京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

なにげない…

2008年11月20日 | 日々の暮らしの中で
「だ―っ、だ―っ、だ―っ…」
目の前を、わめくように大声をあげて歩いている小さな男の子がいる。

「大きな声を出せばいいもんやないんやで」と真ん中のお母さん。
右に手をつないでいるのは弟クンのお姉ちゃんらしい、小学生だ。
この一言で、一瞬ピタ―ッと静まり返る。
(歌を歌っていたのか、と後ろを歩きながら納得したのだが)

「きれいな声で歌わなな」
「やさしくな」
 ……
♪ と~もだち~ と~もだち~

この早変わり。二人声をそろえて。かわいらしいことだ。
お母さんもすかさず「あー、じょうず、じょうずやなあ~」

こんな微笑ましい光景に自然と笑いがこみあげる。
追い越しざまに子供達の顔を見たくて仕方なくなってしまった。
言葉をかわすでもない、が、そのお母さんと一緒に笑い声を上げることができた。

学校帰り、お迎えだったのか、お母さんと手をつないで…。

バスで席を譲り、逆にお説教されるかのような理不尽なことも多い世の中だけれど、実はこんななにげない幸せも、身の回りにいっぱい転がっているのだ。
明日は何の歌を歌って歩くのだろう。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする