中学3年生で初めて徳島の祖父母の家に行ったとき。
サイクリングが好きだったので、おばあちゃんのボロボロの自転車を借りて街中を抜け、川沿いを走った。まったく橋がない。終いにどこをどう走っているのかもわからなくなってしまった。
携帯もなかった時代。日も暮れかかる。
ぼろい自転車でうろうろしている少年をおまわりさんは呼び止めた。
「なにしてるの? 防犯登録を確かめさせてもらいますね。その自転車は誰の?」
「おばあちゃんのです」
「おばあちゃんの名前は?」

彼は祖母の名前を知らなかった。
「とめ、だったかなあ…。〇〇って苗字なんですけど」
おそらく家の住所も電話番号もそらんじてなどいやしなかったろう。
それでも連絡を得た祖母が迎えに来たそうな。
彼が言うに、今でもどうして迎えに来たのかわからない。
「へえ。おまわりさんに会えてよかったですね」と相方は笑う。彼女は二人の祖母の名前を言ってみせた。「エミコさんとチカコさん」
「新しいやん。そうか、とめ、なんて名前じゃなかったかもな」「人によるでしょ」
この返しもまた面白く・・・。
カーラジオで聞いていて、しばらく笑わせてもらった。
中学3年生にもなって、なんてあほな!
と思ったものだが、「徳島のおじいちゃん、おばあちゃん」なのだ。
同居でなければ祖父母の名前を知らないってことはあるかもしれないなと、今になって思い直している。

ぼそぼそ、ぶつぶつ、まったく自然体でのおしゃべりは、ホームカミングスという男女のグループだった。
サイクリングが好きだったので、おばあちゃんのボロボロの自転車を借りて街中を抜け、川沿いを走った。まったく橋がない。終いにどこをどう走っているのかもわからなくなってしまった。
携帯もなかった時代。日も暮れかかる。
ぼろい自転車でうろうろしている少年をおまわりさんは呼び止めた。
「なにしてるの? 防犯登録を確かめさせてもらいますね。その自転車は誰の?」
「おばあちゃんのです」
「おばあちゃんの名前は?」

彼は祖母の名前を知らなかった。
「とめ、だったかなあ…。〇〇って苗字なんですけど」
おそらく家の住所も電話番号もそらんじてなどいやしなかったろう。
それでも連絡を得た祖母が迎えに来たそうな。
彼が言うに、今でもどうして迎えに来たのかわからない。
「へえ。おまわりさんに会えてよかったですね」と相方は笑う。彼女は二人の祖母の名前を言ってみせた。「エミコさんとチカコさん」
「新しいやん。そうか、とめ、なんて名前じゃなかったかもな」「人によるでしょ」
この返しもまた面白く・・・。
カーラジオで聞いていて、しばらく笑わせてもらった。
中学3年生にもなって、なんてあほな!
と思ったものだが、「徳島のおじいちゃん、おばあちゃん」なのだ。
同居でなければ祖父母の名前を知らないってことはあるかもしれないなと、今になって思い直している。

ぼそぼそ、ぶつぶつ、まったく自然体でのおしゃべりは、ホームカミングスという男女のグループだった。