シネブログ

このブログは映画に関する記事を書いています☆

『プラネット・テラー in グラインドハウス』

2007年09月25日 17時08分37秒 | 映画レビュー
原題:Robert Rodriguez's Planet Terror
製作年度:2007年
上映時間:105分
監督:ロバート・ロドリゲス
出演:ローズ・マッゴーワン 、ブルース・ウィリス 、フレディ・ロドリゲス 、ジョシュ・ブローリン 、マーリー・シェルトン 、ジェフ・フェイヒー
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
テキサスの田舎町。軍事基地で極秘裏に実験が行われていた生物化学兵器が流出・拡散、そのガスを浴びた人々が次々と凶暴なゾンビへ姿を変えていく。一方、ゴーゴーダンサーをしていたチェリーは、ゾンビ化した人間に右脚を喰いちぎられてしまう。彼女は元カレ、レイの助けを借り、木製テーブルの脚を義足代わりにして逃げ延びる。やがてチェリーは失われた脚にマシンガンを装着、次々と襲いかかるゾンビや兵士に向けて怒りの弾丸をブッ放すのだった…。



コメント:
上映開始…いきなりダニー・トレホとチーチ・マリン主演の『マチェーテ』という偽映画予告が流れる。本編とは全く関係がないが(いやもしかしたら関係があるのかも…)、何気にこの『マチェーテ』という作品(あくまで架空)にも興味をそそられながら本編が始まる。映像といい音楽といい、初っ端からB級要素を匂わせ、まさに今回のグラインドハウスというテーマにのっとった演出のオンパレードである。

本作は言ってしまえばグログロのゾンビ映画。だがそこにはロバート・ロドリゲスのアクションセンスが存分に盛り込まれているためかなり爽快な仕上がりになっている。

本編は偽予告のあとチェリー・ダーリン(ローズ・マッゴーワン)のセクシーなゴーゴーダンスで始まる。これが本当にセクシーでたまらない。その後、町中に不穏な空気が流れはじめ未知のウィルスによって感染者が増殖していく。生きた人間は肉をちぎられ脳を喰われ次々と感染していく。チェリーもその犠牲者となり片足を失ってしまうのだった…。

そして彼女の復讐がはじまる・・・というあらすじ。

なんといってもチェリーの片足にはめられたマシンガンがセクシーでかっこいい。”無駄な才能”(←本編参照)を生かして敵を蹴散らしていくシーンはなんとも快感だ。脇を固めるキャラの銃乱射シーンも爽快で気持ちいい。そしてロメロ作品のオマージュともいうべき血の飛び散り度は申し分なく激しい^^;

すべての演出のわざとらしさが”超”が付くほどのB級的要素を醸し出し、僕のようなファンにとってはとてもうれしいものばかりである。先日公開された『デス・プルーフ』もそうだが、とにかく監督二人の”やりたい放題度”そして”オタク度”が存分に発揮された作品である。

で、結局どっちの映画がすばらしいか?というお話になると、それはもう僕がオススメできる次元ではなく、完全に個人の好みによるものだと言えるだろう。『デス・プルーフ』『プラネット・テラー』共に個性的かつ特殊な映画だということを忘れないように鑑賞すべきである。

ちなみに僕は・・・・・・どちらとも大好きだ!!

本作ではまだまだ他にも紹介したいネタはたくさんあるが、観ないとわからないおもしろさの方が上なのでぜひ『デス・プルーフ』と合わせて自分の目で確かめて欲しい。とは言っても、本作のグロさ度はかなりレベルが高いので苦手な人にはおそらく無理だろう(笑)おふざけを笑って誤魔化せる人のための映画である。

『スキャナー・ダークリー』

2007年09月25日 09時45分43秒 | 映画レビュー
原題:A SCANNER DARKLY
製作年度:2006年
上映時間:100分
監督:リチャード・リンクレイター
出演:キアヌ・リーヴス 、ロバート・ダウニー・Jr 、ウディ・ハレルソン 、ウィノナ・ライダー 、ロリー・コクレイン
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
近未来のアメリカ。そこでは“物質D”と呼ばれる強力なドラッグが蔓延していた。覆面麻薬捜査官のボブ・アークターは、物質Dの供給源を探るため自らジャンキーとなりドラッグの世界へと深く潜入していく。おとり捜査中は上司や同僚さえもその正体を知らなかった。しかしある時、ジャンキーとしてのボブが何者かに密告されたため、彼は自らを監視するハメになってしまう。やがて、ボブの中で捜査官とジャンキーという2つの人格が分裂を始め、次第に自らのアイデンティティを見失っていく…。



コメント:
ビデオショップのアニメコーナーを通りかかったときにたまたま見つけた本作。洋画の新作コーナーに置かれると思っていたので少々驚きつつ、「そういえばこんな作品あったなぁ」というなんとな~くな気持ちでレンタルしてみた。この作品について知っていた情報といえば、ちょっと変わった技術を使用していて不思議な映像を見せてくれそうな作品だということだけだった。

とりあえず鑑賞後にその技術の名称を軽く調べてみた。どうやらその技術は”ロトスコープ”という技法で、実際の俳優を撮影した映像をデジタル画像処理によってアニメーション化するというものらしい。僕にとってその映像はまさに未知との遭遇で、アニメでもない実写でもない、なんだか不思議な感覚に陥ってしまいそうな映像表現であった。

ではなぜ本作ではそのような技法が利用されたのか?

僕が考えるには、アニメなのか実写なのかよくわからない曖昧な世界観を出すことで、歪んだ世界を表現するには最適な方法だったように思うのだ。

本作のキーワードとなる“物質D”。その”物質D”とよばれるドラッグに溺れ自分を見失なってしまう人間の弱さ、ドラッグに頼らざるを得ない不均衡な世界、そしていつしか自分の存在がぼやけ現実世界から見放されていく恐怖…。このドラッグで崩壊していく人間の様を描くためには”ロトスコープ”を使って表現をすることが必要であったように思う。

ストーリーはやたらセリフが多くダラダラと進行するためかなりの退屈感があるが、最終的に投げかけられるメッセージ性としてはなかなか強いものを感じさせられた。ドラッグがもたらす恐怖を、視覚的・心理的にここまで訴えかけてくる映画は珍しいように思う。何が現実で何が妄想なのか?この”ロトスコープ”が施された映像からジワジワと感じることが出来るのだ。

さぁ、あなたはこの擬似ドラッグ体験を乗り越えられることができるだろうか?
気が向いたらぜひこの不思議な映像世界を堪能してみて欲しい。

『ラッキーナンバー7』

2007年09月20日 21時26分05秒 | 映画レビュー
原題:LUCKY NUMBER SLEVIN
製作年度:2006年
上映時間:111分
監督:ポール・マクギガン
出演:ジョシュ・ハートネット 、ブルース・ウィリス 、ルーシー・リュー 、モーガン・フリーマン 、ベン・キングズレー 、スタンリー・トゥッチ
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
仕事をクビになり、恋人にも裏切られ、不運続きの青年スレヴンは、友人ニックを頼ってニューヨークへとやって来た。しかしニックは不在で、スレヴンはひょんなことから知り合った隣に住む女性リンジーと一緒にニックの行方を捜し始める。そして、いつしか2人は恋に落ちる。そんな矢先スレヴンは、彼をニックだと思い込んだギャングによって拉致され、親玉“ボス”の前に引き出される。ニックがつくった多額の借金の返済を迫られ、それを帳消しにする条件として、敵対するギャングの親玉“ラビ”の同性愛の息子を殺害することを強要されてしまうスレヴンだったが…。



コメント:
どんでん返し系の映画だという噂を耳にしていたおかげで、かなり警戒しながら鑑賞した挙句、そのときたまたま僕の勘が冴え過ぎてしまい、不覚にも早い段階から先の展開が読めてしまった作品である。本来なら最後の最後で予想を裏切られて「うほぉ~~こうきたかぁ~~!!」というオチを期待していただけにちょっと物足りなさを感じたというのが正直なところだ。

だが映画としてはなかなかおもしろかったと言える。
なんといっても俳優陣の豪華さときたらうれしくてたまらない。

やっぱジョシュ・ハートネットはおいしい役買ってるなぁ
やっぱブルース・ウィリスのブラック・ユーモア溢れる演技は似合うなぁ
やっぱルーシー・リューはカワイイなぁ
やっぱモーガン・フリーマンとベン・キングズレーは大御所だなぁ
やっぱスタンリー・トゥッチはツルッパゲだなぁ(笑)

な~んてこと考えながら、とにかくキャストに関しては申し分ない内容である。ジョシュのバスタオル一枚姿に惚れた女性はたくさんいるだろうし、また意外と背が低くチャーミングなルーシー・リューに魅了された男性もたくさんいるだろう。主演二人のユーモアな演技が光っており、意外と二人はお似合いだなと思いつつニヤニヤしながら鑑賞させてもらった。

ストーリーとしてはよくある”復讐劇”であるが、その動機となった出来事がいまいち心を打たなかったのが残念だ。家族が殺された理由も結局は、父親が悪党に多額の借金までして手を出した競馬が原因なわけで、はっきり言って金に目がくらんだ父親の浅はかな行動が悲劇の始まりなのである。ギャンブル嫌いの僕からすれば、「自業自得じゃん!!」とツッコミたくなるところだが、さすがにそれだけで家族全員が殺されるのは酷すぎるということで主人公スレヴンに多少の同情はしてあげたものだ。

もう少し復讐のきっかけが同情を買うようなものであればより楽しめたような気がしてならない。だが、話の繋ぎ方やセリフ回しなどいろいろ工夫が凝らされており、全体的にクールに決まった作品なので映画として楽しめる要素は十分盛り込まれているだろう。

本作のキーワードでもある”カンザスシティ・シャッフル”。
映画が始まって早々飛び出したこの言葉。
こういう謎かけ的な演出は個人的に大好きだ。

”カンザスシティ・シャッフル”の意味がわかったとき…
復讐心のモヤモヤが取れて、心が澄み渡るスッキリ感に包まれた。

『ナイト ミュージアム』

2007年09月17日 10時02分31秒 | 映画レビュー
原題:NIGHT AT THE MUSEUM
製作年度:2006年
上映時間:108分
監督:ショーン・レヴィ
出演:ベン・スティラー 、カーラ・グギーノ 、ディック・ヴァン・ダイク 、ミッキー・ルーニー 、ビル・コッブス 、ジェイク・チェリー
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
ニューヨークに住む冴えないバツイチ男、ラリー・デリー。現在は失業中で、最愛の息子ニッキーにも愛想を尽かされてしまう始末。そこで新しい職探しを始めたラリーは、自然史博物館の夜警の仕事にありつく。さっそく先輩の老警備員から仕事を引き継ぎ、夜の博物館で勤務初日を迎える。ところが見回りを始めたラリーは、誰もいないはずの展示室から不思議な物音を聞く。音のするほうへ行ってみると、なんとティラノザウルスの全身骨格が吸水機から水を飲んでいた。しかも驚きはそれだけではなかった。モアイ像や原始人、動物たちなど、博物館の展示物が次々と生き返り、勝手気ままに動き出していたのだった。



コメント:
いや~久々に笑って気楽に楽しめる作品に出会った!!
遊園地のアトラクションをひとつずつ爽快に楽しんでいるような気分・・・最高だ。
余計なことを考えず童心に戻って鑑賞すれば間違いなく楽しめる映画だと言えるだろう。

・自分の骨をおもちゃにして遊ぶT-REXの化石
・「アホアホ、ガムガム」と、話しかけてくるモアイ像
・火が大好きで見る物全てに大騒ぎするネアンデルタール人
・捕獲した人間全てを八つ裂きにしようとするフン族の王アッティラ
・猛ダッシュで追いかけてくるライオン、巨象、ダチョウ、シマウマなど
・いたずら好きなノドジロオマキザルのデクスター
・西部開拓時代のジオラマではガリバーのような拷問
・ローマ帝国のジオラマによる矢の一斉射撃
・馬にまたがった第26代米国大統領セオドア・ルーズベルト

などなど、本作ではここに書ききれないほどの歴史的展示物が奇想天外なファンタジーを体験させてくれるのだ。これだけのキャラクタが交錯しているため、先が読めそうで読めない展開になっており、誰もが様々なイマジネーションを描き立てられる演出になっているに違いない。

鑑賞前にストーリーなどの細かい設定を全く考えていなかったせいか、後半は元夜警のおじいちゃん3人組が強盗に成り変わり、展示物との一戦を交えるという意外な展開を見せてくれたのでより楽しむことができた。なんとなく『ホーム・アローン』の豪華版という感じで、それぞれのキャラが得意技を生かして強盗をやっつける展開はワクワクドキドキの連続である。

また本作では実在した歴史的人物をそのまま現代に甦らせているため、一通り各キャラの歴史を勉強してから鑑賞すると一層楽しめる内容であると思う。実際、本編では簡単な解説つきであるため安心して楽しむことが出来る。鑑賞後は各キャラについてもっと詳しく勉強してみようという気にさせられるので、子供…いやボクのような歴史に疎い大人にとっても良い刺激になる作品であると言えるだろう。

家族揃ってワイワイ言いながら鑑賞すれば、
「勉強も娯楽も同時に楽しめて一石二鳥だね!!」
って言える映画NO.1になること間違いなしの内容である。

あ、でもこの手の作品を映画館で鑑賞する場合は静かに観てほしいかも…。
ワーワー、キャーキャー言われるお子さんがいる場合は、レンタルしてきて家でとことん騒ぎながら観ることをオススメする(笑)

『ゴースト/ニューヨークの幻』

2007年09月13日 00時25分46秒 | 映画レビュー
原題:GHOST
製作年度:1990年
上映時間:127分
監督:ジェリー・ザッカー
出演:パトリック・スウェイジ 、デミ・ムーア 、ウーピー・ゴールドバーグ 、トニー・ゴールドウィン 、スーザン・ブレスロウ 、マルティーナ・デグナン
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
強盗に襲われ命を落とした男は、幽霊となって恋人の側に現れるが、彼女には彼の存在がまるで伝わらない。やがて自分を殺した強盗が彼女にも迫っている事を知った男は、彼の声を聞く事の出来る霊媒師の力を借りて危険を知らせようとするが……。



コメント:
嫁と初めて一緒に観た映画がコレだった。
というのも、嫁の一番好きな映画がコレだからである。
二人で最初に観た映画、とても感動したことを今でも覚えている。

僕も嫁と付き合う前から何度か鑑賞したことのある作品ではあった。だが、内容としては男がひとりで観ても大して感動もしないし、ちょっと異色のラブストーリーだな…という一言で片付けられてしまいそうなくらいベタな作品である。

だけどこの映画、一人で観るときと恋人と一緒に観るのとでは雲泥の差が生まれる作品なのだ。嫁と初めて観たとき、それまでは感動の欠片もなかった作品であったにも関わらずこのときの感情は全く違ったのだ。

なんというか、人を愛することのすばらしさ、言葉には表現できない愛の形、永遠の愛・・・そんな”愛”という大きなテーマがずしずしと心に伝わる作品なのである。


愛する彼が突然強盗に襲われて死んでしまうという悲劇から始まる本作。
もし自分が同じ立場だったらきっと立ち直れないだろう。

だけど死んだ彼が近くでずっと自分のことを守ってくれていたら?
触れることはできないけど気持ちはずっと傍にある。
もし本当にそんなことがあるのなら、それが本当の”愛”の力なのかもしれない。


僕は幽霊の存在を全く信じない性格だが、本作のような力が存在とすれば、それは”愛”の力が生んだものだと思うのだ。信じる気持ちが何かとてつもない大きな力となって助けてくれている。そうやって人間は何かに守られて強く生きていけるんだなぁと思えてしまうのだ。
嫁さんと観たあとはそんなことをつくづく考えていた。

いや~それにしても当時のデミ・ムーアは可愛い。彼女が出演していたというのも本作の大成功のおかげなのだろう。また本作でアカデミー助演女優賞を獲得したウーピー・ゴールドバーグのコミカルな演技が、ストーリーにとても絶妙なバランスを生み出している。

” オ~~マァイ,ラ~ヴ”の歌詞で有名なライチャス・ブラザーズの「アンチェインド・メロディ」に合わせて踊るシーンもかなり有名である。映像ではサムとモリーが踊っているように見えるけど、実際はモリーとオダ・メイが踊ってたりするんだよな、それ想像するとちょっとおもしろいけど…まあそんなことはどうでもいいか。

サムが"I love you"という思いをなかなか言葉にできない気持ちよくわかるなぁ~うんうん。実は僕も嫁さんにはっきり言ったことがなかったりして…なんか照れくさいんだよなこういう言葉。。。
まあその話は置いといて、"I love you"の返しに"I love you, too"とか"me too"じゃなくて"Ditto(同じく)"という単語を使っているところが本作のミソ。最初はサムの口癖みたいに使われていたのが、ラストでサムがモリーに初めて"I love you"と言ったとき、モリーが"Ditto"って返すところ、これ二人の合言葉みたいな感じでマジで最高にロマンチックなシーンである。まあ実際サムはすでに死んでいて現実的に見るとかなり悲しいお話なのだが、こういうやりとりは映画ならではの演出でとても感動的である。愛し合うことってすばらしいなぁと感じられる瞬間だ。

まだ本作を観たことがない人はぜひ好きな人と一緒に観るように!!
男ひとりで見てもあとから虚しくなる映画なのでご注意を★

『ターミネーター3』

2007年09月07日 23時41分06秒 | 映画レビュー
原題:TERMINATOR 3: RISE OF THE MACHINES
製作年度:2003年
上映時間:110分
監督:ジョナサン・モストウ
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー 、ニック・スタール 、クレア・デインズ 、クリスタナ・ローケン 、デヴィッド・アンドリュース 、マーク・ファミリエッティ
オススメ度:★☆☆☆☆

ストーリー:
コンピュータ“スカイネット”が支配する未来社会から送り込まれたT-1000の襲撃を、T-800の身を挺した活躍で乗り切ったジョン・コナー。それから 10年、“審判の日”は回避されたかに思われ、彼は新たな人生の目的を見つけようと放浪の旅を続けていた。そんなある日、突如として新たな刺客“T-X” が送り込まれてくる。女性のボディを有しT-1000をはるかに上回る性能を持つT-Xは、“リスト”にある人間たちを次々に抹殺し始めた。再びマシーンとの戦いに身を投じるジョン。そんな時、彼の前にあのT-800と同じ形状のターミネーターが姿を現わした…。



コメント:
はっきり言ってあらすじもくそもない。完全な駄作である。
ちょうどハリウッドでヒット作が生まれていなかったという、時期的な要因もあったせいなのかもしれないが、そんな状況の中、配給元は焦った挙句ジェームズ・キャメロンを監督に起用しないまま勢いで製作してしまったのがそもそもの間違いである。

「女版ターミネーターを登場させて最初のワープでヌード見せとけいいじゃん!」
「とりあえずシュワちゃんが出演しとけばいいじゃん!」
「今まで以上に激しいアクションシーンを作って誤魔化せばいいじゃん!」

そんな製作者の声が聞こえてきそうな内容である。

前2作を本気で愛したファンが観たら間違いなく怒るだろう。いや、怒る気にもならないかもしれない。できれば本作はなかった事にして欲しい。なぜこんなことまでして製作したのか本当に疑問が残るのだ。

もうレビューを書く必要はない。まだ未見の人はある意味幸せだ。『ターミネーター2』が最終章だと思って本作には手をつけないほうがいいだろう。おそらくほとんどの人が同じ感想を持つはずである…。

あぁ…本当に残念だ……。

『ターミネーター2』

2007年09月07日 00時59分46秒 | 映画レビュー
原題:TERMINATOR 2: JUDGMENT DAY
製作年度:1991年
上映時間:137分
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー 、リンダ・ハミルトン 、エドワード・ファーロング 、ロバート・パトリック 、アール・ボーエン 、ジョー・モートン
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
前作のヒロイン、サラ・コナーと未来戦士カイル・リースの間に生まれたジョンこそ、2029年の対機械戦争で人類を勝利に導くリーダーだった。そのジョンがまだ少年の頃の1994年に、今度は全く異なる目的を持った2体のターミネーターが出現。すでにトップ・スターとなったシュワルツェネッガーが、前作とは正反対にジョンを守る側に回り、特殊金属によって変幻自在の新型ターミネーターT1000と死闘を繰り広げる。



コメント:
前作もかなりオススメだが、やはりアクション映画の最高峰と言ったらこっちかもしれない。とにかく鳥肌立ちまくりのアクションシーン、そして感動のラスト…とにかく見所ポイント満載の作品である。

=============あらすじ=============

前作で結ばれた、サラ・コナーと未来から来たカイル・リースとの間に出来た息子ジョン。
彼こそ、未来での機械との戦争で人類を導く指導者だった。
そして、機械たちはジョンの暗殺を目論み、再び1994年ロサンゼルスにターミネーターを送り込んでくる。
一方、来るべき未来の戦争を知る唯一の人間サラは、狂人扱いされ精神病院へ入れられていた。
そんな中、未来から送られてきた2体のターミネーターがジョンに接触する。

==================================

本作の見所は何と言っても、未来から送り込まれた2体のターミネーターによる未来を掛けた死闘だろう。しかも前作でサラが破壊したはずのT-800型ターミネーター(シュワちゃん)が人間の見方として再登場。そのお相手となるのが、特殊金属によって変幻自在の新型ターミネーターT1000(ロバート・パトリック)である。今回はターミネーター同士の戦いということもあって、もう完全に手加減なしのガチンコ勝負。アクション映画の限界を超えた、まさにド迫力満点の映像を堪能できること間違いなしである。

しかも前作で見せた秀逸の脚本もちゃんと引き継がれ、矛盾のないSF映画として最後まで描かれている。今回の中心人物であるジョン・コナーは、親との絆、そしてT-800型ターミネーターとの友情らしき感情も芽生え、未来の人類を導くリーダーとしての大人の一歩を踏み出すのである。前作ではただの機械でしか描かれていなかったターミネーターが子供のジョンに付き添っていくうちに徐々に人間らしい行動を取る過程がとても微笑ましい。さすがに最後のシーンは感動して泣きそうになってしまった。

“Hasta la vista, Baby!”(「さっさと失せろ、ベイビー!」)
“I'll be back“(「すぐ戻る」)

この二つは名言としてずっと僕の記憶に残っている。

それにしても本作のアクションは最高だ。特殊金属というアイディアを生かした戦闘シーンの数々。T1000の特殊能力はとにかくすごかった。銃で撃っても穴が空くだけ、殴ってもグニュッと変形して形勢逆転、液体窒素で固まっても溶ければ元通り。おまけに別人に擬態できるわ、手は剣になるわ、声を変えれるわという何でも屋さん。一体T-800はどうやって勝つのかとドキドキしながら見てたが、最後はやっぱりちゃんとかっこよく決めてくれる。さすがシュワちゃん!!と拍手で終われる内容である。

タイトルに”合縁奇縁”と書いたが、まさに本作はその言葉がピッタリの作品である。人と人との交わりは、縁という不思議な力で導かれているもの。コナー親子とターミネーターの繋がりは切っても切り離せないものであり、ジョンは未来の指導者になることはすでに決まっているのである。そんなヒーローが繰り広げる本作のアクションをとくとご覧あれ。とは言っても戦うのはほとんどターミネーターなんだけどね(笑)

『ターミネーター』

2007年09月06日 00時08分55秒 | 映画レビュー
原題:THE TERMINATOR
製作年度:1984年
上映時間:108分
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー 、マイケル・ビーン 、リンダ・ハミルトン 、ポール・ウィンフィールド 、ランス・ヘンリクセン 、アール・ボーエン
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
未来で繰り広げられている人類VS機械の果てしない闘い。機械軍は人類のリーダーであるジョン・コナーを歴史から消すべく 1984年のロスへ冷徹無比の殺人機ターミネーターを送り込んだ。目的は、いずれジョンを産むことになるサラ・コナーの抹殺。平凡な女子学生であるサラの前に姿を見せる黒づくめの殺人機。だがその時、彼女を守るために一人の男が現れた。男の名はカイル・リース。ジョン・コナーの命を受け、未来からやって来た戦士であった。



コメント:
僕が子供のときにビデオテープを擦り切らせるほど何度も鑑賞した作品だ。おそらく二度と覆ることがないであろうシュワちゃんのNo.1代表作である。

=============あらすじ=============

未来で繰り広げられている人類VS機械の果てしない闘い。
機械軍は人類のリーダーであるジョン・コナーを歴史から消すべく
1984年のロスへ冷徹無比の殺人機ターミネーターを送り込んだ。

目的はただひとつ…
いずれジョンを産むことになるサラ・コナーの抹殺である…。

==================================

未来から送り込まれ”抹殺”の二文字しかない冷徹無比ターミネーター
ターミネーターから生死を賭けて逃げ惑う未来の女戦士サラ・コナー
サラ・コナーを愛し、命を賭けてターミネーターから守るカイル・リース

この3人が繰り広げる激しいアクションの数々。死の淵から逃げ惑うサラとカイルに訪れるラブ・ロマンス。そして未来は運命に流されるがまま続いていく・・・とにかく無駄のないストーリー展開が見物である。低予算だろうがなんだろうが、すばらしい脚本があれば必ずいい映画が作れるというお手本のような作品だ。

もちろん忘れてはならないのがターミネーターの存在だ。苦しむことも笑うこともなく無表情のままひたすら追いかけてくるターミネーター。この恐怖はそんじょそこらのホラー映画も凌ぐものである。黒いジャケットにサングラス、マシンガンを持ったままバイクで襲ってくるシュワちゃん…これはやばいハマリ過ぎだ。間違いなくターミネーターの役は彼にしか出来なかっただろう。それほどまでに怖いしハマリ役なのだ。

冒頭で裸のままバーへ向かうターミネーター(このとき髪型…変っ(笑))。ただならぬ威圧感で周囲を黙らせ一瞬にして衣服とバイクを奪う。殺人など全く躊躇せず人間とは桁違いの怪力の持ち主ターミネーター。だがそんな彼も完全無敵ではないところがいい。最初の死闘で目と腕を損傷したターミネーターが、鏡の前で自らを修理するシーンはすご過ぎる。このシーンがあったからこそターミネーターの恐ろしさが倍増し、そしてとてつもないバケモノと戦っているということを認識させられる。ここから後半の戦闘はさらに激化し、ラストは肉片が全て焼け落ちたターミネーターへと変貌してしまう。だがそれでもやつは死なない。赤い目を光らせ足を引きずりながらもジワジワと追い詰めてくる。

「一体どうやったら倒せるんだぁ~~~~~!!!」

と、観客を恐怖のどん底へ追いやっていく。とにかくここまでの過程が抜群にいい!!ジェームズ・キャメロンの手腕が完璧に生かされた演出だろう。緊張感と安堵感がバランスよく保たれ観客を退屈させることがない。音楽も巧みに使い分けられ、とても重量感のあるストーリー展開が味わえるのだ。

やっぱり本作は何度観ても楽しめる。個人的にはアクション映画の最高傑作と言っても過言ではないだろう。アクション性・ストーリー性共に優れた本作、ぜひまだ未見の人にも味わって頂きたい。

『デス・プルーフ in グラインドハウス』

2007年09月01日 18時50分35秒 | 映画レビュー
原題:Quentin Tarantino's Death Proof
製作年度:2007年
上映時間:113分
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:カート・ラッセル 、ロザリオ・ドーソン 、ローズ・マッゴーワン 、シドニー・ターミア・ポワチエ 、ゾーイ・ベル 、マイケル・パークス
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
テキサス州オーステインの人気DJ、ジャングル・ジュリアは気の置けない仲間たちとバーへ繰り出し、女の子だけの会話に花を咲かせていた。そんな彼女たちを、ドクロマークの不気味な車を駆る顔に傷のある謎の中年男、スタントマン・マイクが秘かにつけ回していた…。14ヵ月後、テネシー州で映画の撮影に参加していたスタントウーマンのゾーイ。彼女は空き時間を利用して、仲間たちとある計画を実行する。それは、売りに出されていた憧れの車、映画「バニシング・ポイント」に登場した70年代型ダッジ・チャレンジャーに試乗しスタントライドを楽しむこと。さっそくボンネットに乗り、危険なスタントを始めるゾーイ。やがてそんな彼女たちを、あの男スタントマン・マイクが、新たな獲物に見定め襲いかかるのだったが…。



コメント:
最初に言っておくが、本作は映画として文句なしのおもしろさだ!!

ガーリーな8人のバッドガールズによる”セックス”や”恋愛”に対するどうでもいい無駄話で始まる本作。いきなりタランティーノの得意とするセリフ回しが炸裂。『レザボアドッグス』を彷彿されるそのシーンで一気にタランティーノ・ワールドへと引きずり込まれてしまった。

そんな本作の一番の見所は、8人の女とデス・プルーフ(耐死仕様)の車で襲ってくる殺人鬼スタントマン・マイクが見せる最高にスリリングなカーチェイスだろう。殺人でしか自分の欲望を満たすことができないスタントマン・マイクを演じるカート・ラッセルが、見事役にはまっていて最高に渋い演技を見せている。彼の本性はラストに判明するのだが、そのギャップが実におもしろい設定なのだ。

前半で殺されてしまう4人の女。
後半で復讐に転じる4人の女。

最初は悲惨だが、最期は爽快。
まさに”女の女による女のための映画”がここに集約されているのだ。
恐怖から笑いへと全ての要素が詰め込まれた映画、鑑賞すればその意味はきっとわかるはず。
「悩むならまずは観ろ!!」と言っておきたい。

そして今回のプロジェクトの本髄とも言える「グラインドハウス」。「グラインドハウス」とは60~70年代、B級映画ばかりを2~3本立てで上映していた劇場のことをいう。同プロジェクトとして9月22日に公開されるロバート・ロドリゲスの『プラネット・テラー in グラインドハウス』も楽しみで仕方がない。

とりあえずこのプロジェクトを立ち上げたということが本作の成功に繋がったひとつの要因だと言えるだろう。使い古しのフィルムに付いた傷、リールのダブりや飛びが当時のいい雰囲気を醸し出し自らがタイムスリップしたような感覚に襲われる。タランティーノの映画オタクぶりが功を奏したと言わざるを得ない。こういった試みをしてくれる監督は世界を探してもあまりいない気がするのだ。新感覚な作品に出会わせてくれたタランティーノにここでも感謝。

残念なのが『デス・プルーフ in グラインドハウス』と『プラネット・テラー in グラインドハウス』が2本同時に公開されなかったことだ。アメリカでは本編を短縮して同時に公開したらしい。せっかく「グラインドハウス」と付いているのだから一度に2本立てという贅沢を味わいたかった。


最後に、今日は久々に映画館でイラつく客に遭遇してしまったので愚痴をひとつ。

とにかく鑑賞中によくおしゃべりする女で、しかもその女がしゃべるタイミングが
「なんでこんなに映像が荒れてるの?」と同伴の男に聞いているのだ。
これはグラインドハウスの再現でわざとそういう手法を施しているんですけどね。
しかも映画が始まる前にそれについての説明がちゃんと表示されたんですけどね。
あの女は一体何を観にきたんでしょうか?そう思うのは勝手だけど、上映中にしゃべるのだけはやめて欲しかった…。

これから鑑賞される方はこういう間違いがないように気をつけましょう(笑)

『市民ケーン』

2007年09月01日 12時46分58秒 | 映画レビュー
原題:CITIZEN KANE
製作年度:1941年
上映時間:119分
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ 、ジョセフ・コットン 、ドロシー・カミング 、エヴェレット・スローン 、アグネス・ムーアヘッド
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
新聞王ケーンが、“バラのつぼみ”という謎の言葉を残して死んだ。新聞記者のトンプソンは、その言葉の意味を求めて、生前のケーンを知る人物にあたるが……。



コメント:
BFI(英国映画協会)が10年毎に全世界の映画批評家の意見を集約して世界映画史上作品ベスト10を選出しているが、この作品は1962年から2002年の40年間連続第1位に選出されているという。また、AFI(米国映画協会)も米国製作映画ベスト100の作品中第1位として選出しているらしい…。

世界中からそんなにすばらしい評価を受けている映画なら誰でも一度は観てみたくなることだろう。だが僕の感想としては「一体この映画のどこがすばらしいんだ!?」というのが正直なところである。はっきり言って僕の年代からすれば、本作に対しての評価が悪くなってしまうのも仕方ないことなのかもしれない。画質は白黒だし現在となっては当たり前のような映像や演出の連続。はっきり言って退屈である。

だが当時の技術からすればこれらは斬新かつ芸術的なものだったのだろう。

ディープフォーカス、ローキー照明、豊かな質感、前景と後景との極端な対比、逆光照明、天井付きの屋内セット、側面からの照明、極端なクローズアップと並列された叙事的なロングショット、めまいを起こしそうなクレーンショット・・・・・・・。

正直、映画検定4級しか持っていないような素人(←これ僕のことね^^;)がこんな技術を聞いてもさっぱりわかるはずがない。実際どのシーンでこれらの技術が使われているのか全く意識していなかったし、映画を楽しむ上で普段考えることではないので感じ取るのはなかなか難しいものだ。世界のベスト10とかベスト100という評価は、あくまで映画界に精通した人たちが勝手に決めているもので、観た人全てがそう評価できるものではないということを認識しといた方がいいだろう。

映画というものは”見て”感じ取れる”何か”が大事であり、それに伴う技術などは豆知識として後から知っておけばいいものなのだ。残念ながら僕は本作を鑑賞したことで特に大きな感動は受けることはできなかったが、後付で本作が映画界に与えた多大なる影響を知識として得られたことは、今後映画を楽しむに当たって良いきっかけになった作品だと言える。

オーソン・ウェルズという当時25歳の若き天才がいたおかげで今の映画界があるということも心に刻んでおこうと思う。

『郵便配達は二度ベルを鳴らす』

2007年09月01日 01時06分58秒 | 映画レビュー
原題:THE POSTMAN ALWAYS RINGS TWICE
製作年度:1981年
上映時間:125分
監督:ボブ・ラフェルソン
出演:ジャック・ニコルソン 、ジェシカ・ラング 、ジョン・コリコス 、マイケル・ラーナー 、アンジェリカ・ヒューストン 、クリストファー・ロイド
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
1930 年、ロサンジェルスのハイウェイ沿いにあるガソリンスタンドの安食堂。ここにひとりの流れ者がやって来る。食堂の女房の体に魅せられた男は、そこで働くことにした。やがて二人は情事を重ねるが食堂の主人はまったく気づかない。そして二人はついに、保険金目当てで主人を殺す計画を立てる……。



コメント:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす 』(The Postman Always Rings Twice) は1934年に出版された、ジェームズ・M・ケインの小説で、過激な性の暴力の描写が話題になりこれまで3度映画化されている。

1942年 監督・ルキノ・ヴィスコンティ  主演・マッシモ・ジロッティ  クララ・カラマイ
1946年 監督・テイ・ガーネット     主演・ジョン・ガーフィールド ラナ・ターナー
1981年 監督・ボブ・ラフェルソン    主演・ジャック・ニコルソン  ジェシカ・ラング

これだけ何度も映画化されていれば比べ甲斐があるというものだが、残念ながら僕は今回の1981年版を観るのが初めてである。いろんなサイトで過去の作品について調べてみると、フィルム・ノワール最盛期の傑作と知られているのが1946年版だとか。個人的にはこっちの作品を観たいと思うのだが、先に知ったのがたまたま1981年版だったので、過去の作品についてはいつかの楽しみにしておきたいと思う。

さて本作の感想だが、原作が不倫、殺人、詐欺がテーマの過激な内容という割には、さほど驚くようなシーンは見当たらなかった(単に僕の感覚がマヒしているのかも…)。なぜなら内容よりも主演二人のルックスと演技がすばらしくて、そちらばかりに目移りしてしまったからだ。特にジャック・ニコルソンの眼つき顔つきときたら、人妻を奪ってそのまま旦那を殺してしまうという役にはあまりにもはまり役であった。

そして、おそらく本作の一番の問題シーンは、キッチンで二人の男女が絡み合う過激なシーンだろう。初めはフランク(ジャック・ニコルソン)の欲望によるレイプさながらの絡みで始まるが、その刺激に触発されたコーラ(ジェシカ・ラング)も欲望を抑えられず彼の全てを受け入れる。まさに理性を無くした野獣二人が合いまみれる姿が映し出されるのだ。

確かにこのシーンは過激でインパクトのあるものだ。この先の二人の運命を考えてもなかなかリアルで、本作で描かれる突発的な行動が生んだ情事という流れを考えると、あって当然のシーンだったと言える。だけど宣伝文句にするほどのものではないのでホントあまり期待しない方がいいだろう(笑)

フランクとコーラがニックを殺害してからの展開だが、どのエピソードもあまり重厚感がなく呆気に取られてしまった。これから二人が人生の堕落を味わうという展開なのに、殺人までのシーンが盛り上がりすぎて後半一気に冷めた感じだ。二人の複雑な感情が絞りきれてなくて、いまいち感情移入しにくくなっていたのが残念で仕方がない。まあそれでもラストはアメリカン・ニューシネマを彷彿させるような衝撃の展開で終わるので何かいろいろと考えさせられる作品だと言える。

結果的に本作は興行的にも成功を収めている。僕はいつも思うのだが、どうして人間はこういった情事を描いた作品が好きなのだろうか?やっぱりみんなどこかでこういう出来事を望んでいる?ありそうでない話だから意外とみんな入って行き易いのだろう。僕も鑑賞しながらいろいろ想像してしまう性質なんだけどね…って新婚野郎がこんなこと言ったらダメだな、ヨメに怒られる(笑)