「どんなに健康的な食事をして、どんなに病気にならないように気をつけていても
社会的な関わりがなくなると早死にするらしい」
夕食の後で唐突に夫は言う。
確かに、
スローライフと格好つけてはいるが
人口密度の低いこの地域では、
いずれ社会からの孤立を覚悟しなくてはならない。
夫は今回も私の留守中あれこれ考えたようだ。
冒頭の話は最近、読んだ本に書いてあったらしく、
この前とは逆で、
今回は私の方が先に居なくなるのが前提になっているらしい。
こんなときの私はテキトーである。
先のことを考えるより、
「今日無事に過ごせた、明日も元気に過ごせるといいな」と考えるスペイン人的思考の私には正直、この手の話は面倒くさい。
…が、
一応聞くフリはする。
「オレは自分が残った時に、どうしたらいいのかなぁ」
と夫がボヤく。
「それなら、自治会長をやれば?」
と、思いつきで提案する。
「そうすれば、地域の人との繋がりができるよ。だけど、ヨボヨボになってからじゃ遅い。動けるうちに役を担っておかないとね」
と、えらそうに言うと、
夫は、
「そうだなぁ」と、いきなり真顔になる。
冗談のつもりで言っているのに。
(マジかよ、そんなに早く殺すなよ)
と内心では思う。
そうは言っても、
夫の親戚には、妻に先立たれると、1、2年後に亡くなるオジサン達が多い。
愛妻家であるのに加えて、定年後の生活が大きく影響しているのは事実だ。
愛妻家云々は当てはまらないにしても、
数年後に仕事を辞めると言っている夫の場合、
その先の人生を考えるのは、当然と言えば当然だ。
が、しかし…
私にとっての目下の関心事は、
Halと白雪ちゃんの共存である。
Halはこの土日、
今まで以上に甘えてくる。
白雪ちゃんも私を見つけると身体をすり寄せてくる。
犬と猫の仲良し動画を見ると不可能ではなさそうだが、
今のところのHalの様子では難しい。
どうしたら良いのか…。
悩む毎日である。
(ー ー;)