撫子的な日々

どーってことない日常の魂のつぶやき

オリバー ツイスト

2006年02月09日 | 映画
予告の時から気になっていた「オリバー ツイスト」を、観てきました。

主役のバーニー・クラーク少年の哀しそうな表情もさることながら、何より、19世紀の
イギリスに迷い込んだような気持ちにさせてくれる、当時の街並み、服装、当時の規律等、
人々の生活風景の描写再現には目を見張った。
この映画を見て、一番印象に残ったのは、ストーリー云々というより、80億円をかけて
作ったというそのセットのリアルさだった。

ストーリーは、孤児であるオリバーが、救貧院でお粥のおかわりを求めた行為を罰せられ、
葬儀屋の奉公に出される事になる。しかし、そこで、使用人の少年に母親の悪口を言われ、
怒り少年と喧嘩になる。それが原因で葬儀屋にいられなくなり、家を出て7日間歩いて
ロンドンに行く。
そこで、スリの少年達に出会い、そして、彼らの家に行き、元締めのフェイギンにやさしく
され、(このフェイギンの、味のある憎めない悪党ぶりが良い)皆と一緒に生活する事になる。
ある日、仲間と街に出掛け、スリをした仲間の代わりに捕まるが、濡れ衣が晴れ被害者の
紳士ブラウンローに引き取られた事から、物語は佳境に入るのである。
オリバーは、前半のロンドンに出るまでは、自分の意思で行動するが、ロンドンに出て、
スリ団と係わってからは、ただ、周りの善人と悪人に翻弄され続ける。
でも、オリバーの純粋無垢な精神と表情が、人々の優しい気持ちをゆり動かすのだろうか、
悪党のフェイギンにも優しくされ、悪の仲間のナンシーにも助けられ、そして、
善人ブラウンロー氏の心をも動かす。

最後にオリバーは悪人ビルから助かり、フェイギンは警察に捕まるが、フェイギンに
優しくされた恩だけは忘れず、絞首刑になる前のフェイギンに会い、神に許しを請うてやる。
この映画はやたら、“絞首刑”、“絞首刑”と出てくるが、当時は、極刑でありながら、
少しの罪でも執行される、市民にとって恐ろしくも身近な刑だったのだろう。

原作は読んでいないが、観ていて少年少女名作全集の作品を読んでいるような気持ちになった。
あと気になったのは、捕まったスリ団の少年達はその後、どーなったのかな?と。