声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

5分前精神

2012-12-18 22:05:59 | 自衛官時代の想い出
朝霞駐屯地での訓練期間中に
教え込まれるのは、まず時間の管理です。

なにより自衛官は機敏でなければいけません。
何事も5分前精神で時間に遅れることはタブーなのです。

そのうえ、

『ハヤメシ、ハヤブロ、ハヤ◯◯』

という、言葉もあって
教練の後は座学、食事や入浴、トイレの時間なども決められた時間内で終えなければなりません。

団体行動が基本ですので、
移動も列を組んで

「イチッ!イチッ!イチニッ!」

と掛け声をかけながら、目的地まで
歩いたり駆け足をしたりします。

入隊してしばらくすると、
訓練でがんじがらめの生活に嫌気がさしてくることも多いのですが、

そんな中で唯一の楽しみは、
外出許可を貰って外の世界
(自衛官はシャバと呼んでいました)に出る事です。

ただし、門限は10時。
当然、10時5分前までには必ず
帰っていなければならないという事ですが、
私も一度だけ、ギリギリ滑り込み
セーフという時がありました。

新隊員の外出許可は
入隊後一ヶ月くらい経ってからだったでしょうか…。

その際も、もちろん単独行動は禁止です。

私の初めての外出は同じ班のT子と
一緒でした。

群馬出身のT子は父親が校長という
厳格な家庭に育ったというだけあって
あまり自己主張をするタイプでもなく

何を思って自衛官になったのか詳しくは聞かなかったのですが
見るからにお嬢様タイプ、

顔が小さく背が高くて手足が長いスラリとした八頭身美人のうえに
目が切れ長で口が小さく、お雛様のような品のある顔立ちをしていました。

彼女と連れ立って歩くと、
若い男子隊員は必ず彼女のほうを振り向くほどです。

あるとき、そのT子と駐屯地の中にあるPX(売店)で買い物をしていると

一人の幹部候補生が近づいてきて
彼女に手紙らしきものを渡した事がありました。

どうやら、「付き合ってください」
と書いてあったらしいのですが、

その彼とのデートがT子にとっては
初めての外出で、単独行動禁止のため
外出申請書の同行者の欄に私の名前を書かせほしいとのこと、

池袋まで一緒に行くことになったのですが、私にとっても、その時が初めての外出でした。

朝霞駐屯地からだと、和光市や成増まで行って東武東上線に乗ればあっという間に池袋なのですが、

行はT子と一緒でも、
帰りは別々…。
おノボリさんの私は、帰りの電車を
乗り間違えてしまったのでした。(~_~;)




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