古代の史跡を歩く(旧:多摩の史跡を歩く)

川崎麻生区、町田市や、他地域の史跡の記録です。

陸奥国分寺跡・国分尼寺跡(宮城県仙台市)

2018-09-26 20:50:19 | 日記
2018.9.26

◼️陸奥国分寺跡

日本最北端の国分寺跡。
東北新幹線の仙台駅から、地下鉄東西線で東へ3駅(数分)の薬師堂駅で下車。
駅前に、国分寺跡の案内板

案内板に記載の、遺跡の詳しい解説は、最後にまとめて掲載する。

駅から西へ徒歩数分で、真新しい復元施設「天平回廊」に着く


隣接して、ガイダンス施設が設置されており、発掘物やパネル解説が展示されている。ボランティアの係員の方に、展示物や遺跡を親切に案内していただく。

遺跡の入り口の石碑

説明板





南北一直線上に、南大門、中門、金堂、講堂、僧坊が並んでいる。
まず、南から南大門跡。現在は、仁王門が建っている。


南大門から中門に続く回廊跡。

中門跡


金堂跡



薬師堂(金堂跡)

金堂跡の上に、薬師堂が建てられている。


金堂の北の「僧坊跡」は林の中で、見学できないようだった。

鐘楼跡


中心線から少し東側に、七重塔跡





中心部に、直径2m程の心礎

真ん中に径50cm、深さ20cm程の穴。ノミ跡がまだ残っているとのことで、触ってみるとそうかな、という感じ。
「日本記略」という歴史書に、934年に塔が落雷で焼失したという記録があるということ。ということは、創建から約200年近く、塔が残っていたということになる。また、この塔跡の北側で、そのときに落下したと思われる塔頂部の相輪の擦管(さっかん。金属製の中心管)が、逆さまに地面に突き刺さった状態で発掘された、というのは驚き。擦管は多賀城市の「東北歴史博物館」に所蔵されているが、非公開であるということだ。

ガイダンス施設の北側に、南辺築地跡・大溝跡



交通至便な立地で、保存状態が良く、解説も行き届き、寺院跡の雄大さが実感できる素晴らしい遺跡。仙台を訪れる遺跡好きは必見。

【★★★ 一般向き】

(仙台市若林区木ノ下二丁目5-1(ガイダンス施設の住所))

〈補足 2019.4.9〉
七重塔跡で出土した、九輪・水煙の一部が、仙台市博物館に展示されていた。


水煙

九輪




◼️陸奥国分尼寺跡

国分寺跡から北東へ歩いて10分ほど、県道137号の南側に、国分尼寺跡



金堂跡と推定される地に、8個の礎石が残っている。




【★☆☆ 遺跡マニア向き】

(仙台市若林区白萩)

〈参考〉
薬師堂駅前にある説明板





裏面に尼寺の解説があったようだが、気づかず撮り漏らしてしまった。










川尻石器時代遺跡(神奈川県相模原市)

2018-09-23 10:31:21 | 日記
2018.9.22

◼️川尻石器時代遺跡

神奈川県相模原市の北部の、橋本から津久井湖方面に向かう国道413号の途中に、「谷ヶ原浄水場」交差点

国道沿いの南側に、黒ずんだ説明板

近くに遺跡の標柱

標柱の背後は原っぱになっており、脇の小道を南西に入っていくと


原っぱの突き当たりに、簡易な柵で囲われた遺跡



説明板

縄文時代中期〜後期(5千〜3千年前)の集落跡であるということ。




所在地は相模原市で、市の教育委員会のwebサイトでも相模原市の遺跡として紹介されているが、なぜか説明板は西隣の「城山町」教育委員会になっている。
ほかのサイトに掲載されている説明板の写真は、張り紙で「相模原市」に訂正されているので、張り紙がはがれたのかも。

近くに駐車スペースはない。

公共交通機関で行くなら、橋本駅から神奈川県中央バスで「久保沢」まで行き、そこから徒歩数分でいけそう。

また、Google MAPに「川尻石器時代遺跡」の表示が出ている。

(神奈川県相模原市緑区谷ヶ原2丁目)

【★☆☆ 遺跡マニア向き】

出雲国分寺跡(島根県松江市)

2018-09-20 15:37:12 | 日記
2018.9.20

◼️出雲国分寺跡

JR山陰線の松江駅からバスで約20分、「武内神社前」バス停から県道247号を10分程南西に歩く。県道沿いの北側に、「出雲国分寺跡」の標石


寺跡のかなりの割合が保存されている。全体が膝ぐらいまで伸びた雑草に覆われており、掻き分けながら遺跡内に進む。

中央部に案内板




南から北に、南門・中門・金堂・僧坊が南北一直線上に並ぶ「東大寺式堂塔配置」。
その東側に、塔跡、回廊跡も残っている。

南側から順に、南門跡




その北に金堂跡


一定間隔で礎石が埋まっている

見た感じ新しそうなものと(下の写真)

古そうなものがあり(下の写真)

新しい方は、叩くと軽い音がするので、レプリカかもしれない。

さらに北側に講堂跡




いちばん北側に僧坊跡




敷地の南東部に、塔跡



丸いコンクリート板は、敷石のあった場所を表示しているのかもしれない。

回廊跡



遺跡から南を見ると、堂塔配置の中心線からほぼ真南にまっすぐ伸びた「天平古道」(古代の幹線道路)が残っている。


夏場でなければ雑草ももっと少ないかもしれないが、芝生で覆うなど、もう少し整備すれば見学しやすいのに、と感じた。
大規模で保存状態が良いだけに残念。

駐車スペース、トイレ有り。

【★☆☆ 遺跡マニア向き】

(島根県松江市 竹矢町 中竹矢 寺領)

周辺の遺跡案内図



この地図では、国分寺跡の北東付近に「出雲国分尼寺跡」「窯跡」の表示があり、バス停に戻る途中で探してみるが、表示板などは無く、遺構は見当たらなかった。

また、南に30分ほど歩くと、「八雲立つ風土記の丘資料館」があり、国分寺の出土物が展示されているということだが、時間の制約で訪問できず。





因幡国分寺跡・因幡国庁跡(鳥取県鳥取市)

2018-09-19 11:22:22 | 日記
2018.9.19

◼️因幡国分寺跡

JR鳥取駅から因美線で一駅の「津ノ井駅」から北東へ徒歩25分ほどの、田んぼに囲まれた集落の中に、小さなお寺「黄檗宗国分寺」



因幡国分寺跡の遺構は残っていない。
この現国分寺境内の奥の方に、国分寺跡から移設された礎石がいくつか残されている。






付近の道は狭く、駐車スペースはない。
(鳥取市国府町国分寺)

【★☆☆ 遺跡マニア向き】

◼️因幡国庁跡

国分寺から田んぼの中の道を北東に10分ほど歩いたところに、古代の役所の遺跡「国庁跡」


説明板


北から、後殿跡


柱の跡が、石柱で示されている。

正殿跡


正殿跡から南を望む

南門跡



きれいに整備された気持ちの良い遺跡。
駐車スペース、トイレ有り。

【★★★ 一般向き】

(鳥取市国府町中郷)