渡辺淳一の「何処へ」読んだ。この本は10年くらい前に買って途中まで読んで本棚の片隅に眠っていたけど、「七つの恋の物語」を再読したことで、存在を思い出し読んだ次第。
主人公の悠介は札幌で働く外科医だが、小説家を目指して上京。小説家として成長していく過程での女性遍歴がストーリーの柱。悠介は渡辺氏自身だね。自叙伝的な小説といえば、山本一力の「ワシントンハイツの風」読んだけど、「何処へ」も自叙伝的な小説。
舞台は昭和40年代でワープロ、パソコン、携帯も出てこないし、時々死語のような言葉もあるけど、あまり古さを感じない。昭和の懐かしさと男女の機微が感じられ、お薦めかも。
悠介氏、ちょっと女性に対して未練持ち過ぎ。振られたらあっさりと引き下がるのもなんだが、恋愛で押しと引きのタイミングは大事。振られて、男の勲章がまた増えたよ!と言うぐらいの余裕を見せるのが男の美学と思うけどな。「二兎を追うもの一兎も得ず」。これには同意。
銀座6~8丁目辺りを夕方ブラブラしてると、和服を装ったクラブのママ風の人、イブニングドレスのクラブホステス風の人が多く、独特の雰囲気がある。おそらく10年たっても20年経っても銀座は銀座なんだろうね。
長編小説です。今度、「化身」古本屋で探してみよかな。
Is it possible to love plural women at same time?