古代の史跡を歩く(旧:多摩の史跡を歩く)

川崎麻生区、町田市や、他地域の史跡の記録です。

早野上ノ原遺跡 発掘調査現地見学会(川崎市麻生区)

2022-01-15 17:18:00 | 日記
2022.1.15

◾️早野上ノ原遺跡(川崎市麻生区)

川崎市の北西部、麻生区にある市営の霊園「早野聖地公園」。その南側の斜面に、発掘調査中の遺跡がある。旧石器時代から縄文・弥生・古墳・奈良・平安、近世に至る生活遺構が重層する、規模の大きな複合遺跡である。
昨年9月からの第6次調査による発掘物の見学・説明会が、現地にて市教育委員会の主催で行われた。


①弥生時代の竪穴住居跡

四角形に掘られ、方形の4本の柱穴跡(青紐)、入り口の梯子用に斜めの穴がある。
熱による鉄酸化で赤く変色したカマド跡が複数あり、立て直し時に移動したものと推定されるとのこと。

②縄文時代の竪穴住居跡

円形に掘られており、柱穴が多数。中央部に土器が埋められたカマド跡がある。

③縄文時代のフラスコ状土坑

深さ2メートル以上。食糧貯蔵庫と推定されるとのこと。

④縄文時代の集石遺構

平坦部を上に向けて集められた石の集まりの周囲を、柵のように平たい石が取り囲む。おそらく穴の底部にあり、加熱調理用の焼き石を焼いた場所と思われるとのこと。

⑤縄文時代の竪穴住居

②と同じく、中央部に土器が埋められたカマド跡。

見晴らしが良い立地で、南西方向に丹沢・大山、その向こうに富士山の頂部が見える。

通常は見学不可。
(川崎市麻生区早野)