京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

京都タワーは“おろうそく”

2008年11月29日 | 日々の暮らしの中で
駅前にそびえる京都タワー。当初はやはり相当な物議をかもしたらしい。多くの市民を納得させた言葉が、「京都タワーは本願寺さんの“おろうそく”」だそうだ。

報恩講の際、本堂の瓦の葺き替えを終えたことで落慶法要を合わせ勤める。
仏具やさんに依頼しておいたものを受け取りに出向いたのだが、珍しくちょっと周辺をぶらぶらしてみようか、そんな気にもなった。

烏丸通りをはさんで西に本願寺さん。対面する東側一帯には法衣店、仏具店・仏教書専門店が多く、一筋裏へはいると、○○詰所、○○旅館、○○インと、本願寺参拝に見えた門徒の方々が泊まられる宿も目につく。
こうした裏筋を歩くことはここ何年もなかった。
数珠選びの人も多い。店員さんがにこやかに応対し説明しているのを聞いていると、「素人の店番」ではさすがに無理だろうなあなんてことを思ったり。

自分はといえば、ある目的をかなえようとする店を探していた。
どこでもよかったのだが、五木寛之氏が立ち寄られた「寺島念珠老舗」店。当時で17代目、創業400年だという。東本願寺ができたときから続いているわけだ。今は、お年を召した方と、お若いご夫婦らしいお二人が主に応対されていた。

先日仏壇に向かい手を合わせたとき、糸が切れた。あまりこだわらないたちなので気にはしていない。直したいのだ。

真宗の正式な2連の数珠(葬儀などで用いる)と、法事や寺詣りなど普段使いにしているものとセットで、はるか昔の結婚式の際に授かった物。
「切れたからと言って何も気にすることありません。守ってくれはるといわはりますよ。買い換えるか直したらよろしいです」と。
買い換えるのは気が進まない。「この際、房の色を変えたら」と勧めてくださったこともあり、従うことにする。どちらもが白であったために紫に。
白無垢の花嫁には、やはり「白」の房?だったのだろうか。

まさか京都タワーに手を合わすわけにもいかない。多くの人に交じって私も初めて写真を撮ってみた。
コメント (4)
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