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英語、小学校で必修に

2006-03-27 23:10:58 | News
5年生または6年生から平均週1回程度、英語が必修化されることになりそうです。このニュースにはあきれてます。効果があるとはとうてい思えません。

日本人が英語が苦手な理由としては、次の3つが大きいと思うのです。

1. 母音がくっつく日本語の音になじんでいると、子音だけの英語の音が聞き取れない。また、母音にしても、日本語は口先言語なので、意識しなければ、口をある程度動かさないとできない音を作りだすことができない。
2. 日常生活で使うことなどないため、学校の授業だけでは練習時間が足りない
3. 中、高(そしておそらくは大学も・・・)の英語の先生のレベルが必ずしも高くない

小学校で週に1回程度授業をしてみたところで、この3つのどれ一つとして改善されるはずがありません。

1を改善するには、訓練を受けたネイティブが一人一人の生徒の側で実際に発音をやってみせて、個々にやらせるしかないでしょう。時に口の中に手をつっこむぐらいでなければ、日本語と音のだしかたが根本的にちがうんだ、ってことはわからないかもしれません。

2についていうと、なんとかなるレベルにするには、一日せめて2時間やらないとだめでしょう。1週間に14時間です。結局、本当に使いこなそうと思えば、条件反射で使えるようにしないといけないわけですから、それでも足らないかもしれません。週1回1時間では、やらないのとたいして変わらないのでは。

3の前提条件は、そんなことない、と言い切られる人は少ないと思います。では、それなりの訓練を受けた先生たちのレベルが十分に高くないというのであれば、小学校の先生たちが、ますます不安なレベルになるのはまちがいがないところ。導入前に研修などはあるでしょうが、それで追いつくのかしら。ネイティブと組ませるにしても、そのネイティブが教えることができる技能を身につけているかどうかという問題があります。わいわい、とやるだけで終わってはたいして意味がないのでないかしら。それでいい、というカリキュラムや目標レベルにするなら別ですけどね。

そりゃ、北欧のように小学校から英語を教えて、高校や大学を出た暁には、英語で仕事ができるレベルまでもっていってる国もありますよ。が、北欧では、英語を漫然と教えるんでなくて、英語で授業をしてしまっているといいます。先生の質がちがうんです。それに、北欧は自国市場が小さいので、外で道を切り開いていくしかない、そのための武器として、英語を勉強するわけですから、それほどせっぱづまっていない日本とは、生徒のモチベーションもちがうんです。

どうも、文部省が新たな予算を確保して自分たちの首を守るために中央教育審議会を丸め込んだのではないかしら、という気がしてなりません 

効果のなさげな英語をやるぐらいなら、理数をもっとやるとか、日本語で本をたくさん読ませるとか、論理的な作文や議論の方法を教えるとか、効果的で実りも多そうなことはいっぱいあると思うんですけどね。


英語、小学校で必修に・中教審専門部会が提言


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
語学産業が… (rm)
2006-03-28 23:07:18
ますます華やかになりそうですね。このニュースの感じだと。低年齢化がすすんでダブルスクールも増加、優秀な子供は、どんどん海外に流出するのかもしれません。

小学校の英語枠ふやすよりも、中高の英語教育の質を高めるほうが先のような気がしませんか??
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中高の英語教育 (lyca)
2006-03-29 22:15:07
学校の授業よりダブルスクールのほうが役立つってことになりかねないじゃないですか。このニュースのかんじだと。それならいっそのこと、放課後に毎日でも習える公立の英語学校を作って、希望者が安い費用/出世払いでいけるようにしたほうがいいのではないかという気さえします。



優秀な子供の海外流出といえば、小学校の頃から子供を留学させている知り合いがいて、はじめて聞いたときはびっくりしました。今ではそれも一つのやり方だなあ、と思ってみてます。



 はい、小学校の英語教育うんぬんを議論するより先に、中高の質を高めるほうが大切ですね。カリキュラムの問題もあるし、先生の全体的なレベル差も大きいですからね...教えるのも上手なら、本人の実力もある先生もいらっしゃいますが、とくに公立では、そういう先生にあたるのは運次第です。それは問題ではないかしら。
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