シネブログ

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『武士の一分』

2007年12月31日 23時59分04秒 | 映画レビュー
原題:-
製作年度: 2006年
別題:-
製作国・地域: 日本 上映時間: 121分
監督:山田洋次
製作:久松猛朗
プロデューサー:深澤宏、山本一郎
製作総指揮:迫本淳一
原作:藤沢周平 「盲目剣谺返し」(「隠し剣秋風抄」文春文庫刊)
脚本:山田洋次、平松恵美子、山本一郎
撮影:長沼六男
美術:出川三男
衣裳:黒澤和子
編集:石井巌
音楽:冨田勲
音楽プロデューサー:小野寺重之
スチール:金田正
監督助手:花輪金一
照明:中須岳士
装飾:小池直実
録音:岸田和美
出演:木村拓哉、檀れい、笹野高史、岡本信人、左時枝、綾田俊樹、桃井かおり、緒形拳、赤塚真人、近藤公園、歌澤寅右衛門、大地康雄、小林稔侍、坂東三津五郎
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
三村新之丞は東北の小藩に仕える三十石の下級武士。剣術の覚えもあり、藩校でも秀才と言われながら、現在の勤めは毒味役。張り合いのない役目に不満を持ちながらも、美しく気立てのいい妻・加代とつましくも笑いの絶えない平和な日々を送っていた。ところが、そんな平穏な生活が一変してしまう。貝の毒にあたった新之丞が、一命は取り留めたものの失明してしまったのだ。絶望し、自ら命を絶とうとする新之丞を、加代は懸命に思い留まらせるのだった。しかし、武士としての勤めを果たせなくなった以上、藩の沙汰次第では生きていくことも叶わない。そこで加代は、嫁入り前からの顔見知りだった上級武士の島田藤弥に相談を持ちかけるのだったが…。



コメント:
『武士の一分』という大層なタイトルがつけられている割には、そのセリフを口にするキムタクの演技が追いついていない感があったように思う。一言で言ってしまえば演技が軽すぎるのだ。例えば『HERO』のような、いわゆるヒーローものの作品であればこれくらいの軽さで演じても、キムタクのかっこよさが生かされていいと思うのだが、本作のような、ましては武士という厳格な役を演じるに当たってこの程度の役作りではかなり不満が残ってしまう。

この作品が良かったと感じる点は、加代役の檀れいのすばらしい演技だ。しとやかながらも力強い女性を見事に演じきっており、一番の存在感を醸し出していたように思う。彼女の存在が本作を支えていたと言ってもいい。

ストーリーは思ったより単調で、一番盛り上がるのはラストで見せる三村新之丞と島田藤弥の果し合いだけだろう。まあこれに関しても『座頭一』ほどの緊迫感は演出しきれてはおれず、いまいちな展開なまま終わってしまったと言える。もう少し全体的に新之丞の武士らしさを感じさせるシーンを撮って欲しかったというのが正直なところだ。

演出に問題があったのか?配役に問題があったのか?おそらくどちらにも問題があったように思う本作。山田洋次がキムタクを絶賛して撮った作品と言われていただけに、結果的に残念な内容であったと言えるだろう。

『フルメタル・ジャケット』

2007年12月31日 11時15分44秒 | 映画レビュー
原題: FULL METAL JACKET
製作年度: 1987年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 116分
監督:スタンリー・キューブリック
製作:スタンリー・キューブリック
製作総指揮:ヤン・ハーラン
原作:グスタフ・ハスフォード
脚本:スタンリー・キューブリック、マイケル・ハー、グスタフ・ハスフォード
撮影:ダグラス・ミルサム
音楽:アビゲイル・ミード
出演:マシュー・モディーン、アダム・ボールドウィン、ヴィンセント・ドノフリオ、R・リー・アーメイ、ドリアン・ヘアウッド、アーリス・ハワード、ケヴィン・メイジャー・ハワード、エド・オロス、ジョン・テリー
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
徴兵された若者が、次第に戦闘マシーンとして人間性を失っていく様を冷徹な視点で描く。



コメント:
ラストシーンでミッキーマウスマーチを歌いながら戦場を歩く軍人の姿…。
僕が本作で一番衝撃を受けたシーンだ。
一体この異色な光景は何を意味しているのだろうか?
しばらく考えてみたけどわからなかった。
とにかく戦争というものは、全てが狂ってしまって不均衡な世界になってしまっている状況だということを表現したかったのだと思う。このシーンを見た瞬間、こんな光景を作り出してしまったキューブリックそのものが狂気であるということを痛感してしまったのだ。今まで観た戦争映画にはない、キューブリックらしいねじれた狂気が浮き彫りになっている作品だと言える。

前半で描かれる海兵隊の訓練キャンプ。鬼教官・ハートマン軍曹による個人の人間性の否定や剥奪も辞さない徹底的な精神教育、および過酷な訓練による人間の兵器化はなんとも恐ろしい。またハートマンの口から発せられる罵詈雑言の数々からは異常な空気が感じられる。おそらくこのようなシーンが連続する地点で、本作に見切りをつけてしまう鑑賞者も少なくはないはずだ。だが僕にとっては、この狂ったようなセリフがあったからこそ、作品の重さを感じることができたのだと思う。

特に前半部でハートマンにシゴキ抜かれた気の弱い青年が精神を崩壊させ、軍曹を射殺するシーンは圧巻である。尋常ではない環境で訓練を受ける青年が狂気に落ちていく姿がリアルに描かれているのである。

後半で描かれるベトナムでの戦争風景。まず驚いたのが、セットのリアルさである。一体どうやって撮影を行なったのか?廃墟と化した街の風景があまりにもリアル過ぎてどこからどこまでが本物なのかわからない。もしかしたらほとんどが本物を使って撮影したのではないかと疑ってしまうくらい、戦場の雰囲気が完璧に表現されている。

最後に青年たちを襲った狙撃手の正体、それはなんとたった一人の少女だったという衝撃の事実。こんな少女相手に仲間を3人も殺され、そして最後にはその少女をも殺してしまう。

戦争とは一体何なのか?

その答えははっきりわからないが、この無駄な殺しの連鎖、そして狂った世界観を、キューブリックなりに見事に表現した作品であるように感じた。

『墨攻』

2007年12月23日 22時19分31秒 | 映画レビュー
原題: A BATTLE OF WITS
製作年度: 2006年
別題:-
製作国・地域: 中国/日本/香港/韓国 上映時間: 133分
監督:ジェィコブ・チャン
アクション監督:スティーヴン・トン
製作:ホアン・チェンシン、ワン・チョンレイ、ツイ・シウミン、リー・ジョーイック、井関惺、ジェィコブ・チャン
製作総指揮:ワン・チョンジュン、スティーヴン・ン、ホン・ボンチュル
原作:森秀樹 漫画『墨攻』(小学館刊)、酒見賢一(原作小説)、久保田千太郎(漫画脚本協力)
脚本:ジェィコブ・チャン
撮影監督:阪本善尚
美術:イー・チェンチョウ
衣装:トン・ホアミヤオ
編集:エリック・コン
音楽:川井憲次
照明:大久保武志
出演:アンディ・ラウ、アン・ソンギ、ワン・チーウェン、ファン・ビンビン、ウー・チーロン、チェ・シウォン
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
紀元前370年頃の戦国時代、攻撃をせずに守り抜く“非攻”を信念とする集団“墨家”がいた。その頃、大国・趙が送り込んだ猛将・巷淹中率いる10万の大軍を前に、全住民わずか4千人の梁城は落城寸前の危機に瀕していた。梁王は墨家に援軍を求めるが、やって来たのは粗末な身なりの革離ただ1人。革離は王に1ヵ月持ちこたえれば趙軍は撤退するはずと説明、兵に関する全権を与えられると、さっそく城を守る準備に取りかかる。やがて始まった趙軍の猛攻に対し、墨家の秘策で凌ぎ続ける革離は、次第に梁城の兵士や民衆の心を掴んでいくが…。



コメント:
本作のキーワード”墨家”。
墨家(ぼくか ぼっか)とは、中国戦国時代に墨子によって興った思想家集団で、諸子百家の一つである。いろいろ調べてみると、どうやらこの墨家というのは奥の深そうな集団であることがわかった。たとえば以下の”墨家十論”というものだけをみても奥が深い。

兼愛…全ての人を公平に隔たり無く愛せよという教え
非攻…当時の戦争による社会の衰退や殺戮などの悲惨さを非難し、他国への侵攻を否定する教え
尚賢…貴賎を問わず賢者を登用すること
尚同…賢者の考えに天子から庶民までの社会全体が従い、価値基準を一つにして社会の秩序を守り社会を繁栄させること
節用…無駄をなくし、物事に費やす金銭を節約せよという教え
節葬…葬礼を簡素にし、祭礼にかかる浪費を防ぐこと
非命…人々を無気力にする宿命論を否定する
非楽…人々を悦楽にふけらせ、労働から遠ざける舞楽は否定すべきであること
天志…上帝(天)を絶対者として設定し、天の意思は人々が正義をなすことだとし、天意にそむく憎み合いや争いを抑制する
明鬼…善悪に応じて人々に賞罰を与える鬼神の存在を主張し、争いなど悪い行いを抑制する

だが、本作ではその”墨家”についての説明がほとんどなかったといえる。ある程度予備知識が備わっている人にとっては、この全てを読み取ることが出来たのかもしれないが、僕がこの中で感じることができたのは”兼愛”と”非攻”くらいだ。

物語はその墨家のひとり革離(アンディ・ラウ)がわずか4千人の住人が暮らす梁城へ到着するところから始まる。巷淹中(アン・ソンギ)率いる趙の10万の大軍から梁城をひとりで死守するためだ。

知識なしの僕からすれば、なぜ彼がたったひとりで援護にきたのか全くわからない。話が進むにつれてその正体も徐々に分かるのだが、最終的に納得のいくものではなかったといえる。テーマがよかっただけに、内容にいまいち深みを感じることができなかったのが正直残念である。

本作の見所といえば、革離が繰り出す策の数々…と言いたいところだが、これに関しても若干物足りなさを感じたのが正直なところである。実際の戦闘シーンは臨場感溢れるもので映像的にもすばらしいのだが、策を講じるまでの知略が伝わってこなかった。

問題は本作のヒロインである逸悦の存在が大きすぎたことだ。戦争の中での人間らしさを表現するために彼女の存在を全面に押し上げたのだと思うのだが、それが逆効果だったように思う。これにより”兼愛”は少し欠けてしまっているようにも感じる。

133分という限られた時間に押し込めてしまったのが仇となったか…出来るものなら”墨家”の歴史を詳しく描いたものを見たかった。とはいえ、この時代に興味を持てただけでもよかったと思うべきなのかもしれない。今は”墨家”について詳しく知りたいという欲望だけが残ってしまった…。

『アイ・アム・レジェンド』

2007年12月16日 00時28分55秒 | 映画レビュー
原題:I AM LEGEND
製作年度:2007年
別題:-
製作国・地域:アメリカ 上映時間: 100分
監督:フランシス・ローレンス
製作:アキヴァ・ゴールズマン、ジェームズ・ラシター、デヴィッド・ハイマン、ニール・モリッツ
製作総指揮:マイケル・タドロス、アーウィン・ストフ、デイナ・ゴールドバーグ、ブルース・バーマン
原作:リチャード・マシスン『地球最後の男(別題:アイ・アム・レジェンド)』(ハヤカワ文庫刊)
脚本:マーク・プロトセヴィッチ、アキヴァ・ゴールズマン
撮影:アンドリュー・レスニー
プロダクションデザイン:ナオミ・ショーハン
衣装デザイン:マイケル・カプラン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:ウィル・スミス、アリシー・ブラガ、ダッシュ・ミホク、アルファ・メイル、チャーリー・ターハン、サリー・リチャードソンオススメ度:

ストーリー:
2012年、ニューヨーク。科学者のロバート・ネビルは3年前に起こった地球規模の災厄をくぐり抜け、この街で、おそらくは全世界で、ただひとり生き残った男。彼は、相棒のシェパード、サムと無人の店舗で食料品や日用品を調達し、セントラルパークに畑を作って生き延びる日々。そして、自分以外の生存者を探して、毎日無線で呼びかけるものの、未だ生存者を見つけ出すことが出来ずにいた。それでも、人類を絶滅させた原因を取り除き、再生の道を探るため、たったひとりで奔走するロバートだったが…。

コメント:
ホラー?アクション?アドベンチャー?
なんだかよくわからないジャンルではあったが、個人的にはとても新鮮で楽しめる内容だった。他の人のレビューにも書かれているとおり、CMから想像されるものとはかなりギャップの感じられるものであったと言えるが、逆にそれが恐怖感を増してよかった気がする。とにかく全編を通して観客を驚かすための演出がふんだんに使用されており、少しでも気を抜くと”ビクッ”と座席を飛び上がること間違いなしだ。最初から最後まで力が入りっぱなしで、心臓の悪い人には間違ってもオススメできない。どちらかというとホラー色が強く、新手のゾンビ映画という感触を受けた作品であった。

だがこんな本作にもみどころはたくさんあったと思う。

まず最高に洗練された音響・効果音、そして映像には背筋が凍りついた。人気(ひとけ)がなくなり、至るところから草が生え、ただ風が吹き抜けるだけのマンハッタンの映像を作り出したことだけでもスゴイことだが、そんな荒廃したニューヨークをフルスピードで駆け抜けるスポーツカーとシカの群れが緊張感を高め異様な雰囲気を生み出す。冒頭からとてもよくできた映像だ。キャッチコピーの”地球最後の男に希望はあるのか”という状況が見事に表現されていて、この世界観に一気に引き込まれた。おそらくこの音響と映像は映画館ならではの特典なのでぜひ体感してみて欲しい。

ストーリーもいい意味で裏切ってくれたのでそれなりに楽しむことができた。

3年前に癌を克服することができる新薬が開発され、副作用により人類は滅亡した。新薬を使用することでKVと呼ばれるウィルスにかかり、発症した者は 90%の確率で死亡し、残り10%は理性を失い凶暴性だけが増し生き続ける。そんな感染者から逃げならが治療薬を研究する主人公のネビルは、3年前に感染者のせいで家族を失ってしまい、唯一の友達は犬のサムだけだった。

とにかくこの凶暴化した人間があまりにも恐い。ゾンビのようなあるいはあのゴラム(LOTRでお馴染み)のような姿で、パワーも遥かに増し猛烈な勢いで襲い掛かってくる。唯一の弱点は紫外線のみ。知能は人間のため目を付けられれば逃げ道はない。とにかく恐怖の連続である。この独特のモンスターが起こす行動が予測を遥かに上回るものなのでとにかく恐かった。

家族そして他の全ての人間が失われてしまったことで、神すら信じられなくなり孤独感に怯えながらも何かに希望を持って強く生き続けるネビル。そんな彼を演じたウィル・スミスもまた素晴らしかった。特に中盤で見せる愛犬サムとの別れのシーンがあまりに印象的である。ラストで決死の覚悟を決めた彼の目に入ったのは、ひび割れたガラスが描き出す蝶々の模様。生前の愛娘が最後に口にしていた言葉である。その瞬間彼の頭をよぎったわずかな希望…それこそ本作のタイトルにもなっている”I AM LEGEND”なのだろう。

いまいち腑に落ちない点や説明足らずな展開もあったが、まあこんな”伝説”もアリかなと思いながら映画館をあとにした。

個人的には、ある程度覚悟して上で、騙されるつもりで鑑賞してもいいような作品であるように思う。

『失踪』

2007年12月09日 23時32分53秒 | 映画レビュー
原題: THE VANISHING
製作年度: 1993年
別題: 失踪-妄想は究極の凶器
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 110分
監督:ジョルジュ・シュルイツァー
製作:ラリー・ブレズナー、ポール・シフ
製作総指揮:ピーター・ジャン・ブルージ、ローレン・ワイスマン
原作:ティム・クラッベ
脚本:トッド・グラフ
撮影:ピーター・サシツキー
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演:キーファー・サザーランド、ナンシー・トラヴィス、ジェフ・ブリッジス、サンドラ・ブロック、リサ・アイクホーン
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
ジェフ(サザーランド)の恋人ダイアン(ブロック)がドライブの途中、サービス・エリアから忽然と失踪した。数年に渡って捜し歩いていたが手掛かりは何も無かった。疲れ果てた彼は知り合ったリタ(トラヴィス)に慰めを得るが、ダイアン捜しは諦めない。既に愛ではなく、何故失踪したかという疑問のために。自分への愛情を疑い、リタが離れようとした時、犯人と名乗る男バーニー(ブリッジス)が姿を現す……。



コメント:
11 月22日に発売された「24 -TWENTY FOUR- シーズンVI」のDVDコレクターズ・ボックスをやっとのことで観終わった。やっぱこのシリーズは面白すぎる…という話は置いといて、久々に映画鑑賞に復帰します!!復帰第一弾として鑑賞したのが、このボックスにおまけとして付いていた『失踪』という映画だ。

主演は「24」でおなじみのキーファー・サザーランドで、その恋人役を『スピード』で人気を博す前のサンドラ・ブロックが演じている。二人とも若くて新鮮味があってとてもいい感じだ。そしてこの二人を恐怖のどん底に落とすのが狂気に満ちた犯人を演じたジェフ・ブリッジスである。彼が織り成す不気味さが本作の一番の見所であり、その演技からはとにかく計り知れないほどの恐怖を感じさせられる。

DVDの裏に書かれた解説によれば”衝撃なラスト”とあったので一体どういった結末が訪れるのかドキドキしながら鑑賞していた。が、ストーリーには全くと言っていいほどひねりがなく、現実に起こってもおかしくないような失踪事件が、ただ淡々と描かれているだけだったのだ。むしろなんらかのどんでん返しを用意して欲しかったと思うくらい、ラストでは恐怖と怒りが込み上げてくる結末だったのでものすごく後味の悪い作品だったと言えるだろう。

まあ本作の一番の狙いはその恐怖感を与えることだったと思うのだが、個人的には少々受け入れ難いものであったと言える。

なぜ犯人がこのような狂気に走ったのかもいまいち判明してないし、他にも解決しきれていない問題がたくさんあるように思うのだ。そもそもあんなに美しい奥さんと可愛い娘を持っているバーニーがなぜこんな犯行に手を出してしまったのか動機が全く見えてこない。単にイカれたおっさんが生んだ悲劇としかいいようがないお話になっているところが、どうも納得できない要因なのだと思う。被害者側を主観として描いてしまったことが、結果として疑問点をたくさん残すことになってしまったのだろう。

全体的に悪くはない作品だが、結末に対してどう感じるかで評価がわかれてしまう作品だと言える。