白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

R.I.P.4

2010-06-02 | 日常、思うこと
Kazuo Ohno - mother





よく、親に「お前は生まれる時代を間違えた」といわれた。
なるほど、息が苦しいから、確かにそうかもしれない。
それでも、生きるより他はない。
103歳での大往生とはいえ、96歳頃までは見事に踊ったのだ、
そう、観ようと思えば、観られたのだ。
タワーレコードのフリーマガジンがまだmuseeだったころ、
無数の花の絨毯のなかにいっそう気高く咲く大野一雄の姿が
掲載されていたのを思い出す。
1960年代、深更、吉祥寺の埴谷邸で土方巽が暴れていた頃、
このひとは、逆子のように眠っていたのではないかと思う。





5月から6月には、芽吹く季節に細胞が活性化するからか、
ひとがよく死ぬ。
鮮烈な陽光は眩くて、山肌を破って内側から蠢くような、
地の臓腑から湧くような新緑を照らしている。
こんなに美しくて、いやな季節はない。






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