シネブログ

このブログは映画に関する記事を書いています☆

『ハイテンション』

2007年03月30日 00時51分23秒 | 映画レビュー
製作年度:2003年
上映時間:91分
監督:アレクサンドル・アジャ
出演:セシル・ドゥ・フランス 、マイウェン 、フィリップ・ナオン 、フランク・カルフン 、アンドレイ・フィンティ 、ワーナ・ペリーア
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
女子大生のマリーは親友のアレックスとともに、彼女の実家へと向かう。2人は都会の喧騒を逃れ、静かな田舎で試験勉強に励む予定だった。夜遅く、ようやく2人はアレックスの実家に到着する。だがその直後、謎の中年男が玄関に現われ、手にした刃物でアレックスの両親と弟を次々と惨殺したのだった。物陰に隠れ、必死で息を潜めるマリー。ところが、今度はアレックスが殺人鬼に捕まり、トラックで連れ去られようとしていた…。



コメント:
意外や意外。純粋なホラーかと思ったら最後はどんでん返し系ときた。まさかこんな展開になるとは思ってもみなかったので、少々中途半端な終わり方に感じた。どうせやるならとことんホラー路線を突っ切ってもらいたかったところだ…。

だが殺人シーンに関しては百点満点をあげたい。噴水のように鮮血が飛散するスラッシャー描写、そしてギシギシと忍び寄る足音。視覚と音の両方から攻めてくる恐怖の連続に一体どこまで耐えられるだろうか?まさにこの映画は、製作者からホラーマニアに対する宣戦布告のような作品に仕上がっている。ただひたすら怖いものを作ろうという考えは見事に成功しているといえよう。
それにしてもあの殺人鬼役のフィリップ・ナオンという俳優の怖さといったらなんなんだろう。顔は全くといっていいほど映らないのに、体だけであそこまでの恐怖を体現する才能はすごすぎる。変な被り物や武器を持った殺人鬼より数段怖い。まさにうってつけなのだ。

ちょっとオチが気にくわないがまずまずの力作といえる。若干殺人シーンが少なくて物足りないと感じるが、ホラー好きでも十分満足のいく内容であるだろう。オチが気になる人はぜひ自分の目で確かめてくれ。

一応言っておくが間違っても心臓の弱い人は観ないように(笑)
あ、あと観終わったあとしばらくは食欲がなくなること間違いなし!

『スクリーム』

2007年03月29日 01時57分29秒 | 映画レビュー
製作年度:1996年
上映時間:111分
監督:ウェス・クレイヴン
出演:ドリュー・バリモア 、ネーヴ・キャンベル 、スキート・ウールリッチ 、ローズ・マッゴーワン 、コートニー・コックス 、デヴィッド・アークエット
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
カリフォルニアの田舎町、ウッズボローで殺人事件が起きた。高校生ケイシーが不気味な電話を受け取った後、恋人と共に惨殺されたのである。同じ高校の女生徒シドニーもまた、その電話を受け取っていた。彼女はマスクを被った人物に襲われたが、駆けつけた恋人ビリーに助けられる。だがビリーは犯人として疑われ、逮捕されてしまった。しかし、またもシドニーに不気味な電話がかかってきたのだ……。



コメント:
ホラー?それともサスペンス?いやコメディだ!!

と、観る人によってはどれでも当てはまりそうな映画である。例えば、ただ宣伝につられて観た人にとっては純粋なホラーだろう。しかしホラーだと思って観た人にとってはサスペンスっぽく感じたのではないだろうか。そして単なる映画オタクからして観ればこれはある意味コメディだといえる。まあコメディというのはちょっと言い過ぎだが、おもしろいのは登場人物がみんな映画オタクで、セリフの随所に過去のホラー映画が例えとして出てくるところだ。一番おもしろいのはランディがホラー映画で生き残るための3つのルールを語るシーン。

  その1 セックスはご法度
  その2 酒やドラッグは禁止
  その3 言ってはならない命取りのセリフ”すぐ戻る”

これを言わせておいて、うまいことはずしてくれるところが流石。今までのホラー映画をいい意味で裏切ってくれているのだ。そして犯人もなかなか見抜くことがきない。この辺がサスペンス的要素の強いところで、『13日の金曜日』や『ハロウィン』では明らかに犯人は決まっているが、本作は最後の最後まで本当にわからない。脚本はそれなりに素晴らしいので、最後まで犯人探しを楽しむことができるだろう。とにかくこの映画は過去のホラーのいいとこ取りをしたある意味オマージュ的な作品で、ホラー映画の予習・復習に持ってこいの作品に仕上がっている。

監督は『エルム街の悪夢』などで有名なウェス・クレイヴン。もちろん彼もかなりの映画オタクなのだろう。自ら監督した作品名を平気で出しているところが素直でいいではないか(笑)。また俳優の使い方もうまいなと思う。主演のネーヴ・キャンベルをエロかわいさ全開に撮ってくれたのはかなりありがたい。やっぱホラーに欠かせないのはヒロインの魅力ということを気付かせてくれる。それにしてもドリュー・バリモアの使い方なんてもったいないったらありゃしない。まあ序盤からスリル満点の演技を見せてくれるので、これはこれで大成功といえるだろう。

個人的にこの作品はホラーの中でもかなり上位に入る映画である。気楽なシーンもあれば、それなりにグロいシーンもあるが、ホラー映画入門編としてオススメしたい一本だ。

『男たちの挽歌』

2007年03月28日 02時12分12秒 | 映画レビュー
製作年度:1986年
上映時間:95分
監督:ジョン・ウー
出演:チョウ・ユンファ 、ティ・ロン 、レスリー・チャン 、エミリー・チュウ 、リー・チーホン 、ケン・ツァン
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
偽札製造を行う組織の元幹部の兄ロンと、香港警察の刑事となった弟チャン。そして兄の親友であり兄弟分であるユンファ。物語は偽札製造組織の陰謀を軸としながら、彼ら3人の兄弟愛と友情を、ド肝抜くガン・アクションに託して見せる。



コメント:
普段あまり回りには口外していないが実はこの映画は、僕が映画にハマるきっかけになった作品なのである。もしこの映画がなかったら今程映画が好きな自分がいなかったのではないかと思うくらい影響を与えてくれた作品なのだ。まあ映画界にとっても大きな影響を与えたというのは有名な話で、香港ノワールの火付け役となった傑作アクションとして知られている。とはいってもまだ未見だという人が多い作品なのではなかろうか?とにかくどこを取ってもすばらしい映画といえるのでファンならずとも一度は観ていただきたい作品のひとつだ。

まず本作で忘れてはならないのが、主演のチョウ・ユンファの存在だ。今となっては世界的にも名を知らしめている彼の次回作は『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』という超大作。最近はツルッパゲの役が多くて、ファンの僕からすればやや不満な点が多いのだが、とにかく最高の俳優であることには間違いないだろう。本作ではとにかく熱い男で、傷だらけになりながらも銃を乱射し敵をやっつけてしまうというカッコいい役を演じている。ガン・アクションは映画史に残るくらい激しいもので、きっと観たものを虜にしてしまうほどのインパクトを持っているに違いない。子供の頃に観たラストの銃撃戦は、今でも僕の脳裏に焼きついており何度でも観たくなる映像として記憶されている。
また脇を固める俳優陣もすばらしい。今となっては俳優として見なくなったティ・ロンだが、彼はとても不思議なオーラを持った俳優で感情表現豊かな演技がとてもうまい。そして47歳という若さでこの世を去ったレスリー・チャンも本作で人気を得た俳優である。ティ・ロンの弟役という設定には「ちょっと無理だろ…」といわざるを得ないが(笑)別にそんなことは気にする程のことでもない。配役については文句のつけようがないほど完璧だ。

そして本作ではずせないのが悲壮感にどっぷり浸かれる音楽の数々。まさに”挽歌”という言葉がぴったりの選曲で、ストーリーをより奥深くすることに成功している。

また話を戻して申し訳ないが、あの銃撃戦はいろんな意味で本当によく出来ている。数十人という敵が相手だというのに3人が受ける弾はほんの数発。しかも普通の人間より遥かに生命力が強い。これは彼らの友情が織り成す戦いで、最後の一人足らずとも見逃さない感情が強い印象を残している。それにしても二丁拳銃で弾を乱射して敵が倒れていく様を見るのは本当に気持ちのいいものだ。チョウ・ユンファ演じるマークは壮絶な死を遂げるが、これもまた心の痛むシーンで観るに耐え兼ねないものである。そんな最後まで手を抜かない演出の数々が感動を呼んでくれるのだろう。本当にいい映画だ。

最後にこんなにすばらしい作品を世に送り出してくれたジョン・ウー監督には敬意を示したい。

『オズの魔法使』

2007年03月26日 23時27分21秒 | 映画レビュー
製作年度:1939年
上映時間:102分
監督:ヴィクター・フレミング
出演:ジュディ・ガーランド 、バート・ラー 、ジャック・ヘイリー 、レイ・ボルジャー 、ビリー・バーク、マーガレット・ハミルトン
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
大竜巻に巻き上げられた少女ドロシー(ガーランド)が辿り着いたのは、夢の国オズ。彼女は故郷のカンサスに帰るため、魔女の住むというエメラルド・シティ目指して出発する。臆病者のライオン(ラー)、脳のないカカシ(ボルジャー)、そして心のないティンマン(ヘイリー)と共に……。



コメント:
世界で10億以上の人たちが見たといわれる不朽の名作。「オズの魔法使」といえば子供の頃から何度も本を読んだことある作品なだけに、とても懐かしい気分に浸れる最高のファンタジーだ。
内容については今更話す必要はないだろう。それよりも当時の撮影技術でよくぞここまですばらしい映画を作り出せたということに驚きを隠せない。現代の技術に掛かればCGであっという間に作れてしまう程度の作品だろうが、当時の技術で一体どうやって撮影したのか疑問になる部分が多々あり、映画の奥深さを感じてしまう。どの映像もとてもよく出来ているのだ。

制作費は当時の金額で260万ドルもの大金が掛けれれている。まあその金額がどれほどまでにスゴイものかよくわからないが、完成までかなり困難したことが伺える。セットや衣装代、そしてなんといっても時間が大幅に掛かっているため制作費は当初よりはるかにオーバーしたみたいだ。その甲斐もあってか、今も色あせることなく輝きを放っている。

この「オズの魔法使」は本編だけでなく、映画の舞台裏を見てみるととてもおもしろいエピソードが存在しているのだ。そのいくつかをここで紹介しよう。
マンチキンを演じた小人の集団は、実は世界中のサーカスやボードビルの芸人を集めたらしい。最初観たときは遠近法でも使って小さく見せていると思っていたので、事実を知ったときはかなり驚いた。
また本作でアカデミー主題歌賞を受けた名曲"Over the Rainbow"を主演のジュディ・ガーランドが歌うシーンは、信じられないことに一度カットされていたものだという。その後、製作者により無事挿入されたため世界中の人々の心に残るシーンが生まれたのだ。こういったエピソードを聞くと驚かずにはいられない。
他にもおもしろいエピソードがたくさん隠されているが、それは現在レンタル中のDVDを観れば知ることができるだろう。とても充実した内容なので1日では見切れないくらいのボリュームになっている。映画ファンにはぜひ観ていただきたいもののひとつだ。

僕がこの作品を観終わって感じたこと、それはもし自分に子供ができたら一番最初に見せたいと思う作品がこの「オズの魔法使」であることだ。魅力的なキャラクターが歌って踊って、そしてみんなで協力してやれば何でも願いが叶うという強いメッセージ。どこを取っても素敵な映画だといえよう。

個人的にはファンタジーの原点はここにあるのではないかと思うくらい、とても貴重な作品だと感じた。古くさいから観ないという感情は捨てて、童心に戻って一度浸ってみて欲しい映画である。

『ジュラシック・パーク III』

2007年03月23日 23時16分33秒 | 映画レビュー
製作年度:2001年
上映時間:-
監督:ジョー・ジョンストン
出演:サム・ニール 、ウィリアム・H・メイシー 、ローラ・ダーン 、ジョン・ディール 、マイケル・ジェッター 、ティア・レオーニ
オススメ度:★★☆☆☆

ストーリー:
パラセーリング中に遭難した少年を助けるため捜索チームがある島に向かった。しかし、そこはあの恐竜たちが棲息する島のすぐ近くだった。かつて、恐竜の島で恐怖の体験をしたグラント博士(S・ニール)。不本意ながらもチームに同行するハメになった彼の不安は案の定的中し、今までに見たこともない巨大で凶暴な恐竜と対峙することに……。



コメント:
う~~ん…どうも緊迫感が足りない。
その理由を考えてみると、恐竜が襲ってくるのが遅すぎるということに気付いた。
本作に出てくる恐竜はほとんどが肉食なのだが、「どうぞ今のうちに逃げてください」と言わんばかりの動きであるため恐怖感に欠けているのである。製作者側からすればせっかくCGで頑張って作ったのだからじっくり観てほしいという思いがあるのだろうが、それにしてもちょっとやり過ぎだろう。
あと恐竜を見せるだけでは何も感動が湧かないということに気付いて欲しい。最近の映画ファンはCG慣れしているということもあるが、もっと演出的に凝ったことをやってくれないと何の面白みもないのである。この映画で観れる恐竜は単なる自己満で作ったものに過ぎない。
また脚本も最悪。1作目のときと比べると明らかにおもしろくない。無理やり恐竜の生態に話をつなげて乗り切ったなという感じだった。また子供がひとりで2ヶ月間も島で生き残ったというのも現実味のない話である。やはり3作目までくるとネタが尽きたなと思わずにはいられないだろう。

とにかく総合的に観てこの映画は何のために作ったのかが疑問に残る。
内容的に心に伝わるものがないし、映像もありきたりなものである。
金儲けのために作ったのか?ただ勢いで作ったのか?
どちらにしろ駄作としか言いようがない出来であった。

『スーパーマン リターンズ』

2007年03月22日 22時09分54秒 | 映画レビュー
製作年度:2006年
上映時間:154分
監督:ブライアン・シンガー
出演:ブランドン・ラウス 、ケヴィン・スペイシー 、ケイト・ボスワース 、ジェームズ・マースデン 、フランク・ランジェラ 、サム・ハンティントン
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
クリプトン星の3悪人との戦いに勝利したクラーク・ケントことスーパーマンだったが、その後彼は謎の失踪を遂げる。スーパーマンが不在となった地球では犯罪が急増、加えてレックス・ルーサーも仮釈放が認められ出所してしまう。そんな中、5年ぶりに地球に戻ってきたスーパーマンだったが、久々に再会したかつての恋人ロイス・レインは、彼との思い出を振り切り新たな道を歩み始めていた…。



コメント:
まず最初にスーパーマンに謝りたい。
今までダサい青スーツに赤いマントをつけたカッチョ悪いヒーローだと思ってたことを許してくれ!
まさかこんなに地球のことを愛してくれるカッチョイイヒーローだとは思ってもいなかったからだ。

スーパーマンといえば僕の世代からすればちょっと古いヒーローなので過去の映画は一度も観たことがなかった。
そんなところに『スーパーマン リターンズ』として帰ってきたヒーローをなんとなく観てみようと思ったのが見事大当たり。
ただ軒並み力があるだけではなく、あらゆる技を使いこなせし風のように颯爽と飛び回るヒーローにスカッとさせられてしまったのだ。

まあとりわけこのテーマソングは小さい頃からいろんなところで聴いているので、なんだか懐かしい気持ちになってしまうのがとても不思議な感じだった。
開始早々流れるテーマソングはとにかくいい。
一気に映画の中に入ることができてしまう。
そうなってしまえばもう観ている間ずっと子供に戻ったようにヒーローを応援している自分がいるのだ。
展開的にはありきたりで絶対助かるとはわかっているのだが、とてもスリリングな映像の連続につい力が入ってしまう。
VFXの進化を感じさせてくれる瞬間であろう。
とにかく全ての戦い方がめっちゃくちゃカッチョイイのだ!!

ちょっと驚いたのが、スーパーマンには透視能力があるとか、聴力がすばらしくいいとか、目から光線を出すとか、息だけでなんでも吹き飛ばしてしまうとか、実はこっそり人間との子供を作っていたとか……なんだか謎多き超人であったということだ。
しかも透視や聴力は好きな人を追っかけるためだけに利用しているし…。
でもまあそこらへんが人間味のあるヒーローとして人気が高いのだろう。

今までスーパーマンはカッチョ悪いヒーローだと思っていた人には、ぜひこの映画を観てもらいたい。
きっとイメージがガラッと変るはずだ。
アクション映画としても完成度が高いので、気分をスカ~っとさせたい人にはオススメの一本である。

『雨に唄えば』

2007年03月21日 19時10分23秒 | 映画レビュー
製作年度:1952年
上映時間:102分
監督:ジーン・ケリー 、スタンリー・ドーネン
出演:ジーン・ケリー 、デビー・レイノルズ 、ドナルド・オコナー 、シド・チャリシー 、ジーン・ヘイゲン 、ミラード・ミッチェル
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
トーキーの出現でハリウッドは大騒動。それまでスターだったリーナ(ヘイゲン)もその悪声から将来が危ぶまれる。パートナーのドン(ケリー)はリーナの吹き替えに採用されたキャシー(レイノルズ)に目をつけ、親友のコスモ(オコナー)と一緒に、彼女を次代のスターに担ぎ出そうとする。サイレントから新たなる時代に突入した映画界の楽屋裏を軸に、ケリーとレイノルズのロマンスを描いた名作ミュージカル。



コメント:
観終わった後ここまで楽しくて踊りたくなるような映画が他にあるだろうか?
まさにミュージカル映画の最高峰と言ってもいい。
どしゃ降りの雨の中、『SINGIN' IN THE RAIN』をジーン・ケリーが歌い踊るシーンは今さら説明のないほどの名シーンだが、それ以外にもデビー・レイノルズ、ドナルド・オコナーが披露する歌と踊りはとにかくすばらしい。

ストーリーは、サイレントからトーキーに突入した映画界の楽屋裏を軸にドン(ジーン・ケリー)とキャシー(デビー・レイノルズ)のロマンスを描いている。
どの歌も違和感なく挿入されていて、舞台をフルに使ってのダンスは見応え十分。
個人的には、3人揃ってのタップダンス、ドナルド・オコナーの壁を使ってのバック転に感動した。
これは観てからのお楽しみ。
とにかくこの時代のスターは歌・踊り・演技の全てができる芸達者であることを画面中から感じ取ることができるのだ。
ストーリーはとてもシンプルで意外にもコメディ的要素があったりするので、最後まで気持ちよく楽しめる内容になっている。

多少作風的に時代を感じさせる部分があるのは確かだが、そんなことは全く気にならないほど素晴らしい作品だ。
この面白さは観てからこそ味わうことのできるものであるといえるだろう。
きっと観終わったあとについつい『SINGIN' IN THE RAIN』をくちずさんでしまう自分がいるはずだ。

『トレーニング デイ』

2007年03月19日 00時00分42秒 | 映画レビュー
製作年度:2001年
上映時間:122分
監督:アントワーン・フークア
出演:デンゼル・ワシントン 、イーサン・ホーク 、スコット・グレン 、エヴァ・メンデス 、シャーロット・アヤナ 、トム・ベレンジャー
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
ロサンゼルス市警の麻薬取締課に配属となった新人刑事ジェイク。一緒にコンビを組み彼に麻薬捜査のいろはを教え込むのはベテラン刑事のアロンソ。数々の大事件を解決し、麻薬に絡むあらゆることを熟知している伝説的カリスマ刑事だ。まさにジェイクの手本であり憧れの存在。そんなアロンソはジェイクにまずはじめに「かよわい子羊でいるのか。獰猛な狼になるのか。それを選べ」と忠告する。そして、ジェイクが目にしたのは、犯罪摘発のためにはいともたやすく自ら法を犯すアロンソの姿だった。とまどうジェイクをよそにアロンソの行動はエスカレートしていく……。



コメント:
正義を貫こうとするルーキーと悪行に染まったベテランの対立を描いたありがちなストーリー。
だが俳優の演技がとても光る映画である。
特に本作でアカデミー主演男優賞を獲得したデンゼル・ワシントンの鬼気迫る演技はマジで怖い。
共演のイーサン・ホークがマジでビビッてるのではないかと思うくらいだ。

また物語が1日という限定された設定のなかで繰り広げられるというところもいい。
たった1日という短い間に次々とベテラン刑事による悪事が行われ、それを見せ付けられた新人刑事の感情が”尊敬”から”失望”に変わっていく様がリアルに描かれている。

しかし結局何が言いたかったのか?何を見せたかったのか?がよく分からない。
シーンのひとつひとつが最後に結びつくわけでもなく、無駄な伏線がたくさん散りばめられていただけのように思える。
一応完結はしているがどこか腑に落ちないと感じた人は多いだろう。
話の運び方が良かっただけに脚本の中途半端さが目に付いてしまう。
もう少し脚本がちゃんとしていたら完璧な映画だったに違いない。

まあそれでも主演の演技に注目してみれば十分観る価値のある作品であると言えるのではなかろうか。

『ファイナル・デッドコースター』

2007年03月14日 00時19分47秒 | 映画レビュー
製作年度:2006年
上映時間:93分
監督:ジェームズ・ウォン
出演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド 、ライアン・メリマン 、クリスタル・ロウ 、シャーラン・シモンズ 、クリス・レムシュ 、サム・イーストン
オススメ度:★★★★☆

ストーリー:
ハイスクールの卒業イベントとしてやって来たアミューズメント・パーク。仲間たちと一緒にジェットコースターに乗り込んだウェンディは、その瞬間、壮絶な事故の予知夢を見てパニックに陥る。結局ウェンディと仲間たちは係員によって降ろされてしまうが、その直後、ジェットコースターは本当に事故を起こしてしまう。多くの犠牲者が出る中、九死に一生を得たウェンディたちだったが、免れたはずの“死の運命”は、形を変えて再び彼女たちを狙い始めるのだった…。



コメント:
言うまでもないがこの映画の登場人物はみんな順番に死んでいく。
それもあり得ないほど無惨な姿で・・・。
まあその死に様が売りのシリーズなだけに、今回もやりたい放題やってくれた気がする。
僕は1しか観たことがなく2は未見のまま本作を鑑賞したが、全くと言っていいほどストーリーに関連性はないので、3から観ても十分楽しめる作品だろう。
敢えて言っておくが、ここで使う”楽しめる”という言葉は、人の無惨な死を真っ向から”楽しめる”という意味で使うことにする。
なんたって他の意味での楽しみなんて期待してはならない映画だからだ。

とにかくこの映画では最初から最後まで人が死にまくる。
もう死ぬという結末はわかっているだけに、誰がどこでどう死ぬのかを想像しながら観ると楽しめるだろう。
とは言っても、作る側もかなり試行錯誤しているだけに、なかなか予想通りの死に方はしてくれない。
死がパズルのように徐々に迫ってくる演出には常にドキドキさせられっぱなしだ。
観る人全てが
「くるのか?くるのか?」「いやまだこない・・・」「うわっ!ここできたかっ!!」
という反応をするのがたやすく想像できてしまう。
僕もそんな観客のひとりに過ぎない。

本作ではとにかくスリリングな死を最後の最後まで味わうことができるだろう。
何も考えずただその死の順番を見届ければいい映画なのだ。
念を押しておくが、間違ってもグロいのが苦手な人、謎解きをしたい人などは鑑賞してはならない映画だ。

『宇宙戦争』

2007年03月13日 00時51分20秒 | 映画レビュー
製作年度:2005年
上映時間:114分
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:トム・クルーズ 、ダコタ・ファニング 、ティム・ロビンス 、ジャスティン・チャットウィン 、ミランダ・オットー 、ダニエル・フランゼーゼ
オススメ度:★★☆☆☆

ストーリー:
アメリカ東部のニュージャージーに暮らすレイは労働者階級のごく平凡な男。別れた妻との間には息子のロビーと娘レイチェルがいた。そして子どもたちとの面会の日、その異変は何の前触れもなく唐突に訪れた。晴天だった空が突如不気味な黒い雲に覆われると、吹き荒れる強風の中、激しい稲光が地上に達し、地面に巨大な穴を空ける。すると大地が震え、地中で何者かが激しくうごめき始めたのだった。その光景を呆然と見つめていたレイ。町が次々と破壊され、人々がパニックに陥る中、レイは子どもたちのもとへ駆けつけ、彼らを守るため懸命に奔走するのだった。



コメント:
最初に言ってしまうが、個人的にこの映画を傑作とは思わない。
どちらかといえば駄作に近いといえるだろう。
みなさんは観たい映画をどうやって選ぶ?
原作?監督?俳優?広告?
おそらくこれらのどこかに魅力を感じて鑑賞するという人がほとんどだろう。
僕もこの映画に対しては、監督、俳優、広告のどれも好きだったため迷うことなく映画館に走ったものだ。
まあその結果、とてつもなく不完全燃焼な作品に出会ってしまったことは言うまでもない。

本作で一番がっかりしたのはあの宇宙人が滅亡したオチネタ。
どうやら原作に基づいているものらしいがこれはあんまりだと思う。
まさか本と映画では表現方法が違うということを忘れてしまっているのではあるまい。
”細菌”という目に見えない物体で終わらせてしまっては、一番の盛り上がりを台無しにしているも同然。
しかもナレーションで全てを語ってしまう演出に興ざめしてしまった人は多いはず。
どうせやるなら最後までとことん映像で見せ付けて欲しかったというのが正直なところだ。

また俳優にも魅力を感じない。
トム・クルーズは駄目親父、ジャスティン・チャットウィンは自己中、ダコタ・ファニングは奇声魔。
”家族の愛と絆”をテーマに掲げているがこんな登場人物ばかりでは、とてもじゃないが感情移入なんて無理に近い。
観ていてイライラするシーンが多々あった。
個人的にどの俳優も結構好きな方なのだが、ここまでひどい使い方をする映画というのは初めての経験だったかもしれない。

しかもこれを手掛けたのがあのスピルバーグだったというのがショックでたまらない。
一体彼の監督業に何があったのだろうかと心配になるほど残念な仕上がりだった。
宇宙人による攻撃などのアクション的な演出は彼の才能が存分に発揮されていたが、最後に伝えたいメッセージ性が欠けていたように思えた。
スピルバーグの実力がどこかで空回りしてしまった作品だと言えよう。

あとこの映画を観終わって思ったのだが、映画会社の宣伝方法はかなり汚いやり方だ。
まあ逆を言えば、そんな上手過ぎるCMに勝手に騙されてしまう自分が悪いというほうが正しいのだろうが・・・。
それにしても上手いこと宣伝したものだ。
スピルバーグとトムもサービス精神旺盛だったしな。
あの笑顔に騙された日本人は少なくはないはずだ(騙しているつもりはないだろうが)。

どうでもいいことかもしれないが、これからも”騙す宣伝”は多くなってくると思うので映画を選ぶに当たって一番注意したいところ。
次に危険な作品は『トランスフォーマー』ってとこだろう。

『ハッピー フィート』

2007年03月11日 00時05分56秒 | 映画レビュー
製作年度:2006年
上映時間:108分
監督:ジョージ・ミラー
出演:イライジャ・ウッド 、ブリタニー・マーフィ 、ヒュー・ジャックマン 、ニコール・キッドマン 、ヒューゴ・ウィーヴィング 、ロビン・ウィリアムズ
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
そこは皇帝ペンギンの国、エンペラー帝国。彼らにとって何より大事なことは、自分だけの“心の歌”を見つけること。歌でハートを伝えられなければ、大人になった時に最愛の人に巡り逢うことは出来ないのだった。ところが、ノーマ・ジーンとメンフィスの間に生まれたマンブルは筋金入りの音痴で“心の歌”が歌えなかった。ハートを伝えようとすると、歌の代わりに誰にもマネの出来ない華麗でハッピーなステップを踏んでしまうのだ。長老たちは、そんなマンブルがエンペラー帝国に災いをもたらすと決めつけ追放処分にしてしまう。傷心のマンブルは、いつか必ず帰ってくると心に誓い、果てしのない冒険の旅に出るのだった。



コメント:
歌を『ドリーム・ガールズ』で楽しんだら、ダンスは『ハッピー フィート』で決まり!
とにかく何千羽のペンギンが同時に踊るシーンは圧巻。
これだけでもこの映画を観る価値はあるだろう。

だがストーリー的には正直いまいち。
ちょっと話の流れが脇にそれ過ぎたように感じた。
どうしても環境保護に繋げたかったのだろうが、最後はダンスを踊って人間が共感して終わりってのはあまりにあっさりしすぎている。
それにそこまでペンギンたちが餌に苦しんでいる様子も伺えなかったため、感情移入もしにくい展開だといえよう。
もう少し抑揚のあるお話だと更に楽しめたのかもしれない。

あとアカデミー賞の決め手はなんだったのかな?と少し疑問に思っている。
個人的には『カーズ』の方が断然楽しめたからだ。
歌や踊りは良かっただけに少々残念な作品だといえる。

『ワールド・トレード・センター』

2007年03月10日 00時33分54秒 | 映画レビュー
製作年度:2006年
上映時間:129分
監督:オリヴァー・ストーン
出演:ニコラス・ケイジ 、マイケル・ペーニャ 、マギー・ギレンホール 、マリア・ベロ 、スティーヴン・ドーフ 、ジェイ・ヘルナンデス
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
2001 年9月11日の早朝。いつものように家を出て署へと向かう港湾警察のジョン・マクローリン巡査部長。彼は署に着くと部下たちを集め“お互いを守り合い、事故のないように”と言葉をかけ、それぞれの現場へと送り出す。ところが間もなく、世界貿易センタービルの北棟に旅客機が激突する大惨事が発生、港湾警察官たちに緊急招集がかけられる。すぐさまマクローリンを班長とした救助チームが結成され、現場へと急行する。現場の惨状に言葉を失う彼らだったが、新人警官のヒメノを含む4人の警官が、マクローリンと共にビル内に入ることを志願する。しかし、彼らがビルに潜入した直後、大音響と共にビル全体が崩れ始めるのだった。



コメント:
9.11事件はちょうど僕が大学生の夏休みのときに起こったもので、実家のテレビに釘付けになったのを覚えている。
これは現実なのか?夢なのか?
本当に自分の目を疑うほど信じられない光景だった事件だ。
こんなに悲惨な事件が『ユナイテッド93』同様、まさかこんなにも早く映画化されるとは思っていなかったので、かなり驚きながらも鑑賞してみた。
生存者から話を聞いて製作したということもあり、かなり忠実に映像化されていたと思う。
また命の大切さ、愛する者の大切さを観客に強く訴えかけているのもわかった。

だがこの映画の気に食わないところ…というより危険だと思ったところは、完全に”アメリカ視点”で描かれてしまっているところだ。
9.11事件で攻撃されたアメリカはその後、躊躇することなくイラク戦争へと持ち込んだ。
「傷ついた国のため、犠牲者のため」という自分たちだけの考えで相手国に同様のことをしてしまったのだ。

本当に報復を願った人はどれくらいいるのだろうか?

本作は報復を願った人のために作られた映画に思えてしまったのだ。
あくまで自国だけがやられたということを前面主張し、イラク戦争に至ったことには全く触れていない。
正直、このやり方にはがっかりさせられた。
これで終わってしまっては、戦争を支持するだけの映画になってしまう。
所詮、犠牲者は戦争をするための言い訳に過ぎず命の大切は上っ面な考えなのだろう。
そう取らざるを得ない作品に仕上がってしまっているのだ。
途中までとても貴重な映画だと思っていただけにとても残念な終わり方だった。

この映画を観ていてふと思い出した映画が『パール・ハーバー』。
ご存知の通り、日本軍の真珠湾攻撃を題材にした映画だがこちらも完全に”アメリカ視点”で描かれている。
「日本軍が先に攻撃したから自分たちも攻撃してもいい」
というような、明らかに戦争を幇助する発言が散りばめられているのだ。
この映画にもがっかりさせられたことを覚えている。

アメリカは一体いつまでこのような映画を支持するのだろう?
事実に基づいた映画に何らかの脚色をしてしまうと、様々な捉え方ができてしまうということを製作者はもっと考えるべきだ。
この手の映画は見せるだけで大きな影響を与える。
なぜ最後に意味もないナレーションを入れてしまうのかが僕にとって謎なのである。

映画としてはとても心に響く作品なのでたくさんの人に観てもらいたい。
あとは観る人の捉え方次第でこの映画の価値が決まると言える。

『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』

2007年03月09日 13時05分17秒 | 映画レビュー
製作年度:2005年
上映時間:103分
監督:ジョン・マッデン
出演:グウィネス・パルトロー 、アンソニー・ホプキンス 、ジェイク・ギレンホール 、ホープ・デイヴィス 、ダニー・マッカーシー 、ロシャン・セス
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
父親譲りの天才的な数学の才能を持つ女性、キャサリン。その父ロバートは5年前から精神のバランスを崩してしまい、キャサリンはたった一人で看病を続けてきた。しかしキャサリンの願いも空しくロバートは一週間前に亡くなる。悲嘆に暮れるキャサリンのもとにロバートのかつての教え子、ハルが現われる。いつしか2人は恋に落ちる。そんな矢先、ハルはロバートのデスクから一冊のノートを見つけ出す。そこにはなんと、これまで誰も成し得なかったある定理の証明が記されていた。しかし、興奮するハルに対しキャサリンは、それは自分が書いたものだ、と思いがけない言葉を発するのだった…。



コメント:
デヴィッド・オーバーンのピュリッツァー賞受賞の舞台劇を映画化したヒューマンドラマ。

天才数学者の父を持ち、自らもその才能を受け継いだキャサリン。
天才と異常は紙一重だとはよく言うけれど、まさにキャサリンはそんな状態。
正常かと思いきやいきなり感情が高ぶって人当たりが悪くなる。
そんな情緒不安定な女性が主人公なだけに、正直あまり感情移入ができなかったというのが本音だ。
父親も精神のバランスを崩しているという設定なので、どれが本気でどれが冗談なのかよくわからないようなセリフが多かった気がする。
まあ”異常者”という設定を気にさえしなければ、それなりに良いことを言ってる気はするのだが・・・
配役が良かっただけに設定面が少々悔やまれる結果だった。

僕は基本的に数学が大嫌いで最初観るか観まいか迷ったが、別に数学のことで話が展開するわけではないので安心した(多少よくわからない数式が出てくるが気にしなくてもよい)。
一応、世紀の証明(プルーフ)を基に話が進んでいき、最終的には証明=人生というような感じに収まっている。
考え方次第ではとてもおもしろいストーリーだと言えよう。

ちょっと人生挫折したなぁという人にオススメの一本だ。

『グエムル -漢江の怪物-』

2007年03月08日 01時33分44秒 | 映画レビュー
製作年度:2006年
上映時間:120分
監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ 、ピョン・ヒボン 、パク・ヘイル 、ペ・ドゥナ 、コ・アソン 、イ・ジェウン
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
ソウルの中心を東西に貫く大きな河、漢江(ハンガン)。その河川敷で売店を営むパク一家は、家長のヒボン、長男カンドゥ、次男ナミル、長女ナムジュ、そして彼らの愛情を一心に受けるカンドゥの娘ヒョンソの5人家族。ある日、いつものように人々が河川敷でくつろいでいると、突然、正体不明の巨大な生き物が出現、驚異的なスピードで動き回り、逃げまどう人々を次々と食い殺し始めた。店番をしていたカンドゥも中学生になる一人娘ヒョンソの手を握り逃げ出すが、混乱の中で手が離れ、ついにヒョンソは怪物に連れ去られてしまうのだった。その後、政府はグエムルが感染者を死に至らしめるウィルスの宿主であると発表、カンドゥたちパク一家も強制的に隔離されてしまう。悲しみに暮れるパク一家だったが、そんな時、カンドゥの携帯に死んだと思われたヒョンソから助けを求める一本の電話が入る。カンドゥはいくら訴えても取り合おうとしない政府の協力を諦め、残された一家4人でヒョンソの救出に向かうのだったが…。



コメント:
僕にはこの映画の意図するものがわからない。
しかし”怪獣映画”というよりは”社会風刺映画”というイメージが強かったのは確かだろう。

一番印象が強いのは米国に対する皮肉に満ちている点だ。
例えばこの怪物は米軍基地からのホルムアルデヒド大量投棄(実際にあった事件らしい)が原因だったり、所々でいかにも米軍が出しゃばってるイメージを与えたりと、おそらく監督は反米感情があるのだと思わせる箇所が多々あった気がする。
また韓国の不況な経済、不安定な政治など国民の不安要素となる様々な問題を垣間見ることができる。

この映画はそういった社会的観点を”怪物”という恐怖の存在を利用して観客に訴えたかったのではないだろうか?

まあそういう背景を考えれば、真面目な映画にせずシニカルな映画にしたというのも頷ける。
だがそれを伝えたかっただけだとしたらちょっと怪物のCGにかけた金額が高すぎる点に疑問を感じてしまう。
やはり監督は”怪獣映画”を作りたかったのか?
本当に意図するものははっきりしないが、そんなにけなすほどの映画でもないと思った。

『告発の行方』

2007年03月07日 00時08分36秒 | 映画レビュー
製作年度:1988年
上映時間:110分
監督:ジョナサン・カプラン
出演:ジョディ・フォスター 、ケリー・マクギリス 、バーニー・コールソン 、レオ・ロッシ 、アン・ハーン 、カーメン・アルジェンツィアノ
オススメ度:★★★☆☆

ストーリー:
場末の酒場で起きた複数の男によるレイプ事件。勝ち目がないと言われながらも、裁判を引き受けた女性検事補は調査を開始するが、被害者の女性は酒に酔っており、被告側の男たちは和姦を主張していた。やがて原告がマリファナを服用していた事が発覚、裁判は絶対不利となっていく……。



コメント:
この映画について語ることはない。
観れば”レイプ”という犯罪がどれほど残酷で恐ろしいものかがわかるからだ。
レイプシーンはジョディ・フォスターの力演ということもあり、かなりリアルなものになっているので観るときはそれなりの覚悟が必要だろう。
とにかく目を塞ぎたくなるほど辛いものだ。

この映画の最後で次のような字幕が流れる。

「アメリカでレイプ事件は6分に1件発生
4件に1件は複数犯による犯行である」

この字幕には衝撃を覚えた。
こんな事件がこれほどまでに発生していることが信じられない。
これから観る人には、このような事件が現実に起こっているということを重く受け止めて観てもらいたい。
決して軽い気持ちで観てはならない映画である。