報道写真家から(2)

中司達也のブログ 『 報道写真家から 』 の続編です

レイナドにホルタ大統領襲撃の動機はない

2008年02月23日 11時25分37秒 | 東ティモール
2月16日付けのオーストラリアの日刊紙ザ・エイジ(The Age)のウェブ版が興味深い記事と写真を掲載している。

レイナドとラモス・ホルタ大統領は、秘密裏に非常に現実的で有益な話し合いを行っていたようだ。レイナドにとってホルタ大統領は、追跡生活を終わらせるための貴重な存在だった。ラモス・ホルタは、重武装のレイナドとの会合に、護衛もつけず、非武装で向かった。彼らには信頼関係があったと考えていいだろう。

その味方とも言えるラモス・ホルタ大統領を、レイナドが襲撃したり、誘拐したりする動機があるはずがない。

このエイジ紙の記事は、貴重な事実を報じてはいるものの、レイナド個人に対しては、若者のカルトヒーロー、パラノイア、被害妄想、不安症、威信喪失などとこき下ろしている。

この会見後のたった四週間で、レイナドの頭は理由もなくみごとに錯乱して、貴重な味方を銃撃するほどイカレテしまったという印象を、エイジ紙は与えたいのだろう。

誰の利益のために、誰の指図で、誰が、ラモス・ホルタ大統領とレイナド少佐を銃撃したかは、すでに東ティモール人のほとんどが知っている。
しかし、世界の主要メディアのほとんどは、いつものことだが、誰かに都合の悪い真実はみごとに遮断している。



キャプチャー画像 : THE AGE.com.auより
http://www.theage.com.au/news/world/ramos-horta-and-reinado-had-amnesty-deal/2008/02/15/1202760602680.html

(抄訳)
ラモス・ホルタとレイナド、恩赦の取引
これは、ラモス・ホルタが東ティモールの平和的な未来を保障した、と考えた瞬間である。東ティモールの起伏の多い山岳地帯にある古いポルトガルの城塞跡の階段に立ち、大統領は反乱軍リーダー、アルフレド・レイナドと笑顔で握手した。ここでの秘密会合において、二人は、5月20日の東ティモールの独立記念日に、レイナドの殺人と反乱の罪状を赦免する恩赦について協議した。そのあと、二人は上質のワインとヤギ、ラム、チキンが供される宴席にすわった。彼らは、高揚した気分で出発した。

この取引では、レイナドとその部下は恩赦前の裁判中は、ニュージーランド部隊に警備された自宅軟禁に置かれるという、合意がなされた。

ラモス・ホルタ氏は、非武装で、護衛を伴わず城塞へ行った。




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