京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

長閑さに、やっぱり花見

2022年04月07日 | こんなところ訪ねて

長閑さに、京都市右京区京北にある常照皇寺を目指して出発。その途中、いつもうっかり曲がり損ねて素通りだった山國神社に立ち寄った。
地域を桂川が流れ、かやぶき屋根にトタンをかぶせた家も多く、広いブルーべりー畑が見える。

この神社に、江戸時代初期の「貿易情報文付き世界地図」(縦1.2m、横1.3m)と呼ばれるものと中国を描いた「大明地理之図」(縦3m、横4m)が残されていて、地域の歴史とともに紹介、展示されると知って訪れたのは2019年10月7日のことだった。神社所蔵に至った経緯はわからないとあったが、興味本位で訪れ、ちょっと肩身狭く、恐縮する思いで拝見したのが忘れられない。



どんな立派な社殿があるのかと思っていたが、社務所もないし、だあれもいない、なあんにもない。若木の桜がひっそりと花をつけ、今が盛りのモクレンが青い空に眩しかった。家族連れが境内地でシートを広げくつろいでいた。

平安京遷都の際に山国の郷から大内裏造営の木材を徴せられたことで杣料地となるなど、天皇家と関わりの深い一帯の民家には、中世から近現代までの記録が多数残されているという。地図も補修し大切に扱ってきた土地の人びとの中にある神社が、仰々しくないのがいい感じだった。

 山国地域は、明治維新の戊辰戦争で官軍にはせ参じた農兵組織「山国隊」を輩出したことで知られる。時代祭りでの山国隊軍楽鼓笛行進の姿をご存じの方は多いでしょう。

目的地は、ここから少し先。結局参拝せずに周囲を散策して引き返したが、さて出直せるか。
長年の思いをかなえたことだし、欲張らずに今年は良しとしようかとも思う。どこもかしこも花盛りだし。

コメント (2)
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