シネブログ

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『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

2009年07月30日 21時58分00秒 | 映画レビュー
原題: HARRY POTTER AND THE HALF-BLOOD PRINCE
製作年度: 2008年
別題:-
製作国・地域: イギリス/アメリカ 上映時間: 154分
監督:デヴィッド・イェーツ
製作:
デヴィッド・ハイマン
デヴィッド・バロン
製作総指揮:ライオネル・ウィグラム
原作:J・K・ローリング
脚本:スティーヴ・クローヴス
撮影:ブリュノ・デルボネル
クリーチャーデザイン:ニック・ダドマン
視覚効果監修:ティム・バーク
特殊メイク:ニック・ダドマン
プロダクションデザイン:スチュアート・クレイグ
衣装デザイン:ジェイニー・ティーマイム
編集:マーク・デイ
音楽:ニコラス・フーパー
出演:
ダニエル・ラドクリフ ハリー・ポッター
ルパート・グリント ロン・ウィーズリー
エマ・ワトソン ハーマイオニー・グレンジャー
ジム・ブロードベント ホラス・スラグホーン
ヘレナ・ボナム=カーター べラトリックス・レストレンジ
ロビー・コルトレーン ルビウス・ハグリッド
ワーウィック・デイヴィス フィリウス・フリットウィック
マイケル・ガンボン アルバス・ダンブルドア
アラン・リックマン セブルス・スネイプ
マギー・スミス ミネルバ・マクゴナガル
ティモシー・スポール ピーター・ペティグリュー
デヴィッド・シューリス リーマス・ルーピン
ジュリー・ウォルターズ ウィーズリー夫人
ボニー・ライト ジニー・ウィーズリー
マーク・ウィリアムズ アーサー・ウィーズリー
ジェシー・ケイヴ ラベンダー・ブラウン
フランク・ディレイン トム・リドル(16歳)
ヒーロー・ファインズ=ティフィン トム・リドル(11歳)
トム・フェルトン ドラコ・マルフォイ
イヴァナ・リンチ ルーナ・ラブグッド
ヘレン・マックロリー ナルシッサ・マルフォイ
フレディ・ストローマ コーマック・マクラーゲン
デヴィッド・ブラッドリー
マシュー・ルイス
ナタリア・テナ
ジェマ・ジョーンズ
ケイティ・ルング
デイヴ・レジーノ
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
闇の帝王ヴォルデモートがマグル(人間)と魔法使い双方の世界で支配力を強め、その脅威はハリーたちのホグワーツ魔法学校にも及んでいた。校内を警戒し始めるハリー。最終決戦が迫っていることを知っているダンブルドア校長は、そんなハリーに来たるべき戦いにむけての準備を施していく。また、ヴォルデモートの防御を解く手掛かりにと、重要な情報を持つ元同僚の旧友ホラス・スラグホーンを魔法薬学教授として学校に迎え入れるのだった。一方、ギクシャクした関係が続くロンとハーマイオニーらホグワーツの生徒たちには春が訪れ、学校中で恋の騒ぎを繰り広げる。そんな中、決戦の準備を進めるハリーはヴォルデモートの意外な過去を知ることになるのだが…。

コメント:
自分は原作を読んでない身だが、そんな立場から言わせてもらうと
今作はいまいち要点が絞り込めてない感じだと言えるだろう。

今作のメインとなるお話としては、サブタイトルにもなっている
”THE HALF-BLOOD PRINCE”=”半純血のプリンス”の存在だろう。
一体このプリンスとは誰のことを指すのか!?
そしてプリンスとヴォルデモートの繋がりは!?
できればこの2点を深く濃く描いてほしかった。

シリーズそのものがダークな内容になりつつある本作が、
ハリーとヴォルデモートの関係を深めつつ、いよいよクライマックスへと展開していく。

ところが、ここにきても未だメインとして描かれるのが、
各登場人物の”恋の物語”である。

読んでないのでわからないのだが、
原作も大いに恋の絡みについて描かれているのだろう。
でなければここまで映画で時間を割く必要もない気がするのだ。

元々、ファンタジー映画の超大作だった『ハリー・ポッター』シリーズだが、
ここにきていまいち的を絞り切れてないように感じてしまった。

あと個人的に本作に期待していたのが、魔法使い同士の激しい魔法対決!!
前作の『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』ではラストで
ダンブルドアとヴォルデモートの究極魔法対決を見せつけられた。
正直、今作を観るきっかけとなったのが、あの前作のラストを超える
魔法対決を観たかったからなのだ。

しかし、その期待も虚しく…
魔法らしい魔法はいまいち見られなく、視覚的に盛り上がるのは
ほんの一部だったように感じた。

その代わりと言ってはなんだが、ストーリーは佳境に向かいつつあり、
各登場人物の感情の渦巻きは見所のひとつであったように思う。
”半純血のプリンス”の正体も原作を読んでない自分にとっては衝撃の展開。

『ハリー・ポッターと死の秘宝』も2部作に分けて公開されるということで、
ストーリーに関しては最後まで期待して観たいと思う。

それにしてもドラコ・マルフォイ役の子役の成長ぶりには驚いた。
みんな昔の面影がなくなりつつあることに、本シリーズの長さを感じる。

『愛を読むひと』

2009年07月18日 15時15分40秒 | 映画レビュー
原題: THE READER
製作年度: 2008年
別題:-
製作国・地域: アメリカ/ドイツ 上映時間: 124分
監督:スティーヴン・ダルドリー
製作:
アンソニー・ミンゲラ
シドニー・ポラック
ドナ・ジグリオッティ
レッドモンド・モリス
製作総指揮:
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
原作:ベルンハルト・シュリンク 『朗読者』(新潮社刊)
脚本:デヴィッド・ヘア
撮影:
クリス・メンゲス
ロジャー・ディーキンス
プロダクションデザイン:ブリジット・ブロシュ
衣装デザイン:アン・ロス
編集:クレア・シンプソン
音楽:ニコ・ムーリー
出演:
ケイト・ウィンスレット ハンナ・シュミッツ
レイフ・ファインズ マイケル・バーグ
デヴィッド・クロス 青年時代のマイケル・バーグ
レナ・オリン ローズ・メイザー/イラナ・メイザー
アレクサンドラ・マリア・ララ 若き日のイラナ・メイザー
ブルーノ・ガンツ ロール教授
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
1958年のドイツ。15歳のマイケルは偶然出会った年上のミステリアスな女性ハンナに心奪われ、うぶな少年は彼女と彼女の肉体の虜となっていく。やがて度重なる情事のなかで、いつしかベッドの上でマイケルが本を朗読することがふたりの日課となる。ところが、ある日突然ハンナは姿を消してしまう。8年後、法学生となったマイケルは、ハンナと思いがけない形で再会を果たす。たまたま傍聴したナチスの戦犯を裁く法廷で被告席に座る彼女を見てしまったのだ。裁判を見守るマイケルは、彼女が自分が不利になるのを承知で、ある“秘密”だけは隠し続けようとしていることに気づく。その秘密を知るただ一人の者として、マイケルは葛藤し、答えを見い出せないまま苦悩を深めていくのだが…。

コメント:
考えれば考えるほど、言葉では語ることが難しい映画だ。

本作のキーワードは”コンプレックス”。
コンプレックスとは、ある事柄と、本来無関係な感情とが結合された状態。

人間誰しもひとつくらいコンプレックスを持っているのではなかろうか?
だが他人からすれば、それは言われてみないとわからないものである。
それを一生隠し通すか、それとも開き直ってしまうか…。
もし人生のうちで、自らのコンプレックスを公の場で認めざるを得ない
瞬間がきたら、自分ならどうするだろうか?

この選択によりハンナの人生は大きく左右されることになってしまう。

そもそもなぜハンナは法廷で自らを苦しめる判断に陥ってしまったのか。
それは彼女のモラル面に問題があったのだと思う。

”文盲”というコンプレックスを必死で隠そうとする挙句、
自らが犯した過ちを見極めることができなくなっている。
ナチスの戦犯で裁判にかけられている状況においても、
優先順位を見失い全く持って無知な発言ばかりが目立ってしまう。

自分の秘密 > 仕事 > 他人の命

こんな項式が出来上がってしまっている。

また過去に15歳のマイケルとの情事を繰り返したことも、
大人の女性としては軽はずみな行動ではなかろうか。
寂しさを紛らわすためなのか、はたまた人の弱みを見ては助けたくなる、
母性本能がそうさせてしまったのか。
謎多き女性であることには違いないだろう。

もちろん自分のことを喋らない人間のことはわからないし、
いざ助けようにもどうしようもなくなる。

ただ若さゆえに彼女を愛し続けたマイケルは
最後に真実を知りながらも、彼女の生き様を見届ける結論に
至ってしまったように感じた。
それは残酷なものでもあり、やさしさのようでもあった。

戦時中ゆえに”文盲”がどのように扱われていたのかわからないが、
もっとハンナが自らのコンプレックスと素直に生きていられれば、
結果はもっと違うものになっていただろう。

愛、コンプレックス、裁判が重なりあった内容で、
いろんな見応えを感じることができた作品に出会えた。

そして最後に言いたいのが、アカデミー賞6回目のノミネートで見事
主演女優賞に輝いたケイト・ウィンスレットへのお祝いの言葉

”おめでとう”

そして素晴らしい演技に感謝する

”ありがとう”

『コヨーテ・アグリー』

2009年07月01日 00時38分37秒 | 映画レビュー
原題: COYOTE UGLY
製作年度: 2000年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 101分
監督:デヴィッド・マクナリー
製作:ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮:
スコット・ガーデンアワー
チャド・オマン
マイク・ステンソン
脚本:ジーナ・ウェンドコス
撮影:アミール・M・モクリ
編集:ウィリアム・ゴールデンバーグ
音楽:トレヴァー・ホーン
出演:
パイパー・ペラーボ
マリア・ベロ
タイラ・バンクス
イザベラ・マイコ
ブリジット・モイナハン
アダム・ガルシア
ジョン・グッドマン
メラニー・リンスキー
マイケル・ウェストン
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
ソングライターを夢見てニューヨークで一人暮らしをするヴァイオレットは、生活資金を稼ぐためにクラブ・バー“コヨーテ・アグリー”で働くことにした。そこでは、弁護士や女優を目指している女性バーテンダーたちが、カウンターの上でセクシーでエキサイティングなダンス・パフォーマンスを繰り広げていた……。

コメント:
”コヨーテ・アグリー”という名前の由来…それは…
酔っ払って見知らぬ相手と寝てしまい、翌朝、腕の中の相手の顔を見て、
腕を噛み切ってまで逃げ出したいと後悔すること…

という、コヨーテの習性に掛けたもの。
このネーミングセンス好きだな。

みなさんこんな経験したこと……ある?
もし一度でも経験があるなら笑い飛ばして観れる映画かもしれない。

製作には、かの有名なジェリー・ブラッカイマー。
彼のジャンルと言えば”アクション”といっても過言ではないような
気がするが、実は”ドラマ”の構成を彩る天才だ。

彼のヒット作品を見ると『アルマゲドン』『ザ・ロック』
『コン・エアー』などアクション大作が目立っているようだが、
実はどの作品にも大きなドラマが掲げられている。

それは”生きるか死ぬか”というもの。

人間の極限を作り出した状態で、笑い、涙、感動を打ち出す流れ。
彼が手掛けるものは全てが大袈裟な演出ばかりだが、
そこには誰しもが共感できる感情が盛り込まれている。
彼がヒットメーカーとして確立できた理由は
そういったところにあるのだと個人的に思う。

話を本作に戻すと、やはりこの『コヨーテ・アグリー』にも
”生きるか死ぬか”のドラマが垣間見れると思うのだ。

歌手としての夢を追いかける主人公ヴァイオレットが、
生活資金を稼ぐためにクラブ・バー“コヨーテ・アグリー”で
働くことになる。
そこでは、弁護士や女優を目指している女性バーテンダーたちが、
カウンターの上でセクシーでエキサイティングなダンス・パフォーマンスを
繰り広げているのだ。

こんなクラブ・バー、日本では考えられない。

自分の夢を叶えるため、夜通しで踊り歌い、そして客に酒を浴びせる。
まさに自由の国アメリカ!!と言わんばかりのノリではないか。
はっきり言って、見ているだけで楽しいし、スカッとするし、
ぶっちゃけ自分もあのバーに行きたい。

バーの経営に命を賭け、そして自分の夢にも命を賭ける。
そんな彼女らのドラマが本作には盛り込まれている。
人生の壁にぶち当たったらぜひこんなバーに行ってみたい。

『コヨーテ・アグリー』に。