とんが我が家に来て、今日でちょうど2年になりました。
2009年8月18日、飼い主である父に飼育放棄されたとん。
父が手術のために入院することになり、(子宮蓄膿症で子宮を摘出し)子犬を産めないとんは譲渡先も預け先も見つからないから…という父の勝手な言い分で保健所に連れて行かれた。
娘である私が預かると言っても頑固な父は全く聞き入れず「もう決めたことだから」と、説得する私の電話を途中で切って連れて行った。
保健所の収容期限は2週間。
飼い主持ち込みでありながらすぐに処分にはならなかった。
2週間のうちにもし譲渡希望者が現れたら譲渡になるらしいと、父は少しの望みを持っていた。
譲渡希望の人に渡してほしいと、とんの血統書のコピーや鑑札、狂犬病接種やワクチン接種した日の覚え書きを保健所職員に託して来ていた。
とんを保健所に残してくる時には、涙が出て、何度もとんに謝った…と父は言っていた。
私はそんな父がどうしても許せなかった。
腹が立って仕方なかった。
何よりも、父の動物の命に対する考え方が悲しかった。
私がとんを引き取ろうと決めたのは、父がとんを保健所に持ち込んだ当日。
実家に行くたび会っていたとんが処分されるかもしれない、放っておくことはできなかった。
家族の了解を得て、とんを引き取るための手続きを進めた。
もちろん父には内緒。
頑固でプライドが高い父に知られたら、とんを引き取ることはできなくなってしまう。
お世話になっている獣医さんに間に入っていただき保健所に交渉、2009年8月26日とんを無事引き取ることができた。
(持ち込んだ飼い主の承諾がないままその血縁者に犬を渡すことはできない、という保健所側の決まりがあり、父を説得できない私は獣医さんのおかげでとんを迎えることができたのです)
2009年9月6日のとん。
今よりずっとほっそりしている。
どういう訳か、とんを迎えてからこの日までの写真がなかった。
今日のとん。
迎えた頃よりも体重が8kgも増えた。
この2年間いろいろあった。
哲やあずきと上手くいかないこともあり、悩んだりもした。
でも、それは時間が少しずつ解決してくれた。
とんは、今では預かりっ子の良き母親としての役割を果たしてくれている。
とん、我が家に来てくれてありがとう。
これからもずっとよろしくね。
今でも父は、私の家にとんがいることを知りません。
これから先も伝えるつもりはありません。
それがお互いのためだと思うから。