2015.5.10
■加瀬台古墳群
〈夢見ヶ崎動物公園内の古墳群〉
JR横須賀線の新川崎駅、南武線の鹿島田駅から歩いて十数分のところに、加瀬山という細長い丘陵。
新川崎駅からの遠景
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鹿島田駅前の案内板
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この丘には「夢見ヶ崎」という別称があり、川崎市が運営する「夢見ヶ崎動物公園」がある。
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公園内に、4世紀後半から7世紀後半のものと考えられる古墳がいくつか残されている
公園の東側入口を昇り切ったところに「川崎市戦没者慰霊塔」があり、
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その前の広場の一角(後述の9号墳の前)に、古墳群全体の解説と案内図。
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夢見ヶ崎という地名の由来となった、太田道灌の伝説も解説されている。
◎2号墳
慰霊塔の裏側(東側)に、2号墳(直径約15mの円墳)
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◎3号墳
公園南側の売店脇の坂道を下ったところに、横穴式石室が保存されている「加瀬山3号墳」。
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半地下式の横穴式石室を持つ高さ4m、墳径15mの円墳で、7世紀後半の築造とのこと。
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石室内
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◎4号墳
公園内の了源寺の脇に、墳径約20m、5世紀後半築の円墳。
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◎6号墳
公園内の熊野神社の脇に、墳径約25mの円墳
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◎7号墳
公園の西の端に、墳径27mの円墳。全体が神社(天照皇大神)となっている。
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◎8号墳
公園の西の端の遊戯スペースの脇に、小さな盛り土が8号墳と思われる。
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◎9号墳
慰霊塔の前の広場脇に、墳径約35mの円墳。
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墳の上に昇れる。祠あり。
◎白山古墳の外形表示
公園の西側にかつて存在した前方後円墳「 白山古墳(後述)」の外形が、公園中央部に標石で原寸大表示してある
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この看板を見たときは、この場所に白山古墳、加瀬台7号古墳があったのかと思ったが、どうもそうではなく、別の場所にあった古墳の大きさを再現したということらしい。後者が、前述の天照皇大神のところに現存している7号墳のことを指すのか、そうだとしたら近くに現存する墳の外形をなぜ再現したのか、よく分からなかった。
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◎富士見デッキ
公園の西の端に、見晴らしの良い展望台
◎富士見デッキ下部の坂道にあった説明板
◎公園の案内板
◎公園の南側からの遠景
【★★★ 一般向き】
(川崎市幸区南加瀬1)
〈白山古墳〉
4世紀後半築、全長87mの前方後円墳だったが、開発等のため、現在はほぼ消滅してしまっている。三角縁神獣鏡や、「秋草文壺」(12世紀、慶応義塾大学所蔵、東京国立博物館に寄託中)が発掘されたとのこと。公園内の第9号墳前の地図には、南加瀬2丁目バス停辺りの場所に「秋草文壺出土地案内板」と書いてあるので探したが、何も無かった。
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前述の富士見デッキから、白山古墳があったと思われる方向を撮影。この森が白山古墳の一部かと思われる。これだけ残っているなら、「消滅」ではない気もするが。
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なお、発掘された三角縁神獣鏡は、京都府大塚山古墳・山口県竹島古墳出土の三角縁神獣鏡と同笵(どうはん)鏡(=同じ鋳型による鏡)であるとのこと。レプリカが、川崎市市民ミュージアムに展示されている。直径約20cm。
(後補 2016.1.11)
夢見ヶ崎公園の西、白山幼稚園の東向いの「北加瀬熊野台公園」の入り口右側に、白山古墳の説明板があった。
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「近くから国宝秋草文壺出土」と記された石柱も、公園入り口左側にあった。
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(幸区北加瀬2-12-1)
〈参考〉
秋草文壺(東京国立博物館 平成館に展示)
〈第六天古墳〉
7世紀後半築、墳径約20mの円墳で、 白山古墳の西側にあったが、同じく現存しない。付近を歩いてみたが、民家になっているようで痕跡は発見出来ず。(川崎市幸区南加瀬2)
※補足:古墳群の名称について
文献により、公園内の古墳群を「夢見ヶ崎古墳群」としているもの、公園外西側の白山古墳・第六天古墳を含め「加瀬山古墳群」または「加瀬台古墳群」、もしくは「加瀬古墳群」としているものがある。
■南加瀬貝塚
夢見ヶ崎公園の東側入り口近く、日吉合同庁舎の駐車場脇に、弥生時代の貝塚跡(表示のみ)
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(川崎市幸区南加瀬1-7)