声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

永い言い訳

2017-12-28 10:56:32 | 映画・ドラマ
公式サイトには

“妻が死んで、一滴も涙を流せない男の、ラブストーリー”

とあったけれど、
これ…って、ラブストーリーと言えるのかな?

私には、全くそうは思えなかった…。



突然、妻がバス事故で亡くなっても悲しみを感じない夫と

妻を失くして号泣する父親と
母を失っても泣けない子供たちが出会う。


身内を喪った感情を表現するのは難しいが

映画自体は、是枝監督のスタイルとよく似ていて

主演の本木雅弘や子役たちの演技も自然体で好感が持てた。
特に女の子の演技がとてもいい…。


前半は、予想どおりの展開で、

本木雅弘演じる嫌味な夫の、
深津絵里演じる妻に対する態度には、

愛情の微塵も感じられないどころか、観ている側にも不快感を与える。

その嫌味な夫は、

何をするにも自意識過剰で世間の評判ばかりを気にする。

ネットで自身の評判をキーワード検索している場面は滑稽で、いかにも…という感じだ。


その男が、何を思ったのか、

妻と同じバス事故で一緒に亡くなった友人女性の夫に子守を申し出る。

一見、美談ではあるが
この時点では、偽善的な行為としか思えない。

この設定も、かなり無理があるが、

作家である主人公が、
次回作の取材を兼ねて…という事なら全くありえない訳ではないだろうと思わせる。

ただ、本木雅弘の子役たちに対する演技は、さすが実生活でも父親だけのことはある…

と、思わせるほど自然だ。

…が、

どうしても納得できないシーンもある。


主人公が亡き妻との間に子供を作らなかった理由について…を話すシーン、

5歳の女の子の誕生会で、
しかも、台所の小さなテーブルの上で鍋を囲むアットホームな雰囲気の中で、

いくら酔っていたからと言って、そんな話をするだろうか?

このシーンは、良識のある通常の大人の男ではありえないと思う。

それほど主人公がKYなヤツだということを言いたかったのだろうか?

作家とは、常識と非常識の両面性を持つということなのだろうか?


最後は妻の遺品を段ボールに片付けるシーンで終わるが、

つぎに行くためには、
遺品整理で心の切り替えをする…というのも、ありきたりだ。

何を描きたかったのか…
残念ながら私にはイマイチよくわからなかった。😓


木村多江さんが、声のみで出演している部分がどこかを探すのも面白いかも…。


なので、☆は3つ。


今年もスキーシーズン到来、

軽井沢のバス事故から、まもなく2年…

バスツアーの安全な運行を祈ろう。


しみずゆみ

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