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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 満月の夜

2011年09月12日 | 今日も生かされて
              
          
          十五夜の雲のあそびてかぎりなし   後藤夜半

あいにく夜空に浮かぶのは、点々とした白い雲ではなかった。月を隠し覆うほどの暗い雲。何度も見上げてようやく目にすることができた名月の「光」。全く見えない状態の雲ではなければ、かえって一興ということになるのだろう。

       
これほどの満月は6年ぶりだと伝えていた。

満月の十倍ほどの明るさが家の周りを照らし、かぐや姫を迎えに月から一行がやって来たのも中秋の名月の晩、真夜中だった。
誰か来るかしら、戸という戸を閉め鍵をかけ、秘密の場所からこっそり覗いて待っていてみようか…。何をあほな事を!

魑魅魍魎の住むこの世、どうしたって夜道は暗くて怖い。妻問いに通う道を救ってくれるのはお月様だったという万葉人。月のもつ「力」に対して祈った。この最も原初的な人間の心を忘れがちだ…。
それぞれに、見上げた分だけの願いが届くといい。
コメント (8)
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