※思いっきりネタバレ☆があるので、一応ご注意くださいねm(_ _)m
「ダークエルフ物語Ⅱ~異郷、アンダーダーク~」を読みました♪
今回も第1巻に続いて、とても面白かったです(^^)
この「ダークエルフ物語」の特色として、人間以外の種族が主な主人公であり、ほとんど人間が登場人物として出てこない……っていう面白さがあると思うんですけど、今回の第2巻では初めて人間が出てきましたね(笑)
~地下ノーム(スヴィルフネブリ)・ベルワーの人間観~(※本文より抜粋)
「聞いた話じゃ、とりわけ人間の魔導師は変人らしい。ドロウの魔導師は力を得るために訓練を積む。スヴィルフネブリの魔導師は石をよりよく知るために技を学ぶ。しかし人間の魔導師ってのはな」
あざけりもあらわな口調でつづける。
「石にかけて(マッガ・カマラ)、ダーク・エルフ。人間の魔導師ってのは、そういうのとはまるっきりちがうんだ!」
「じゃあ、人間の魔導師はなんのために魔法の技をみがくんですか」
ドリッズドがたずねると、ベルワーはかぶりをふった。
「どんな学者にもまだ理由はわかっちゃいないだろう」
ベルワーは大まじめにこたえた。
「奇妙で、危険なほど予測のつかない種族なんだ、人間ってのはな。放っておくにこしたことはない」
「会ったことがあるんですか」
「ほんの数人な」
地下ノームは思いだしたくもないとばかりに身ぶるいした。
「地上から来た商人だった。みにくいやつらで、いばりくさってた。やつらに言わせりゃ、世界がすべてやつらのためだけにあるらしい」
……まあ、確かによく考えてみたら、自分が人間以外の種族で、その視点から人間を見た場合、「あいつらおかしいよ☆」っていうのは、なんかわかる気がします(笑)
しかも、この人間の魔導師ってのが、ほんとにおかしな奴でww
ドリッズドは、この魔導師にフック・ホラーという魔物に姿を変えられた、磐小人クラッカーを元に戻してあげたいと思い、力を尽くしますが、恐ろしい魔物、フック・ホラーの自我に支配されたクラッカーは、魔導師のことを自分の手で殺してしまいます。
<蜘蛛の女王ルロス>の寵愛を失ったドリッズドの母親、マリスは、十年の間行方知れずの息子を暗黒世界(アンダーダーク)へ追ってくるわけですが、そのアンダーダークをともに彷徨うドリッズドの仲間というのが、このクラッカーと地下ノームのベルワー、それと召喚獣のグエンワイヴァーで。
まあ、なんといっても読んでて面白いのは、繰り返しになりますが、「人間がほとんど出てこない」っていうことでしょうか(笑)
にも関わらず「ダークエルフ物語」がストーリーとして面白いのは、バジリスク、マイコニッド(キノコ人)、死神鴉(ダイア・コービィ)、イリシッド(魂喰らい)……といった脇を飾る魔物の面々が魅力的だっていう点があるんじゃないかなって思ったり。
マリスは、不肖の息子、ドリッズドの命を<蜘蛛の女王ルロス>に捧げ、ルロスの寵愛を回復するために、アンダーダークに刺客を放ちます。でも、ドリッズドの姉ブリザ、兄のディニンはともに、その任務を遂行できず、マリスはルロスにジン=カルラを求めることに。
このジン=カルラによって、ドリッズドの死んだはずの父、ザクネイフィンが屍鬼(ゾンビ)として復活。
マリスの遠隔操作のようなものによって、ザクネイフィンはアンダーダークをどこまでも執拗にドリッズドを追ってきます。
最後、この親子対決はどうなるのかなって思ったんですけど……ザクネイフィンは一時的に自我を回復し、酸の池に自ら飛びこんで、息絶えるという結末
<蜘蛛の女王ルロス>にジン=カルラまでも与えてもらいながら、使命を遂行できなかったマリス及びドゥアーデン一家は支配下議会の頂点に立つベンレ家に滅ぼされることになるのでした。
けれど、そのことを知らないドリッズドは、自分の恐ろしい母親がこれからも追ってくるだろうと思い、今度はアンダーダークを抜け、地上世界へと向かうことにします。
物語自体は、ここで第三部に続く……といった感じなのですが、第2部の登場人物でわたしが一番好きだったのはクラッカーでしょうか。
フック・ホラーというのは、第1巻にも出てくる、大きな体の恐ろしい魔物なのですが、もともと善良な磐小人だったクラッカーは、フック・ホラーが持つ残虐な本能のようなものに侵食されていき、仲間のドリッズドやベルワーさえも殺しかねないということで、その前に自分を「こ、こ、殺して」とすら言っています。
けれども、故郷メンゾベランザンを出て、孤独な狩人として十年もの時を過ごしたドリッズドには、彼の気持ちが深く理解できるだけに、そうすることが出来ない……結局のところ、クラッカーはマリスの操り人形としてのザクネイフィンに殺されてしまうわけですが、ある意味主人公のドリッズド以上に、クラッカーは共感の持てるキャラでした
あとは、別名マインド・フレイヤー(魂喰らい)と呼ばれるイリシッドも全然別の意味で、魔物として魅力的だったと思いますww
物語として特に面白かったのは、ドリッズドとベルワーとクラッカーが、イリシッドの精神支配を受けて、彼らの洞窟で奴隷のように扱われているくだりだったかな~とも思ったり。
相手を洗脳できる能力を持つイリシッドに、どうやったら勝てるのかなあと思ったら、屍鬼(ゾンビ)としてすでに他の精神支配を受けないザクネイフィンは、バッサバッサとイリシッドたちを容赦なく倒していきます(笑)
1巻を読んだ時点で、地下ノームのベルワーは2巻で絶対ドリッズドの仲間になりそう……っていう予感は当たったんですけど、あの時点で命を助けるかわりに両手を切り落とされてるっていうのが気になってました
うん、もしわたしなら、両手を手首のところから切り落とされてたら、むしろいっそのこと殺してくれって思うと思う(^^;)
だから、そのことでベルワーがむしろドリッズドのことを恨んでないといいなあ……と思ってたんですけど、ふたりは親友となり、また2巻の最後のほうで別れることになるわけですけど、彼は本当にかけがえのないものをドリッズドに与えてくれた友だったと思います
地上がいかにおそろしい場所か、地上のエルフどもがいかに邪悪な存在か、ドリッズドはいわば洗脳教育みたいなものを受けてるわけですけど、これからきっと地上では、彼にとっての<心から本当に求めるもの>が存在してるんじゃないかなって思うと――最後の第三部を図書館から借りてきて読むのが、すごく楽しみです♪(^^)
それではまた~!!
「ダークエルフ物語Ⅱ~異郷、アンダーダーク~」を読みました♪
今回も第1巻に続いて、とても面白かったです(^^)
この「ダークエルフ物語」の特色として、人間以外の種族が主な主人公であり、ほとんど人間が登場人物として出てこない……っていう面白さがあると思うんですけど、今回の第2巻では初めて人間が出てきましたね(笑)
~地下ノーム(スヴィルフネブリ)・ベルワーの人間観~(※本文より抜粋)
「聞いた話じゃ、とりわけ人間の魔導師は変人らしい。ドロウの魔導師は力を得るために訓練を積む。スヴィルフネブリの魔導師は石をよりよく知るために技を学ぶ。しかし人間の魔導師ってのはな」
あざけりもあらわな口調でつづける。
「石にかけて(マッガ・カマラ)、ダーク・エルフ。人間の魔導師ってのは、そういうのとはまるっきりちがうんだ!」
「じゃあ、人間の魔導師はなんのために魔法の技をみがくんですか」
ドリッズドがたずねると、ベルワーはかぶりをふった。
「どんな学者にもまだ理由はわかっちゃいないだろう」
ベルワーは大まじめにこたえた。
「奇妙で、危険なほど予測のつかない種族なんだ、人間ってのはな。放っておくにこしたことはない」
「会ったことがあるんですか」
「ほんの数人な」
地下ノームは思いだしたくもないとばかりに身ぶるいした。
「地上から来た商人だった。みにくいやつらで、いばりくさってた。やつらに言わせりゃ、世界がすべてやつらのためだけにあるらしい」
……まあ、確かによく考えてみたら、自分が人間以外の種族で、その視点から人間を見た場合、「あいつらおかしいよ☆」っていうのは、なんかわかる気がします(笑)
しかも、この人間の魔導師ってのが、ほんとにおかしな奴でww
ドリッズドは、この魔導師にフック・ホラーという魔物に姿を変えられた、磐小人クラッカーを元に戻してあげたいと思い、力を尽くしますが、恐ろしい魔物、フック・ホラーの自我に支配されたクラッカーは、魔導師のことを自分の手で殺してしまいます。
<蜘蛛の女王ルロス>の寵愛を失ったドリッズドの母親、マリスは、十年の間行方知れずの息子を暗黒世界(アンダーダーク)へ追ってくるわけですが、そのアンダーダークをともに彷徨うドリッズドの仲間というのが、このクラッカーと地下ノームのベルワー、それと召喚獣のグエンワイヴァーで。
まあ、なんといっても読んでて面白いのは、繰り返しになりますが、「人間がほとんど出てこない」っていうことでしょうか(笑)
にも関わらず「ダークエルフ物語」がストーリーとして面白いのは、バジリスク、マイコニッド(キノコ人)、死神鴉(ダイア・コービィ)、イリシッド(魂喰らい)……といった脇を飾る魔物の面々が魅力的だっていう点があるんじゃないかなって思ったり。
マリスは、不肖の息子、ドリッズドの命を<蜘蛛の女王ルロス>に捧げ、ルロスの寵愛を回復するために、アンダーダークに刺客を放ちます。でも、ドリッズドの姉ブリザ、兄のディニンはともに、その任務を遂行できず、マリスはルロスにジン=カルラを求めることに。
このジン=カルラによって、ドリッズドの死んだはずの父、ザクネイフィンが屍鬼(ゾンビ)として復活。
マリスの遠隔操作のようなものによって、ザクネイフィンはアンダーダークをどこまでも執拗にドリッズドを追ってきます。
最後、この親子対決はどうなるのかなって思ったんですけど……ザクネイフィンは一時的に自我を回復し、酸の池に自ら飛びこんで、息絶えるという結末
<蜘蛛の女王ルロス>にジン=カルラまでも与えてもらいながら、使命を遂行できなかったマリス及びドゥアーデン一家は支配下議会の頂点に立つベンレ家に滅ぼされることになるのでした。
けれど、そのことを知らないドリッズドは、自分の恐ろしい母親がこれからも追ってくるだろうと思い、今度はアンダーダークを抜け、地上世界へと向かうことにします。
物語自体は、ここで第三部に続く……といった感じなのですが、第2部の登場人物でわたしが一番好きだったのはクラッカーでしょうか。
フック・ホラーというのは、第1巻にも出てくる、大きな体の恐ろしい魔物なのですが、もともと善良な磐小人だったクラッカーは、フック・ホラーが持つ残虐な本能のようなものに侵食されていき、仲間のドリッズドやベルワーさえも殺しかねないということで、その前に自分を「こ、こ、殺して」とすら言っています。
けれども、故郷メンゾベランザンを出て、孤独な狩人として十年もの時を過ごしたドリッズドには、彼の気持ちが深く理解できるだけに、そうすることが出来ない……結局のところ、クラッカーはマリスの操り人形としてのザクネイフィンに殺されてしまうわけですが、ある意味主人公のドリッズド以上に、クラッカーは共感の持てるキャラでした
あとは、別名マインド・フレイヤー(魂喰らい)と呼ばれるイリシッドも全然別の意味で、魔物として魅力的だったと思いますww
物語として特に面白かったのは、ドリッズドとベルワーとクラッカーが、イリシッドの精神支配を受けて、彼らの洞窟で奴隷のように扱われているくだりだったかな~とも思ったり。
相手を洗脳できる能力を持つイリシッドに、どうやったら勝てるのかなあと思ったら、屍鬼(ゾンビ)としてすでに他の精神支配を受けないザクネイフィンは、バッサバッサとイリシッドたちを容赦なく倒していきます(笑)
1巻を読んだ時点で、地下ノームのベルワーは2巻で絶対ドリッズドの仲間になりそう……っていう予感は当たったんですけど、あの時点で命を助けるかわりに両手を切り落とされてるっていうのが気になってました
うん、もしわたしなら、両手を手首のところから切り落とされてたら、むしろいっそのこと殺してくれって思うと思う(^^;)
だから、そのことでベルワーがむしろドリッズドのことを恨んでないといいなあ……と思ってたんですけど、ふたりは親友となり、また2巻の最後のほうで別れることになるわけですけど、彼は本当にかけがえのないものをドリッズドに与えてくれた友だったと思います
地上がいかにおそろしい場所か、地上のエルフどもがいかに邪悪な存在か、ドリッズドはいわば洗脳教育みたいなものを受けてるわけですけど、これからきっと地上では、彼にとっての<心から本当に求めるもの>が存在してるんじゃないかなって思うと――最後の第三部を図書館から借りてきて読むのが、すごく楽しみです♪(^^)
それではまた~!!
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