声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

2019-03-29 09:30:14 | Diary
「夢のような時間でした!」


「楽しみにしています!また来てくださいね!」

…と、

わざわざ礼を言いに来てくださった高齢女性たちは、

いつも前の方の席で、ニコニコ笑いながら参加してくださる方だった。


昨日は、月に一度の

市内の老人ホームへの訪問ボランティア。


“レクリエーション”の時間に

全員でうたう歌やクイズ大会などをトークを交えながら、

同じ敷地内の二箇所の施設で10時と11時、


それぞれ約45分間、演奏パフォーマンスをやっている。


“季節の歌”を中心にプログラムを組んでいるので

この時期は、春の歌が中心になる。


その中でも、


滝廉太郎の『花』は、欠かせないナンバーだ。



帰って来てから


何が
「夢のような時間」だったのだろう…

と考えた。


もしかしたら、

武島羽衣の情景描写に富んだ美しい歌詞を取り上げながら

隅田川の花見風景の話をした時だったかもしれない…



身体が思うように動かなくなった高齢者たちは、
外出する機会が少ない。


そこで、イマジネーションや過去の体験を呼び覚ますようなネタが必要になる…


1番、

『春のうららの 隅田川
のぼりくだりの 船人が
櫂のしづくも 花と散る
ながめを何に たとふべき』


…で隅田川の川船を思い浮かべてもらうよう

以前、体験した隅田川クルーズの話なんぞをペラペラと喋る


2番、

『見ずやあけぼの 露浴びて
われにもの言ふ 桜木を
見ずや夕ぐれ 手をのべて
われさしまねく 青柳を』


…ここでは、美しい朝の風景を思い浮かべ、そよ風に青柳がゆらゆらと気持ちよさそに揺れている情景を想像してもらう


そして3番、

『錦おりなす 長堤に
くるればのぼる おぼろ月
げに一刻も 千金のながめを何に たとふべき』


…なんといっても、

ここが一番素晴らしい


朧月夜と夜桜のコラボである

“げに一刻も千金の”ながめを想像してもらう


歌う時も、

この部分は、
さらっと歌うのがもったいない場面でもある。


そこで、


🎶 な〜がめを な〜に〜に〜〜〜

は、

息が続く限り、

思いっきりのばし、


そして

たっぷり息継ぎをした後で


♫ た〜とう〜べき


…と、決然と歌い切りましょう!

と呼びかける。


言葉だけでは通じない場合もあるので

まずは私が歌って、大げさに演ってみせる。



お年寄りたちはビックリしながらも

その表情は一気に明るくなる…


三回くらい部分練習して、

最後に「花」を1、2、3番まで通して歌う。


終わる頃には、

参加者の顔色もすっかり良くなり、表情も明るくなる

「元気になりました!」

といってもらえれば狙いどおりだ。


もちろん、
車椅子で寝たきりの参加者もいるので

全員が唄えるわけでないが、

声は聞こえているはずだと思っている。


大事なのは、お花見に行った気分になってもらうことだ。


月に一度のことだけれど


「夢のような時間」

と言ってくださったことが


なにより嬉しい…









この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« イチローさん引退 | トップ | ポイントは“達成感” »
最新の画像もっと見る