京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

冬はつとめて…

2008年11月04日 | 日々の暮らしの中で
“夏の甲子園”を聞きながら、タオル鉢巻・くわえ煙草の“万さん”が響かせていたハサミの音。
樹齢100年に近い見事な枝ぶりを一面に張っていた松。ちょっとご自慢の松だった。当時相次いでいた松くい虫の被害を避けきれず、一升瓶ごと根元に酒を注ぎ、それなりに手を打ったものの、切り倒された。

次代を育てて20年を越えるが、先代の何分の一か、赤子も赤子。年月がはぐくんだ偉容には、取って代わるものがない。今日はわずかに伸びた松の支柱を化粧直してくれている。
昨年から10か月余をかけ本堂屋根瓦をふき替え修理、欄干も新調。堂を覆ったすべてが取り払われ、出入りのトラックも消え…、静かになった。

11月28日、90歳で入滅された親鸞聖人。
間もなく、年間で最大の行事、そのご恩に報る、感謝の念をささげる、報恩講を勤めることになる。お花の芯に立てる松を切り出しに、山へ行く日も近い。
足元からシンシンと冷え込む早朝から、炭をおこし火鉢を用意し、湯を沸かし、お仏飯のための米をとぎ…。
寒さが骨身に応える。辛抱が足りんのだ。冬はとにかくつらい。
あ~、まさに試練の時、修行どきだ~。

気持のよい一日だったけれど、少しの風があった今日。
あ~、寒くなっていくんだなあ。まちがいなく寒くなるんだ…。

    
コメント (4)
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