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12月20日(月)クニマスは生きていた

2010-12-20 13:54:35 | ★③(は)お父さんの閑話365日(転載)
12月20日(月)クニマスは生きていた

今年の国内10大ニュースを選ぶとしたら、最近富士五湖の一つ・西湖(さいこ)で見つかったクニマスも候補の一つだと思う。何しろ絶滅したと思われていた田沢湖固有の魚が70年ぶりに生きていることが確認されたのだから意義は大きい。

クニマスが田沢湖から姿を消したのは発電と農業用水確保のために玉川の毒性が強い水を導入したためだった。この水が流入する以前に10万個の卵を西湖に放流したのが幸いし、その子孫が生き残っていたのである。水質が改善された田沢湖ではクニマスの里帰りも検討するそうだ。

もちろん現物は観たことがないけれども、テレビで紹介されたクニマスは全体に黒ずんだ色で地元ではクロマスと呼んでいるそうだ。ヒメマスに似た体形の魚であるが、産卵時期や鰓の形などが異なり、まったく別の魚だと言う。禁猟区を設けて保護に努めるのは結構だが、釣りを制限するばかりでなく積極的に増やして田沢湖に戻すことを考えてもらいたい。

人間が自然環境を変えることによってよって、過去に多くの哺乳類、鳥類、魚類が絶滅した。今でも絶滅の危機に曝されている生き物がたくさんいる。地球は多様な動植物で構成される運命共同体だから、現在生きている人間はなるべく多くの生物を後世に伝える義務を負っている。

一度居なくなった生物を復活させるのは如何に難しいことなのか。佐渡島で行われているトキ復活作戦を観てもその困難さが分かる。野生のシカが各地の山林を食い荒らし、尾瀬の湿原にまで進出してしてきたのはニッポンオオカミが絶滅したためだという。だからオオカミを他所から導入してはどうかと言う意見もある。でも安易な導入は生態系に取り返しがつかない影響を与えることもあるから慎重に行わなければならない。ハブを退治するために沖縄に入れたマングースが絶滅危惧種・ヤンバルクイナを追い詰めている例もある。

クニマスの発見は嬉しいニュースであるが、同時に自然保護の難しさを改めて考えさせる話題でもあった。