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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 「言葉と出会う、文学と出会う」

2014年10月25日 | 講座・講演

芥川賞作家玄月氏と俳句グループ「船団」代表の坪内稔典氏とが対談。小説の言葉と俳句の言葉について考えるフォーラムがありました。

前半の講演で玄月氏は、「ストーリーを越えるものとして文体があり、オリジナルティに富む言葉の組み合わせの強度が小説を支える」と、語り口へのこだわりを披露されました。
坪内氏も玄月氏の著書『蔭の棲みか』より表現を取り出し、「言葉の組み合わせの破格の妙が言葉の強度になる」とお話でした。
俳句では、五七五のうち、七五を詠んだ後に頭の五文字にどんな言葉を置くか、句会で読者の意見を聞きながら決める作業も楽しいとお話。玄月氏は、そうした句作りに驚かれましたが、ひとり作業とは異なる俳句の世界のお話は興味深いことでした。

会場には頭にバンダナの同じ芥川賞作家、吉村萬壱氏がおいででした。とは言ってもまったく存知あげず、玄月氏のことも今回初めて知ったくらいですから、作品を読んだこともありません。吉村氏は玄月氏の「文章がいい」と…。
玄月氏は、「一日3、4枚書いては読み直し、推敲する。その先のエピソードなど念頭にはあってもストーリーをせっかちに展開してしまわないように自制して書き継ぐ」スタイルなのだそうです。「大阪人のせっかちな性格をしているのに、小説の書き方は違う、、どうしてだろうと言われます。
文章の書き方、句作りのいろいろなスタイル。言葉、文体、語り口の強度といったことは印象に残りましたが、対談の中で玄月氏が言われたことでは、よくわからない部分も多々あって…。

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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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しばらくです。keiさんへ (マーヤン)
2014-10-26 08:17:22
keiさんは何時も「文学に勤しむ」感心です。「肥る教養」といったとこですかね。私なんぞは五木寛之の「杖ことば」をネットで購入した後、最初少し齧り読みしてまかなか進みません。芥川賞作家玄月氏は勿論のこと知りませんが、坪内稔典氏の遊び心が豊かな俳句が好きです。「たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ」私には良く理解できませんが代表作のようです。

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「文学」、マーヤンさん (kei)
2014-10-26 17:11:59
肥えることができると嬉しいのですが~。

この日にみえた芥川賞作家お二人の作品を読むことはないだろうと思います。
いろいろ見聞きして、ふっといつか何かの折に気付かされることがあるかもしれませんから、
それを期待してということでしょうか。
幅広く文学に通じてらっしゃる坪内稔典氏。
だからこそ、俳句だけではなく近代文学のお話もとても楽しいです。



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言葉 (Rei)
2014-10-26 22:19:54
ここに登場されている方々はあまりなじみのない方ですが、
文章の書き方、句作りのいろいろ・・・>はとても関心あります。
亡夫が俳句を習っていたので、歳時記はじめ関連の本が何冊かあり
私も少し齧ったことありますが、
先生が添削で私のは説明調だなど言われて
嫌気がさして挫折しました。
俳句は削ぎの文学なのだそうです。

田辺聖子さんの本、ご紹介のはありませんでしたが
エッセー集と「おちくぼ姫」を買ってきました。
これは原典「落窪物語」の現代訳、千年も前のシンデレラストーリーとか、楽しみです。
きっかけを作ってくださってありがとうございました。
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きっかけに…、Reiさん (kei)
2014-10-27 09:08:28
芥川賞作家、いろいろな方がおられますね。
最近はこちらの受賞作を読むことがありませんが、玄月氏の作品もすでに絶版の物も多く、「売れる」のは大変そう…。
50歳以前の人たちが「文芸誌」を必要としなくなったら、純文学者もいなくなるなどと言ったお話も出ました。
原稿料稼ぎにもなるということですし。
ジャンルの異なるお二人に期待しましたが対談ではあまり深みも感じられず、ちょっと残念でした。

何かがきっかけになることはありますから、無駄ではありませんね。
田辺聖子さんの本は、店によるでしょうけれどブックオフでもかなりそろっています。


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むずかしい (ryo)
2014-10-27 15:51:17
こんにちは!
先生方の講演や対談となるとつい尻込み
してしまう私はkeiさんが積極的に参加されることに
尊敬いたします。
俳句は五七五の上五を後で考えたり、下五をあとで
考えたりとされるようですね。
有名な芭蕉の句、静かさや岩にしみいる蝉の声も
かなり長い時間を費やして下五を考えられた
らしいですね。
私なんか、先生から「この下五は、時間をかけて考え直しましょう」とかいわれても、そのまま放置して
しまうのです。やはり根気が要る作業です。
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心象を生かす言葉 (さんたろう)
2014-10-27 20:14:44
 私は小説とか文学とかにはあまり関心もありませんし素養もありません。
「オリジナルティに富む言葉の組み合わせが強度の小説を支える」そうなんだろうなとは思います。でもそんなことが本当に分かるほど文学の素養は私にはありません。

 それでも、昔私が20歳の時太宰治の「斜陽」に出会いその文体に心惹かれてのめり込んでしまった記憶があります。

 俳句って私にはあまり親しめない別な世界なんですけど、でもひとつの句は深い感動や心象から生まれたったひとつの詩だと思っていました。

 ひとつの下七五にいろんな言葉の上の五をつければ、それぞれにいろんな心象を表す句ができておもしろいなとは思います。でもそれはことばからいろんな心象が作られる遊びのような気がします。心象から句が生まれる写生とは違うよな気がします。

 俳句の世界って厳しい面とそんな楽しい遊びもあることを知りました。
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時間をかけて、ryoさん (kei)
2014-10-27 22:15:09
聞いてみたい、と単純に興味を抱くのですね。
坪内稔典氏のお話への関心が今回は大きかったです。

少し間をおいて推敲するとよいのでしょうね。
そのままに…、もわかるような(笑) 根気のいる頑張ってください~。

詩歌、俳句も「読める」ことが大事だと聞きます。
私は楽しませてもらっています。
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心象…、さんたろうさん (kei)
2014-10-27 22:39:40
句作について難しいことはわかりませんが、
季語や言葉の組み合わせ…、何を歌おう、表現しようとされているのかなとまずは拝見しています。
連想、幅広く読めるのは楽しいです。
よく読めるようになりたいなと思うのですが、貧困な想像力です。

上五(下五)にどんな語を置くか、句会で考えを出し合うのは遊びですか…。
わかりませんのですが、心に感じたままを言葉に、だけなのでしょうか。
難しいですね・・。おっしゃって下さったこと考えてみます。ありがとうございます。
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