日向ぼっこ残日録

移り気そのままの「残日録」

桐一葉・・・

2009年11月16日 16時55分42秒 | 気まま日記
「桐一葉落ちて天下の秋を知る」

天川堤の桐の大木も落葉が盛んだ。
桐の葉は、大きな葉だが、ほとんど紅葉せずに、青くても落下する。
冒頭の句は、中国古来の句を引用したものとか、秀吉机下の「片桐・・・」のものとか言われているが・・・。
当時の世相を反映する、あるいは、思うようにならない現代の自分になぞらえてピッタリの句だなあと多くの人の共感を呼ぶのだろう。

秀吉と家康の和睦になればと、がんばる片桐某が、淀君に内通を疑われ、退けられたときに・・・。
桐の葉がパラパラと落ちるさまと秀吉の紋所(五三の桐)の手下(てか)が次々と家康(三つ葉葵)に懐柔されていくさまが、よく織り込まれているからでしょう。
あるいは、片桐某が、自分の名前になぞらえて「桐」落葉を読み込んだものとしても・・・、よく出来ている。

一方、「さくら」の落葉も哀れだ。誉めそやされる「もみじ」ではないし。春にはあんなに咲き誇り、誉めそやされたのに・・・、秋には黄色や赤や病葉(わくらば)のまま、穴あきの状態で散るだけだ。パソコンのキーボードの上に並べてみたが、一葉には、赤から黄・・緑とグラデーションのまま散っているのだから。

それでも、枝先には来春のために、寒い冬に向かうのに・・・小さな「ふくらみ」(つぼみ)を蓄えている。