白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

オーダースーツ仕様覚書

2008-11-05 | 日常、思うこと
テーラーに赴いて、スーツを作ってきた。





ややブラウンがかった、濃いチャコール・グレーをベースに、
幅2mm程の灰白色のチョーク・ストライプを2cm毎に配し、
そのあいだに、アクアマリンの滴を薄く垂らしこんだような
ステッチを織り込んだオルタネート・ストライプの生地、
DORMEUIL ICE super 120’s Made in England
ウール88%、モヘア8%、カシミア4%のフランネル。
本当はフォックス・ブラザースの重厚なフランネルでもって
あつらえる予定だったのだが、
実物を目にしてみると、どうにも重みに苦しみが滲んでいて、
これは違う、と思い、ドーメルに切り替えた次第。
それも、アマデウスというオーソドックスラインを外して、
フランス的な軽やかで斬新な配色の、一般向きとは言い難い
アイスというラインから選んだところが、今回の冒険。
これを、あえてトラディショナルに仕立てるという選択。





全体のシルエットは、肩をややタイトに直線的に成型し、
胸部の芯をやや張り出し気味にしつつ、やや高めの位置で
ウェストを絞った、ブリティッシュ・スタイル。
襟は通常のノッチ、シングルの2つボタン。
ジャケットの後ろは、腰の両側を切りこんだサイドベンツ、
正面のポケットは斜めに切れ込みを入れたハッキングタイプ、
右ポケット上に、チェンジポケット。





生地の外延には総ステッチをあしらい、袖口は本切羽、
4つのボタンを配し、
丈はやや短めのモダンブリティッシュスタイル、
裏地には、ワインレッドのキュプラを選び、
内ポケットの配置は通常仕様、
胸ポケットは台場仕立てとし、ネームを入れることとした。





パンツのポケットは、地面に対して鉛直に切り込んである
ストレートタイプ、
タックは、1つにして、尻側にあるビスポケットについては
標準仕様のふたのないもの、裾の折り返しはダブルとした。
最後に、全てのボタンを水牛の角で出来た艶入りのものとし、
肩のゆがみ、腕や脚の長さ、胸囲、胸から背中にかけての筋肉の
つき方、腰から臀部の肉付き、最も快適と感じる腰ベルトの位置、
これらの部分に留意した念入りな採寸を行い、終了。
自分の好みを的確かつ簡略に伝えること、別のところで作った
スーツの不満な点を伝えることをしておけば、まずは間違いなく
それなりに満足のできるスーツが出来上がる。





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12月の初めには仕立て上がってくるので、
アクアスキュータムのトレンチコートを購って
コーディネートをする予定。
大峡製鞄のダレスバッグも欲しいのだが、
この冬は、あきらめよう。
そうでなければ、かの音楽プロデューサーの道を
たどりかねない。





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