声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

ラブレター

2014-07-09 07:39:36 | 最近の話題
昨日のニュースで、川端康成が帝大生時代に書いたラブレターが見つかった…
という話題が取り上げられていました。

ラブレターって、ああなんと懐かしい響きでしょう!


ビクター・ヤング作曲の
「Love Letters」は名曲ですが、

ラブレターも名文であれば、
著名な作家が亡くなった後で日の目を見ることもあるワケです。

そういえば私も少女の頃はラブレターを夜通し書いては消し、消しては書いたものです。

朝読むと、それはとんでもなく滑稽な文章で…恥ずかしくなって出すのをやめたことが何度あったか…。
今のようなメールのやり取りではありえませんね。


康成氏が亡くなった時の事は今でも覚えていますが、

少女だった私は、
「ノーベル賞貰った人が、なんで?」

と母に訊いたものです。

その時の母の言葉も忘れません。

「老いて行く自分に嫌気がさしたのかも…」

文豪の自死は、当時とても大きく取り上げられました。


その川端康成が若かりし頃、知り合った少女との手紙のやり取りは
とても純粋な言葉で綴られていたようです。

ニュースでは、それが
「伊豆の踊子」をはじめとする川端文学の原点になった、とも伝えていました。

驚いたのは、川端康成の手紙以上に当時十代半ばだった少女の手紙に綴られた言葉です。

文字は稚拙な印象でしたが、言葉がとにかく美しい…。

まるで、文学作品を読んでいるかのような美しい日本語で綴られていたのです。

感動しました。



折しも、7月のFMぐんま朗読講座のテーマは「伊豆の踊子」。

久しぶりに純文学の言葉の美しさを味わってみましょう…。




清水由美 

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アナと白魚の指

2014-07-06 21:39:06 | 音楽
本日のアナ・ヴィドヴィチのギターコンサートでの

アンコールの一曲目は予想通り「禁じられた遊び」でした。

二曲目の武満徹アレンジの「イェスタディ」も素敵でした。

一部のラストはお馴染みの
「アルハンブラの思い出」でしたが、本当に絵になるギタリストです。


クロアチア出身の美しいギタリストの
Liveは、

前評判に違わず、ノイズを伴わない繊細で明瞭な音色と、

高度なテクニックに裏付けされたさりげなくも気負いの無い演奏が

雑音に慣れた私の耳を、すっかり癒してくれました。

ステージ上のアナ・ヴォドヴィチは、
亜麻色の髪と、背中が大きくあいたオレンジ色のドレスがよくお似合いで、見た目も、とってもチャーミング…

セッティングはピアノの椅子が置かれているだけというシンプルなもので、マイクもありません。まさに生音のみです。

そんなシンプルなステージの前から4番目の中央の席に座っている夫と私が、

咳払いも憚られるほどの緊張感を持って最後まで聴くことができたのは、

彼女が途中の休憩時間以外は、
ずっと出突っ張りで、

曲ごとにチューニングをしながら次の曲に備えるときのイメージ作りをする表情までもが見えたからでしょう。


帰り際、CD購入者にサインと握手をしているアナを間近で見ましたが、

ステージの上で大きく見えた彼女は、実際には身長が160cmに満たないほど小柄で、とても驚きました。

一流のプレイヤーはステージに立つと大きく見えるものですが

彼女もまさに、そのようです。

それにしても、
あれだけ粒の揃った滑らかなアルペジオと、
ほとんど触っていないのでは?と思えるほどピュアなピチカートを奏でる指って、どんなにしっかりした指なのかしら?


並んだ甲斐あって握手をして貰った
夫に訊けば、

アナの指は、とても細くて白魚のような指だったそうです。









清水由美 

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滑舌レッスン

2014-07-05 20:19:47 | ナレーション ボイストレーニング
友人から頂いたくだもの…。

せっかくですから、食べる前に
きちんと発音できているかを確認しましょう。





はい、では三回続けて繰り返しましょう、

スモモもモモもモモのうち
モモもスモモもモモのうち



続いては、口が横開きだと上手く発音できないくだもの…。

鼻が詰まっているときは、言いづらいですね。




はい、ではこちらも三回続けて繰り返しましょう。



戸棚にはバナナなども並べられている




うまく言えましたか?


今日の滑舌レッスンを終わります。


清水由美 






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躾か暴力か

2014-07-01 05:34:31 | Diary
実は昨日の夕方のこと、

16時すぎの、まださほど混雑していない京浜東北線の車内でショッキングな光景を観てしまいました。

小学4、5年生くらいの男児を連れた40代半ばくらいの父親らしい?男性が、

車内で度々、笑い声のような奇声を発する男児の、襟首をつかんだかと思うと、

突然、ものすごい力で男児を座席のシートから、車内の通路に引っ張り出して

何かを制止するように男児の手を掴みながら、
無言のまま睨みつけているのです。

男児は泣きそうな顔をして、何かを懇願するように父親を見ていましたが、

私を含め周り中の乗客は、その様子をただ呆然と眺めているしかなく…、

一体何が起こったのか理解できないままでした。

その直後、下車した親子は電車が出発するまで、しばらくホームに立っていたようでしたが…。

親子が降りた後の車内には重苦しい空気が残っていました。

男児が笑い声を発しながら、
その前に何をやっていたのかを見ていない私には、

なぜ父親らしい男性が大衆の面前で、そんな行動に出たのか全く理解できないのです。

男児に知的障害があったとしても
傍目から見てやりすぎではないか?と思えるほどの行動に、

周り中の乗客は恐怖を感じていたはずです。

現に私の目の前の20代の女性は両手で顔を覆っていました。

隣の年配の男性も強張った表情でその一部始終を凝視していました。

私も恐らく、突然の父親の行動を睨みつけるように見ていたはず…


でも、誰も声をかけられなかった…抑止できなかったのです。

あれは、父親の知的障害がある息子への躾けだったのでしょうか。

もし、叩くというような明らかな暴力行為があれば、必ず誰かが止めたと思うのです。

でも、物凄い力で引っ張って子供を立たせて手を掴んだ…
しかも罵倒するような言葉もなく無言のままで…。

それだけの事で、果たして暴力と言えるだろうか…と。

ましてや
それが今後、男児が1人で電車に乗って学校に通うための躾けだとしたら…。

いろいろな事を考えさせられる出来事でした。

もし、このような光景に遭遇した場合、

あなたなら、どうしますか?

清水由美 

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