白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

invoke

2006-05-30 | こころについて、思うこと
「夏幾日かを
 咲いている薔薇たちとともに生きて
 ひらいている彼女らのたましいの
 まわりにただようものを呼吸する。

 散っていくひとつひとつの花を
 心をうちあける伴侶となし
 散っていくこの姉妹に先立たれる
 それは ほかのどの花の中にももういない。」




「あの当時なら 吹く風が
 われらの愛の傷口から 
 静かな炎を奪い去ろうとすれば
 できたのだし
 われらの魂の中にまで 
 不安な時間の冷たい光が落ち込もうとすれば
 それもできた

 しかし今では われらはこんなに
 ますます高く密になるわれらの悲しみに守られて
 静謐な顔をして燃えている 
 ― 風からは防がれて。」

                  (リルケ)





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家の庭の薔薇を摘んで生けたものを
朝の光越しに撮りました。




死につつある花、あるいは死に気づかぬ花を
光は惨たらしいほどに美しく包むのですね。

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