古代の史跡を歩く(旧:多摩の史跡を歩く)

川崎麻生区、町田市や、他地域の史跡の記録です。

千代ヶ丘・細山・高石の史跡(神奈川県川崎市麻生区)

2015-02-15 17:26:55 | 日記
2015.2.15

■法雲寺 阿弥陀如来座像

小田急線百合ヶ丘駅から北西に坂を登った高台の、曹洞宗のお寺


平安時代後期の阿弥陀如来座像 (木造の寄木造り、像高約75㎝、川崎市重要歴史記念物)がご本尊で、ふだんは非公開。
この日は、毎年2月15日の「涅槃会(ねはんえ)法要」にあわせて開帳されていた。

14時に法要開始。本堂に上がらせてもらい、 住職の読経に合わせて檀家の方々とお経を読みながら、祭壇の厨子内の阿弥陀如来様を拝見。温和な表情の端正な仏像で、安定感と引き込まれるような存在感がある。千年近く、地元の方々が大事に守ってこられたのであろう。
毎年2月15日の他、10月15日にも公開されているとのこと。
仏像の写真は、川崎市教育委員会のウェブサイトに出ている。
仏像にまつわる伝説は、後述の「笹子稲荷」参照。
(川崎市麻生区高石2-6-1)

■みさきの土塁

千代ヶ丘交差点から北に歩き、「香林寺五重塔」入り口看板のある小道を東に少し入ると、

木に覆われた盛り土


江戸時代、飢饉の際に村人に食糧を与えた地主への返礼に、村人が畑の土を持ち寄って築いたという。

南東方向に高石神社の森

(麻生区千代ヶ丘6-8)

■香林寺

臨済宗のお寺。ランドマークのような立派な五重の塔は、昭和62年築。

(麻生区細山3-9-1)

■細山郷土資料館

香林寺の山門を出たところにあるが、現在は休館中の様子。


数年前に来たときは開館しており、多数の縄文土器や、近代の郷土資料(農機具等)が展示されていたが・・・
残念。
(麻生区細山3-10-10)

■笹子稲荷

新百合ヶ丘駅北側、大規模マンションが林立する新百合山手通りの、ディアコート新百合山手ビルの片隅に、小さな祠

前述の法雲寺の仏像は、後白河法皇が、都からこの地に逃れて来た娘の笹子姫に送ったものという伝説があり、この辺りにその笹子姫を祀った稲荷社があったが、宅地開発でビルの横に移設されたとのこと。
「奉納 高石山 法雲寺」という札

数百年前の地域の伝説が 宅地開発後も伝わるよう、史跡が保存されていることがありがたい。

(麻生区万福寺3-1-10)