マイケル・ジアッキノ
声の出演:
パットン・オズワルト レミー
ブライアン・デネヒー ジャンゴ
ブラッド・ギャレット グストー
ジャニーン・ガロファロー コレット
イアン・ホルム スキナー
ピーター・オトゥール イーゴ
ルー・ロマノ リングイニ
ジョン・ラッツェンバーガー ムスタファ
ジェームズ・レマー ラルース
ウィル・アーネット ホルスト
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
天才的な料理の才能を持ち、いつか一流レストランのシェフになるという叶わぬ夢を持つドブネズミのレミー。ある日、彼は嵐で家族とはぐれてしまい、パリのとある一軒のレストランに辿り着く。なんとそこは、レミーが尊敬する今は亡き名シェフ、グストーの店だった。一方その厨房内では、見習いシェフのリングイニがスープを台無しにする失態を演じてしまう。すると、レミーはこっそりとそのスープを作り直し、最高の味に仕上げるのだった。それを目撃していたリングイニは、自分に料理の才能がないことからレミーの力を借りることを提案。こうして彼らは秘かにコンビを組み、パリ一番のシェフを目指すことになるのだが…。

コメント:
今夜のご注文はどっち!?

毛が混じっちゃってるかもしれないけど可愛いネズミちゃんが作ったラタトゥイユか?

いやいやそれとも、

三ツ星を獲得した衛生的なレストランで作られたラタトゥイユか?

さぁ、どっち!!!?


このどちらを選択したかによって本作の好き嫌いは自然と分かれるだろう。まあ現実的に前者は在り得ないだろうが、とにかく動物が大好きな人にとっては、とても可愛くそしてとてもおいしい作品であることに違いない。動物よりも料理の方が上だ!という後者を選んだ人にとってはあまり良い気分のしない作品だったのではなかろうか?

個人的には料理はおいしくキレイなところで食べたいと思うのだ。

別にネズミが嫌いだと言っているわけではないが、さすがに本作の最後に出てきた料理は食べれないでしょ(笑)アイディア満載の調理シーンを楽しく見せてくれるのはいいのだが、さすがにあれを食べるのは無理。だってあんな風に動物が走り回ったキッチンじゃ…なんだか全体的にうまくまとめた感はあったが、料理を食べたいとは一切思えない作品であったことは否めない。

おいしそうな料理なんか本作に求めるべきものではない?確かにストーリーやCGのクオリティはもやは言うことなし。料理の質感や幻想的なパリの情景など、今まで数々のアニメーション作品を手掛けたディズニーとピクサーならではの見所は山ほどある。でもやっぱり料理が出来るまでの過程が気になってしょうがないのだ。あれじゃ絶対”毛”がいっぱい入っちゃってるんだって(爆)うちも猫10匹飼ってた経験があるから、料理に対する苦い思い出がたくさんあってどうしてもツッコミたくてしょうがないのだ!!

…ってどうでもいいところで引っ掛かってしまったな…もっと素直に楽しめる映画のはずだったのに……

とにかくこれから観る人はそんなどうでもいいところにこだわらないように鑑賞しよう。

でもまさかネズミがあんな風に人間を操るなんて!?
あのアイディアはおもしろかった!
☆3つ!!

『イーグル・アイ』

2008年10月26日 02時09分29秒 | 映画レビュー
原題: EAGLE EYE
製作年度: 2008年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 118分
監督:D・J・カルーソー
製作:
アレックス・カーツマン
ロベルト・オーチー
パトリック・クローリー
製作総指揮:
スティーヴン・スピルバーグ
エドワード・L・マクドネル
原案:ダン・マクダーモット
脚本:
ダン・マクダーモット
ジョン・グレン
トラヴィス・アダム・ライト
ヒラリー・サイツ
撮影: ダリウス・ウォルスキー
視覚効果スーパー
バイザー: ジム・ライジール
プロダクションデ
ザイン: トム・サンダース
衣装デザイン: マリー=シルヴィー・ドゥヴォー
編集: ジム・ペイジ
音楽: ブライアン・タイラー
出演:
シャイア・ラブーフ ジェリー・ショー
ミシェル・モナハン レイチェル・ホロマン
ロザリオ・ドーソン ゾーイ・ペレス
マイケル・チクリス カリスター
アンソニー・マッキー
ビリー・ボブ・ソーントン トーマス・モーガン
イーサン・エンブリー
アンソニー・アジジ
キャメロン・ボイス
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
シカゴのコピーショップで働く青年ジェリーはある日、米軍に勤める双子の兄弟が急死したと知らされ実家へ呼び戻される。そして自宅への帰途ATMに立ち寄ると、何故か口座に75万ドルもの大金が振り込まれており、帰宅したアパートには大量の軍事用機材が届いていた。その直後、見知らぬ女性から電話が入り、FBIが迫っているのですぐその場から逃げろ、と警告される。すると間もなくFBIが現われ、ジェリーは何も把握できずに拘束されてしまう。一方同じ頃、1人で遠出することになった幼い息子を送り出すシングルマザーのレイチェル。その後、彼女にも謎の女性から着信が入り、これから指示に従わなければ息子の命はない、との脅迫を受けるのだった。やがて、ジェリーは再び謎の女から電話で指示を受け取調室を脱出、逃走した先には同じく電話の指示に翻弄されているレイチェルが待っていた…。

コメント:
冒頭から、国家を守るためと言い訳してテロリストの確証が薄いにも関わらず無実のイスラム人を誤爆してしまう米国政府が描かれる。この話が一体どこで絡んでくるのか?と思わせる間もなく、本作のキーパーソンであるジェリー(シャイア・ラブーフ)とレイチェル(ミシェル・モナハン)の話へと展開する。

結果からいえば、二人を巻き込んだ犯人は人工知能を搭載した「アリア」というコンピュータである。”国民を危険に晒すものは排除する”というプログラムに基づき、監視カメラ、携帯電話、衛星などネットワークに繋がったもの全てを使って情報収集をし国家の敵を抹消するのが「アリア」の仕事だ。もちろん「アリア」はコンピュータなので痛みや感情など考えることもなく、ただ最終的な目標のために必要な人間を操りひたすら暴走に走るのだ。

では「アリア」は何を抹消するためにここまで暴走に走らなければならなかったのか?
そう、そのターゲットこそ冒頭で爆撃を指示した米政府要人たちなのだ。

誤爆=報復

「アリア」は誤爆の可能性が十分あると指示したにも関わらず、それを無視してまで爆撃を行なった米政府を敵だとみなしたのだ。誤爆をしたことで、テロリストによる報復が起こると考えた「アリア」は、その危険を作った政府要人を抹殺し、議員を総がえすることで国民の安全を守るという計算に達していたのである。

米政府=テロリスト

結局米政府はテロリストから国民を守ると言いつつ、逆に自らの判断で国民を危険に晒している最大の敵だということを本作は述べているのだろう。痛みを知らないのはコンピュータだけではない。テロリストの仲間だと言って、無実の市民をも殺してしまう米政府こそ、一番痛みを知らないコンピュータのようなものなのだ。米政府が本当に守らないといけないものは何なのか、国家の安全、国民の幸せとはなんのか、スピルバーグの警告というのはこういった観点に大きく含まれているのだろう。

人間≠コンピュータ

人の痛みや感情を感じられるのは、コンピュータではなく人間である。何もかもコンピュータで制御できてしまう世の中になってきてはいるが、コンピュータの計算を信じるのではなく、人間にしか感じられない感覚を信じれる世の中でないと、とても恐ろしい社会になるのではなかろうか。この映画で描かれていることが、現実に実現しうることだということを認識することは大切なことなのだろう。


この無茶苦茶な巻き込み型アクションといえばあの『ダイ・ハード』シリーズを思い出させ、そしてコンピュータが暴走して世の中を支配してしまう様はまさに『ターミネーター』シリーズと酷似している。過去にこれだけ似ている作品が多いことから、人間はいつしもコンピュータに支配されることを恐れているのかもしれない。

便利な世の中こそ恐怖が存在するこということをスピルバーグは改めて感じさせてくれたのだ。

『アイアンマン』

2008年10月02日 00時38分39秒 | 映画レビュー
原題: IRON MAN
製作年度: 2008年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 125分
監督:ジョン・ファヴロー
製作:
アヴィ・アラッド
ケヴィン・フェイグ
製作総指揮:
ジョン・ファヴロー
ルイス・デスポジート
ピーター・ビリングスリー
アリ・アラッド
スタン・リー
デヴィッド・メイゼル
キャラクター創造:
スタン・リー
ドン・ヘック
ラリー・リーバー
ジャック・カービー
脚本:
マーク・ファーガス
ホーク・オストビー
アート・マーカム
マット・ハロウェイ
撮影:マシュー・リバティーク
視覚効果監修:ジョン・ネルソン
プロダクションデザイン:J・マイケル・リーヴァ
編集:ダン・レーベンタール
音楽:ラミン・ジャヴァディ
音楽監修:デイヴ・ジョーダン
出演:
ロバート・ダウニー・Jr トニー・スターク
ジェフ・ブリッジス オバディア・ステイン
テレンス・ハワード ローディ
グウィネス・パルトロー ペッパー・ポッツ
ショーン・トーブ イェンセン
レスリー・ビブ
ファラン・タヒール
サイード・バッドレヤ
ビル・スミトロヴィッチ
クラーク・グレッグ
ティム・ギニー
ジョン・ファヴロー
スタン・リー
サミュエル・L・ジャクソン
(クレジットなし)
声の出演: ポール・ベタニー
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
米国政府と契約を結ぶ巨大軍事企業スターク・インダストリーズの社長で、発明家としての顔も持つトニー・スターク。彼はある日、自社新型兵器のデモ実験に参加するためアフガニスタンへ赴き、みごと実験を成功させる。だがその直後、テロリスト集団の襲撃に遭い、胸に深い傷を負ったまま囚われの身となってしまう。さらに、一味のために最強兵器の開発を強制されるトニー。しかし、彼は一味の目を盗んで飛行可能なパワードスーツを開発、それを身につけ、敵の隙をみて脱出し生還を果たす。そして、この一件で自社兵器がテロ組織に利用されているのを目の当たりにし、ショックを受けたトニーは会社として武器製造を中止する一方、テロ撲滅を誓い、秘かにパワードスーツの改良に着手。こうして試行錯誤の末、驚異の攻防力と飛行性能を兼ね備えたパワードスーツ=“アイアンマン ”を完成させる。

コメント:
ヒーロー誕生までのプロセスが斬新かつしっかり描かれており実におもしろい!
なんたって死に掛けのチョイ悪おやじが、地上最強の頭脳を使って自分の体までもヴァージョンアップさせてしまうのだから。”バットマン”も”ロボコップ”もそしてあの”トランスフォーマー”も誰もが真っ青のヒーロー誕生の瞬間だ。

女をチョイチョイ引っ掛けて毎晩遊んでるかと思いきや、自らの新型兵器開発で軍事企業を経営しているトニー・スターク。だが、アフガニスタンを訪問中にテロリストの襲撃に遭い、胸に深い傷を負ったまま囚われの身となってしまう。そんな中、彼は一味の目を盗んで飛行可能なパワードスーツを開発するが…

この最初のパワードスーツを開発して脱出するまでの過程がとにかくおもしろかった。自らが経営する企業の真価を問い掛けながら、脱出に全頭脳を使い切るトニー。そして遂に完成した”パワードスーツ ver.1.0”。あらゆる攻撃で敵を掃討し命からがら逃げ切った彼が次に求めたもの、それは新兵器の開発を止めテロ撲滅を誓って世界を変えることである。

完全復活した彼が新たに開発したのが、驚異の攻防力とマッハ単位の飛行性能を兼ね備えた”パワードスーツ ver.2”=“アイアンマン ”だ。実は本作は、ここまでの展開でほとんどの時間を費やしてしまっている。だがその随所に見所が満載で、背景、人物像などがしっかり描かれているので飽きさせない。”アイアンマン”=”善人”までとははっきり言えないが、真に目覚める天才発明家というキャラとロバート・ダウニー・Jrの演技が相俟って、とても愛着のある絶妙な存在感を植えつけている。

アニメっぽさは全くと言っていいほどなく、大人でもすんなり入れる展開はとても評価できる点ではなかろうか?

そして最大のポイントでもあるアクションシーンは、とても出来がよく十分満足のいく内容である。変身シーン、飛行シーン、開発シーン、どれをとっても一級品のCGであることには違いない。今回戦う敵があまりに米国らしい相手でちょっと嫌悪感は否めないが、総合的によく出来ていたので良しとしようではないか。

そんな新ヒーローの決め台詞は…

”アイ・アム・アイアンマン”

マスコミの前だろうが自らをヒーローと認めてしまうなんて新しいぜぇ~!!
くぅ~かっこぃい~~☆