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鎌倉三代記

2007-08-04 22:22:42 | Weblog
二部、三部を見ました。二部が鎌倉三代記と釣女、三部が契情倭荘子と伊勢音頭恋寝刃です。

鎌倉三代記は十段もある長い演目ですが、現在上演されるのは三姫の一人、時姫が登場する絹川村の段なのだそうです。今日やったのは入墨の段と絹川村の段。話は結構ややこしいです。大阪の夏の陣を下書きに、時代は鎌倉に移して作っているということじたいがまずややこしい。文楽や歌舞伎ではよくあることですが...

鎌倉の北条時政は源実朝を支援し、京都の源頼家を攻め滅ぼそうとしています。それを阻止しようと奮戦するのが頼家の軍師の佐々木高綱。その高綱らしき男 藤三(とうざ)が捕らえられ、時政の前に連れ出されます。やはり捕らえられていた高綱の妻・篝火(かがりび)は、男は自分の夫だと断定しますが、別の女(おくる)が自分の夫であると断言したため、藤三は釈放されます。ただし、 二度と高綱とまちがえらえないように男の顔に刺青をします。その際、娘の時姫が頼家の家臣の三浦之助を慕って鎌倉を抜け出し、三浦之助の病気の母親の看病をしたまま帰ってこようとしません。藤三は時姫を連れ戻すといいだします。時政は時姫が無事にもどってきたら、藤三を娘の夫とすると約束し、藤三を武士に召抱えて使いにだします。ここまでが入墨の段。

次の絹川村の段に休憩もなくはいったのですが、この段はたいへん長大でした。二時間あまりかかって、でてきた太夫も松香太夫、英太夫、十九太夫、綱太夫の計4人。切り場が二人もでてくるという豪華な顔ぶれ。みんな特徴がちがうのでおもしろい組み合わせでした。筋書きも変化に富んでます。まずは、村の素朴でおかしな人々と病の三浦之助の母親のやりとりから、鎌倉より時姫を迎えに来た局二人が登場して緊迫感が生まれる「局使者」。

次に時姫が登場する「米洗い」。時姫は不思議な見せ場を持つキャラでして、赤姫らしく赤の豪華な振袖に花簪がつき、お付きの武士が大きな日傘をさし、後を付き従うのはまことに姫らしい。なのになぜか姉さん頭でたすきがけ。手には豆腐に小半とちぐはぐ。夫とその母に尽くそうと、迎えの局をおっとりよくはねつける姿は気品があり、またいじらしいのですが、家事はさっぱり。擂り粉木は使えないし、水を汲んで米を洗うこともできませんみかねた近所の女房おらちが、片袖脱いで(胸を丸出しにするわけ。見ようによってはセクシーなのかしら。いや、すごいかっこうで笑えます)てきぱき手伝うありさま。このあたり、軽妙さがあってなかなか楽しい場面です。

その後の「三浦之助別れ」では、手負いの三浦之助が登場し、急に緊迫感がでてきます。長くなるので続きはまた。

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