天使の図書館ブログ

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あとがきらしきもの☆-Ray of light-

2014-01-07 | 創作ノート
【ジュピターとセメレ】ギュスターヴ・モロー


 ギリシャ神話の本がどこいったかわかんないので、手っ取り早くウィキさんから引用したいと思いますm(_ _)m

 >>ゼウスは密かに人間の姿をとってセメレと交わり、セメレは身重となった。このことを聞きつけたヘラは、嫉妬心を燃やした。ヘラはセメレのかつての乳母であった老婆に身をやつし、セメレに近づいてこうそそのかした。
「あなたの交際相手は、本当は恐ろしい化物かもしれない。怪しいと思ったら、本当の身分を明かすように言いなさい」
 セメレはこの忠告に従い、ゼウスに「愛の証に私の願いを一つ聞いてほしい」と持ちかける。ゼウスが「ステュクス川に誓って必ず叶える」と約束すると、セメレはゼウスに真の姿を見せるよう迫った。雷火をまとった神の本性を現せば、生身の人間の体では耐えきれず、たちどころに焼け死んでしまう。
 ゼウスは約束したことを後悔したが、ステュクス川にかけた誓いは神といえど背けない絶対的なものであった。ゼウスは変身を解いたが、セメレはまばゆい灼熱の閃光に焼かれて絶命した(あるいは、正体を明かすように迫ったが、ゼウスがこれを聞き入れないので、セメレは本当の姿を示さない限り寝室に入ることを許さないようにし、ついに怒ったゼウスが雷光に包まれた真の姿を現し、セメレは雷光に当たって焼け死んでしまった、とする話もある)。


 わたしの中のイメージとしては、鹿沼玲子ちゃんっていうのはこのセメレのイメージです(^^;)

 Ray of lightの【5】あたりを読むと、マリエのユーレイか怨霊かって感じですけど(笑)、これでもまだわたし、そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないと思っていたり。

 というのも、「何かそういうものがいるのはわかるが、かといって彼らを定義することは出来ない」っていうのが、<詩神>と呼ばれる存在であろうとわたしも思ってるので

 なんにしても、ゼウスはこのセメレのことは一回きりで終わった女性とは違って、相当気に入ってたみたいですね。にも関わらず、この女性を結果として殺すことになってしまったというか……ヘラのやり口もかなり陰湿な感じです。というのも、ヘラってゼウスの目にもそれとわかる形で意地悪したりもしますけど、この場合は珍しく女性にだけ災難が降りかかったというより、ゼウスが自分で手を下したも同然なだけに……それだけ不倫の代償は大きかったということでしょうか(神が不倫とかいうあたりからして、ちょっとどうよって話・笑)

 ↑のウィキさんの文章だとちょっとわかりにくいかも、なんですけど、わたしが前に読んだギリシャ神話の本によると、ヘラが「あなたの恋人は本当の姿を隠している。その本当の姿を現して自分と愛しあえるかどうか、訊ねてごらんなさい」みたいに言ってた気がします。んで、「本当の姿を現して愛しあえないというのなら、それは偽りの愛だ」みたいなことを匂わせてたというか。

 つまり、ヘラにしてみれば、正妻の立場として「わたしは神である夫と、<本当の姿>で愛しあってるのよ。人間如きのおまえなどとは、そもそも格が違うわ」ということを言いたかったのかなという(^^;)

「どんなに寵愛を受けようとも、所詮おまえは人間じゃないの。そのことがわかってないからムカつくのよ」みたいな??

 まあ、このヘラの気持ちもめっちゃわかる気はするのですが、そんなふうに言われたらセメレのほうでも「ゼウスさま、あなたの本当のお姿を是非見せてください。そしてわたしと愛しあってください」ってなりますよね、当然……でもそのことが原因で彼女は死ぬことになったというか。

 このお話には後日談があって、ゼウスは死んだセメレの体内から胎児を取り出し、自分の太腿に縫いこんでのちに生んだそうです。そして生まれたのがディオニュソス。このディオちゃんはお母さん思いの子だったらしく、セメレのことを死者の国から甦らせたみたいですね。

 わたしがトップ絵のモローの絵を初めて見た時、このギリシャ神話のことを知らなかったので、まず第一印象で「なんて気味の悪い絵だろう」と思った記憶があります(相当昔の話☆)

 でもそのことを知ったあとにまた見たり、絵の解説などを読んだりすると、「なるほど~」と思ったり……まあこれは解説にそう書いてあったっていうんじゃなくて、モローは人間の理性や知恵・知識といったものが到底及ばない<神の超越性>の世界を描きたかったのかなあと思ったりしました。

<神>というのは、人間が理解できないという意味では、相当薄気味の悪い存在だという見方も出来、セメレが見ていたのはあくまでも人間による限定された「視覚を主とした総合的情報」によるゼウスだったのかな、というか。

 言い方を変えると、ヘラはいつでも夫のことを霊の目で見ており、これは人間にはそもそも直視不可能だっていうことですもんね。もちろん霊には質量なんてないと思いますけど(笑)、仮に人間の霊の質量が平均して1,000,000,000くらいだったとしたら、ゼウスのそれは計測不能の∞とか、そういうレベルの話なのかなっていう。

 どうでもいいような話が長くなりましたが(ほんとにな)、Ray of lightに関していえばそんなに複雑なこともなく、玲子ちゃんは自分がおつきあいしてる男の芸術分野における神性に初めて触れたっていうんですかね。そういうものに触れて戸惑ったのかなって思います。これは要にしてみれば、「もう少し理解してくれていると思ったが」ということだったかもしれないし、それ以前の問題として「彼女に対して何も感じられなくなった」っていうのは、要自身にもどうしようもないことだったのかなあ……なんて(^^;)

 一応要の弁明もさせてもらうと、太陽と月~の中にも出てくるとおり、例の事件が起きてみるまでは、要も玲子ちゃんのことは相当真面目に考えてたと思います。たとえば、ミキたんが「わたし、結婚することにしたの」と言った時とは違って、「何故僕以外の男と?」くらいのことは絶対言っただろうなっていう。

 んで、それが「要さん、わたしお見合いすることにしたの」っていうようなことであったとしたら、彼女が去っていくサインだと思って、間違いなく引き止めてたというか……でももう、「何も感じない」ようになってしまったら、それは彼自身にもどうすることも出来ないことだったというか

 お話的には「悲しい恋の終わり方」みたいな感じかなって思うんですけど、自分では書いていて「こういうのも嫌いじゃないなあ」というか、何かそんな感じだったかもしれません。

 恋のはじまり(そして終わり)

 絵文字で表記すると、こんな感じかも……というのは冗談で、玲子ちゃんほどのいい女なら、また……誰か……要ほどじゃなくても……きっと幸せに……と思います(^^;)

 もちろんわたしが玲子ちゃんだったら、最後の絵文字はじゃなくて、間違いなくだなっていうのもわかってるんですけど、基本的にわたしハッピーエンド志向な人間なもので、ほんの時々こうした「悲しく終わらざるをえない」ものを書けると、なんとなくちょっと「今回はいつもと違ったなあ☆」みたいに思って、しみじみしてしまうというか。。。

 なんにしても次の小説は病院がおもな舞台とはとても思えないタイトル、『動物たちの王国』です(真顔☆)

 それではまた~!!



【ユピテルとセメレ】ギュスターヴ・モロー





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