歴史だより

東洋と西洋の歴史についてのエッセイ

≪一合桝の死活問題~『新・早わかり格言小事典』より≫

2021-08-30 17:31:48 | 囲碁の話
≪一合桝の死活問題~『新・早わかり格言小事典』より≫
(2021年8月30日)


【はじめに】


今回のブログでは、日本棋院から出版されている工藤紀夫編『新・早わかり格言小事典 役に立つ囲碁の法則』(日本棋院、1994年[2007年版])に見える「一合桝の死活問題」について解説してみたい。



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新 早わかり格言小事典―役に立つ囲碁の法則

さて、今回の執筆項目は次のようになる。


・はじめに
・一合桝わかれば五段格



 



一合桝わかれば五段格


・以前は「一合桝わかれば初段格」といったそうだ。
「初段」が希少なりし時代であったからだようだ。現在は「五段」に格上げされている。
要は、一合桝(の生死)がわかれば、あなたは相当にお強い、それほど一合桝はやっかいなシロモノだといっている。たしかに難ブツである。

ここでは、その変化の百分の一、千分の一も言いつくせないのを承知で、一合桝の上っ面だけを、そろっと通り過ぎてみようという。

「一合桝」について
次の4つのパターンを考えている。
☆【1図 一合桝の代表型】~この形にダメが空いたり、ハネが加わったり、マゲが加わったりする。
≪棋譜≫

棋譜再生


☆【2図 一合桝でダメがひとつ空いた場合】
≪棋譜≫

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☆【3図 一合桝でハネがひとつ加わった場合】
≪棋譜≫

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☆【4図 一合桝でカドが欠けた場合】
≪棋譜≫

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〇【1図の正解のひとつ】
≪棋譜≫

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・「2の二」の黒1以下7までのコウである。
・白2のツケが大切な手。

〇【1図の別解】
≪棋譜≫

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・黒1に白2のブツカリではご覧の死。
・白4で7も黒6、白4、黒5で四目ナカデ。

〇【2図の正解】
≪棋譜≫

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・2図は前々図でもコウ。
・この白2以下でもコウになる。
※ダメ空きの形では、前図の黒の攻めが成立しない。

〇【3図の正解】
≪棋譜≫

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・ハネのある3図も、白2以下なら同様のコウ。
・白2ではこのほか、4でも6でもコウになる。
※「一合桝はコウと知れ」というように、絶対ではないがコウになるケースが多い。

〇【4図の正解】
≪棋譜≫

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・カドの欠けた4図は黒1以下で死。
・白に生きる手段も、コウの粘りもない。
(ただし、下辺への白のハネ(5, 十九)があればコウ)

(工藤紀夫編『新・早わかり格言小事典 役に立つ囲碁の法則』日本棋院、1994年[2007年版]、31頁~32頁)

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