京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

蝋梅は毒の花

2022年01月24日 | 日々の暮らしの中で

   「ロウバイが
   咲きました」
   という書き出しで
   ふいに手紙を
   書きたくなりぬ
俵万智さんの“クロッカス”をロウバイに変えて、朝、知人に返信をしたためた。
ずいぶん前になるが、キャラメルの箱に入っていた縦5センチ、横6センチのカード。またHi-softを買ってみたくなりました。

この蝋梅は見上げるほどの高さになっていて、花が終わって大ぶりの楕円の葉が出そろった夏場は、それは見事にわさわさと葉擦れの音を立てる。木のものが多い我が家では、梅より一足早い春告げ花となる。
花弁の美しさはもとより、甘く重い香りの高さ。大好きな花だが、先日読み終えた『嵯峨野花譜』(葉室麟)で、「蝋梅は美しくともひそかに種子に毒を持つ、毒の花」と描かれていた。種子には毒があり、誤って食べると卒嘔暴瀉(そつおうぼうしゃ)するのだと『有毒草木図説』から引いている。

クロッカスに変えた花が蝋梅だったこと。季節の巡りに乗っただけなのに、毒のことを後になって思いだしシマッタ!とちょっとだけ思ったのでした。
物語は、不吉な予感通り…。

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4 コメント

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俵万智さん (Rei)
2022-01-26 14:12:25
「サラダ記念日」で知っていましたがただそれだけのことです。
今は沖縄にお住まいとか?
春告げ花>まんず咲くのマンサクもその一つですね。
我が家にもありますがまだまだ咲きそうにありません。
蠟梅>種子を食べる人はまずないでしょうが
毒があるとは。
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歌集、Reiさん (kei)
2022-01-26 17:03:42
つい先日、俵万智さんの歌集を穂村弘さんが「人生と言葉がリンクしている」と評された
ということを知って、ちょっと嬉しくなりました。
そうですね、Reiさんのお宅のマンサクの花、毎年拝見しております。「まんず咲く」花ですよね。

Reiさんが読まれた澤田ふじ子さんの未生流初代の物語は『天涯の花』ですね。探しています。
葉室さんは「僕、読ませてもらったよ」と瞳子さんにいわれたそうですよ。
その二代目が出てくるのが葉室さんの「嵯峨野花譜」です。
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なんとなんと~ (Rei)
2022-01-26 21:20:33
「嵯峨野花譜」書棚にありました!
少年僧の成長物語ですね。
「津軽双花」とともにすんでのところでアマゾンで買うところでした。
瞳子さんはまだ少ししか読んでいませんが
澤田ふじ子さんは文庫本主に50冊以上あります。
読みましたとは言えない忘れ方です。
夫が亡くなって間もなく「読み漁り」ました。
救われた恩人、澤田ふじ子さんです。
「天涯の花」は未生流を興した山村山碩のお話、
これまた忘れています。情けないです。
返信する
忘れるのもわかります、Reiさん (kei)
2022-01-26 22:17:48
Reiさんが「花僧」とおっしゃいましたのは、「天涯の花」ではありませんでしたか?
ご主人様亡きあと読み漁ったとお聞きしたこと、思い出します。
50冊以上とは、すごい!!のひと言です。

それほど前でなくても、忘れてしまっている作品があるくらいです。
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