古代の史跡を歩く(旧:多摩の史跡を歩く)

川崎麻生区、町田市や、他地域の史跡の記録です。

鈴木遺跡資料館(東京都小平市)

2015-05-30 22:44:07 | 日記
2015.5.30

◼︎小平市鈴木遺跡資料館

新小金街道沿いの西側、鈴木小学校の向かいに、プレハブ風の簡素な建物



中に入ると、小学校の教室ほどの広さの展示スペース。係の方が、この付近一帯の鈴木遺跡で発掘された、旧石器時代の石器を中心とした展示物を丁寧に説明して下さる。許可頂いて中を撮影

石器が右から古い順に多数展示してある。「局部磨製石器」は3万7千年前のもので、世界でも最古級とのこと。

石器の製作跡や、石焼き料理を行った跡と思われる「礫群」の遺構も展示。

縄文時代の陥穴跡、土器の展示も。

地層の遺構

係の人が、遺跡発掘時の25分程の興味深い記録映画をビデオで見せて下さる。

見応えのある展示だったが、首都圏でも数少ない石器時代の大規模な遺跡なので、少しでも発掘現場が残されていたらと、ちょっと残念な気持ちになった。
駐車場あり。

【★★☆ マニア〜一般向き】

(小平市鈴木町1-487-1)

高倉塚古墳(東京都府中市)

2015-05-30 18:43:07 | 日記
2015.5.30

◼︎高倉塚古墳

京王線・JR南武線の分倍河原(ぶばいがわら)駅から徒歩数分の住宅街の中に、民家に囲まれた墳丘

直径約20m、高さ約2.5mの、古墳時代後期の円墳。二十数基確認されている高倉古墳群の中で墳丘が現存する数基のひとつで、古墳群の中心に位置する。
整備された階段で墳頂に登れる

墳頂

墳頂から南の展望

南側から見た墳丘

説明板



周辺の道は狭く駐車は出来ない。

【★★☆ マニア〜一般向き】

(東京都府中市分梅町1-11)

荏子田横穴(神奈川県横浜市青葉区)

2015-05-17 12:49:13 | 日記
2015.5.17

■荏子田横穴(えこだおうけつ)

東急田園都市線たまプラーザ駅からバスで数分、荏子田1丁目バス停近くの、高台の閑静な住宅街に、荏子田朝日公園



入り口から少し登ったところに説明板

柵の奥に、1号横穴(7世紀前半)、その右上に2号横穴(7世紀後半)。この地の有力者の家族墓と考えられているそうです。


1号横穴の奥

家の内部を模した浮き彫りがあるらしいがはっきりわからず。

説明板を別の角度から

【★☆☆ 遺跡マニア向き】

(横浜市青葉区荏子田1-7)

加瀬台古墳群(神奈川県川崎市幸区)

2015-05-10 23:00:00 | 日記
2015.5.10

■加瀬台古墳群

〈夢見ヶ崎動物公園内の古墳群〉
JR横須賀線の新川崎駅、南武線の鹿島田駅から歩いて十数分のところに、加瀬山という細長い丘陵。
新川崎駅からの遠景

鹿島田駅前の案内板

この丘には「夢見ヶ崎」という別称があり、川崎市が運営する「夢見ヶ崎動物公園」がある。

公園内に、4世紀後半から7世紀後半のものと考えられる古墳がいくつか残されている

公園の東側入口を昇り切ったところに「川崎市戦没者慰霊塔」があり、

その前の広場の一角(後述の9号墳の前)に、古墳群全体の解説と案内図。


夢見ヶ崎という地名の由来となった、太田道灌の伝説も解説されている。

◎2号墳
慰霊塔の裏側(東側)に、2号墳(直径約15mの円墳)

◎3号墳
公園南側の売店脇の坂道を下ったところに、横穴式石室が保存されている「加瀬山3号墳」。

半地下式の横穴式石室を持つ高さ4m、墳径15mの円墳で、7世紀後半の築造とのこと。



石室内

◎4号墳
公園内の了源寺の脇に、墳径約20m、5世紀後半築の円墳。

◎6号墳
公園内の熊野神社の脇に、墳径約25mの円墳

◎7号墳
公園の西の端に、墳径27mの円墳。全体が神社(天照皇大神)となっている。

◎8号墳
公園の西の端の遊戯スペースの脇に、小さな盛り土が8号墳と思われる。

◎9号墳
慰霊塔の前の広場脇に、墳径約35mの円墳。

墳の上に昇れる。祠あり。


◎白山古墳の外形表示
公園の西側にかつて存在した前方後円墳「 白山古墳(後述)」の外形が、公園中央部に標石で原寸大表示してある

この看板を見たときは、この場所に白山古墳、加瀬台7号古墳があったのかと思ったが、どうもそうではなく、別の場所にあった古墳の大きさを再現したということらしい。後者が、前述の天照皇大神のところに現存している7号墳のことを指すのか、そうだとしたら近くに現存する墳の外形をなぜ再現したのか、よく分からなかった。

◎富士見デッキ
公園の西の端に、見晴らしの良い展望台




◎富士見デッキ下部の坂道にあった説明板


◎公園の案内板


◎公園の南側からの遠景


【★★★ 一般向き】

(川崎市幸区南加瀬1)

〈白山古墳〉
4世紀後半築、全長87mの前方後円墳だったが、開発等のため、現在はほぼ消滅してしまっている。三角縁神獣鏡や、「秋草文壺」(12世紀、慶応義塾大学所蔵、東京国立博物館に寄託中)が発掘されたとのこと。公園内の第9号墳前の地図には、南加瀬2丁目バス停辺りの場所に「秋草文壺出土地案内板」と書いてあるので探したが、何も無かった。

前述の富士見デッキから、白山古墳があったと思われる方向を撮影。この森が白山古墳の一部かと思われる。これだけ残っているなら、「消滅」ではない気もするが。

なお、発掘された三角縁神獣鏡は、京都府大塚山古墳・山口県竹島古墳出土の三角縁神獣鏡と同笵(どうはん)鏡(=同じ鋳型による鏡)であるとのこと。レプリカが、川崎市市民ミュージアムに展示されている。直径約20cm。

(後補 2016.1.11)
夢見ヶ崎公園の西、白山幼稚園の東向いの「北加瀬熊野台公園」の入り口右側に、白山古墳の説明板があった。



「近くから国宝秋草文壺出土」と記された石柱も、公園入り口左側にあった。

(幸区北加瀬2-12-1)

〈参考〉
秋草文壺(東京国立博物館 平成館に展示)




〈第六天古墳〉
7世紀後半築、墳径約20mの円墳で、 白山古墳の西側にあったが、同じく現存しない。付近を歩いてみたが、民家になっているようで痕跡は発見出来ず。(川崎市幸区南加瀬2)

※補足:古墳群の名称について
文献により、公園内の古墳群を「夢見ヶ崎古墳群」としているもの、公園外西側の白山古墳・第六天古墳を含め「加瀬山古墳群」または「加瀬台古墳群」、もしくは「加瀬古墳群」としているものがある。

■南加瀬貝塚

夢見ヶ崎公園の東側入り口近く、日吉合同庁舎の駐車場脇に、弥生時代の貝塚跡(表示のみ)
(川崎市幸区南加瀬1-7)