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若く美しい将来を期待されるバレリーナが、
役作りに没頭しようとすればする程、
心を病んでいく…
現実と妄想の狭間で苦しむ、哀しくて残酷なストーリー…
観続けるのに勇気の要る映画だな…と途中から思いました。
長男が以前、
「ブラック・スワンは、精神状態が安定している時にみたほうがいいよ」
と言っていた理由が、よくわかります。
真面目で、何事にも真剣に取り組もうとする
美しいバレリーナ役を
ナタリー・ポートマンが演じていますが、
まさに体を張った演技で、
母親役のバーバラ・ハーシーや
先輩バレリーナ役のウィノナ・ライダーら、
ベテラン女優の存在がかすんでしまう程です。
何かに没頭すると周りが見えなくなったり、
自分を客観視する事ができなくなったり…
それが芸術であろうとスポーツであろうと
深めようとすればする程、
心を強く持っていないと、自分自身を見失ってしまう…
若くて未熟で繊細な人ほど、きっとこの映画の主人公のように
役の重圧に押し潰され、病んでしまうのかもしれない…。
それにしてもバレエって、
恐ろしく過酷で美しい芸術なのですね…。
(~_~;)
この映画を観ていると、
その過酷なレッスンのシーン…
特にオデット役の、盛んに腕をしならせて白鳥の羽根の動きを表現するシーンに
ふと…
なぜ、
チャイコフスキーは『白鳥の湖』を作ったのだろう…。
そして振付師は、
なぜ、こんな苦しいことを…
高度な表現を、
バレリーナに要求するのだろう、
…という、単純な疑問が湧いてきました。
なぜ、
人間が白鳥のマネをしなくてはいけないのか⁉︎
それを我々は、なぜ美しいと感じるのか…
黒鳥(オデール)に至っては、
32回ものフェッテ(連続回転)なんて、
とんでもない!
ホンモノの黒鳥だって32回転なんて、しないだろうに…。
途中で、主役を演じるポートマンの足の指先が腫れたり、
「腹筋が萎縮している」と言われて、
トレーナーにマッサージしてもらうシーンがありますが、
痛々しくて、観ているこっちまで苦しくなってきます。
ああ、しんどい…。
まったく、しんどい映画だわ。
(~_~;)
しみずゆみ 🍫
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