雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

4年で累積7時間露光(M45プレアデス星団)

2015年10月19日 | 天体写真(星雲・星団)
14日夜、徹夜の最後に撮ったのはやっと屋根から顔を見せたプレアデス星団和名すばる)。
自宅撮影できるのは大変恵まれた事なのですが・・
家の東側は北極星が見えない上 市街地の光害で明るい事から
裏口の西側で撮っているのですが、今度は家屋が邪魔して南中後にしか撮れません。

そんな制約の中、久々に薄明まで2時間露光することができました。
M45 プレアデス星団 (和名すばる) (おうし座)
( 画像クリックで元画像の30%まで拡大表示 ) ノートリミング
新しいフラット画像で処理した画像と差し替え 2015/10/24
( 上が北の方向 ) 
撮影DATA: 2015/10/15 am 2:46’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出20分×6枚 ISO 800
Cooled 60D (気温9℃ 冷却 -9℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
拡大して見ると 遥か彼方の銀河(右中ほど)や、露光2時間の間に移動した小惑星の短い光跡(やや左下)も写っています

我が雪国越後は、冬の天候は無論の事 なかなかきれいな星空を見る事ができません。
そうなると限られた機会に撮るのは、まずはメジャーな対象からとなってしまいます。
このすばるも天体写真を再開してから毎年のように撮っています。
そこで、3年前から撮った画像を重ねてみました。
カメラや撮影感度も違っていますが、総露光時間はちょうど7時間になりました。

重なってくれた部分だけをトリミングしたものです。
画素数の異なるカメラや合成焦点距離が変わる数種のコマコレクターを使っているのですが、
同じR200SS鏡筒という事で、サイズ変更だけで重ねる事ができました。

朝方近くになるとオリオンも高く昇ってくるようになりました。

10/15 04:04’~ TAMRON Zoom(f24mmF3.5) 3分×5枚 ISO1600 KissDX(SEO-SP2) TOAST Pro
左端にちょっとだけ顔を出している明るい星はシリウスです

このショットを撮り終えた後、あわただしく2階に上がってベランダから東の空を撮影。

東側の低空は市街地のため光害の影響が大きいことがわかります
撮影した時刻04:31’には水星は屋根のかなり下にいることになります。
すでに天文薄明の始まり時刻は過ぎていますので、
水星が見える頃にはかなり空が明るくなっているものと思われます。

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今朝、朝のウォーキングに出る前にメールを確認したところ
さすけさんから熊の出没情報が届いていました。
出没したという春日山城址の近くは散歩コースでもあるので、
今日はそこを通らないようコースを短縮しました。
今朝のウォーキングでの春日山城址
かなり昔、団地内でクマに追いかけられた女の子がいました。

雲上くもがみ
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足が地に着いていないペリカン星雲(2枚モザイク)

2015年10月17日 | 天体写真(星雲・星団)
14日夜 最初にに撮ったのははくちょう座のペリカン星雲でした。
北アメリカ星雲と一緒に写される事の多い星雲ですが、今回は単独の2枚モザイクで。

この夜は雲が切れるのが遅く、撮影開始できたのは11時ちょっと前でした。
上のおりおんショットは2枚目の撮影中のものですが、すでにはくちょう座は西に傾いています。
予想では各モザイクは15分4枚がギリギリだったのですが、
後で撮った南部は4枚目途中で隣家の屋根にかかってしまいました。

ペリカン星雲は淡いため、各モザイクの露光は2時間くらい欲しかったのですが半分以下しか・・。
北部・南部をモザイク結合した画像です。

ペリカン星雲 (はくちょう座) 
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大 )
北部と南部を別に撮ってモザイク結合 (左右を少しトリミング)
新しいフラット画像で処理した画像と差し替え 2015/10/24
( 上が北の方向 )
撮影DATA: 2015年 (北部)10/ 14 22:57’~ (南部)10/ 15am 0:00’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8
露出 北部 15分×4枚 南部 15分×3枚 ISO 800 Cooled 60D (気温11℃ 冷却 -7℃)
 ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7 マイクロソフト I.C.Eでモザイク結合
ちなみにモザイク結合前の画像は以下の北部と南部になります。
( 各 画像クリックで元画像の25%まで拡大 ) ノートリミング
新しいフラット画像で処理した画像と差し替え 2015/10/24
 
今回はペリカン星雲だけの2枚モザイクでしたが、
過去には一晩かけて北アメリカ星雲までの3枚モザイクも撮っています。
( 画像クリックで元画像の12%サイズで表示 )

この夜は撮影に先立ちコレクターPHで発生する光条のブレの検証を行い、ピント合わせに起因する事が判明。
またバーティノフマスクでなぜブレが検知できないのかも、あとでわかりました。
バーティノフマスクの向きによっては検出でき、そんな時はピントOK。(そのせいで原因究明が混乱)
今 気が付いたのですが
ライブビューの星像で光条が片方向しか目立たないのも同じ理屈だったんですね!
( アレッ、でも両方向にブレが出てるならバーティノフマスクで検出できそうだけど・・ )

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まだこの夜撮ったスバルもお見せしていないのですが、
なんと1日おいた昨夜も晴れて撮影する事ができました。
ブログ画像のストックが何枚もあるって久しぶりです。
12日朝のウォーキングにて。朝は晴れてくれるんですが、夜になると・・

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ピントはずれで怪我の功名? (カシオペア座 IC59 & IC63)

2015年10月15日 | 天体写真(星雲・星団)
6日の夜、エクステンダー1.4xを付けてステファンの五つ子を撮影したあと、
たまにはこれまでに撮っていないものをと考えて
カシオペア座のγ星の近くにある淡い散光星雲IC59IC63を撮影対象に。
ところがエクステンダーを外した後のピントの再確認を忘れ、
途中でピンボケに気が付いて合わせ直したのですが、じきに分厚い雲に覆われてしまいました。

結局 この夜は撤収となったのですが、このピンボケ画像がヒントになって
コレクターPHで発生していた謎の の字の光条の対処方法が見つかりました。
( その内容は記事の最後に掲載してあります )

この新月期もだめかと思っていたのですが、昨夜遅くなってから久しぶりにスッキリ晴れてくれました。
その中で光条対策の検証も兼ねて6日ピンボケで終わったカシオペア座のIC天体をリベンジ撮影しました。

γCas(ツィー) と IC59,IC63 (カシオペア座)
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大 ) ノートリミング
新しいフラット画像で処理した画像に差し替え 2015/10/24
( 上が北の方向 ) γ星の真上のうっすら青いのが IC 59、左斜め上のピンク色がかったのが IC 63です
撮影DATA: 2015/10/15 am 1:00’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH(合成f=760mm F3.8) 露出20分×4枚+15 ISO 800
Cooled 60D (気温10℃ 冷却 -8℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
初めて撮ったのですが、思ったより良く写ってくれました。
撮影画像を見ると星が丸くないなど問題はあるのですが、目立つようなブレは無くなりました。
撮影中のおりおんショットです。
久しぶりに透明度の良い暗い空に恵まれました。

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完ぺきではないのですが、とりあえずブレが目立たないようには。
朝まで晴れて、他にも撮っていますので
処理が終わったらお見せします。

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6日夜に撮ったピンボケ画像から、キの字の光条対策を見つけるまでの話しです。
これがそのピンボケ画像です。
( 画像クリックで拡大表示 )
これまでは明るい星の水平または垂直の方向に光条がズレて写っていました。
ところがこのピンボケ画像では両方向共ズレが発生しており、
良く見ると縦ブレの方が横ブレより大きい事がわかります。
これを見て初めて ブレがピントのズレに関係しているのではという考えが浮かびました。

昨夜は撮影に入る前にこの考えが合っているか検証してみました。
次の画像はピントを少しずつずらしながら撮影したものです。
明るい星は はくちょう座のデネブ
ジャストピント付近では、わずかな違いでブレの方向が縦か横に変化する事になります。
これまでピント合わせはバーティノフマスクを使っていたのですが、それでも精度不足だった事になります。
この検証画像から、昨夜は明るい星の光条を直接ライブビューで拡大して
水平・垂直の光条のブレが同じくらいになるような位置で撮影しています。

なぜブレに偏りが発生するかがわからないため、この位置がほんとにジャストピントなのかは
疑問を持っていますが、ブレを目立たなくすることはできました。
尚、これまでブレがカメラ内の光害カットフィルターによって発生しているのでは
と考えていたのですが、昨夜の検証では改造していないノーマルのX2でも
光条のズレが生じている事が確認できました。
改造していないノーマル機のEOS kiss X2での光条です
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ステファンの五つ子まで3億光年

2015年10月12日 | 天体写真(系外銀河)
5日夜 ケフェウス座付近の散開星団と系外銀河の2ショットを撮ったあと、
まったく同じ光学系でペガスス座のはるか彼方の銀河の群れを。
撮影中のショットです

コレクターPHと市販のカメラ用エクステンダーの相性がよくない事は
この前の撮影結果でわかっていたので、アラが見えないよう暗めに画像処理。
あとはサイズ縮小でごまかしました。
NGC 7331 ステファンの五つ子 (ペガスス座)
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大 ) ノートリミング
( 右が北の方向 )
撮影DATA: 2015/10/ 6 22:44’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH+canon1.4x(合成f=1,064mm F5.3) 露出25分×5枚 
ISO 800 Cooled 60D (気温14℃ 冷却 -5℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
右上の明るい銀河がNGC7331で4800万光年。
左下の方でかろうじて見える銀河の集まりが発見者の名前をとってステファンの五つ子と呼ばれています。
この銀河の群れの距離がいろいろ論争を呼んだとの事ですが、後の方でサラっと。

今回もR200SSに1.4xのエクステンダーで拡大していますが、3年前にも同じように撮っています。
違ったのはコレクターPHでは無く、コマコレクター3 だった事。
撮影DATA: 2012/08/21 R200SS+コマコレクタ3+canon1.4x(合成f=1,120mm F5.3) 露出10分×12枚 
ISO 1600 Cooled 60D 他 はほぼ同じので省略
今回はコレクターPHで星像が二重になる問題が発生しているため、3年前の画像の方が良好です。

このほかにも昨年はVC200Lにレデューサーを付けて撮影しています。
この3回分の撮影画像をサイズを無理やり合わせて重ねてみました。
( 画像クリックで広域画像を表示 )
上が北の方向に変えてあります
今回撮った画像が台無し(左右のブレ)にしているようなものです。
”五つ子”というのはNGC7320Cを除いた5つなのですが、その中で一番大きなNGC7320は約4000万光年。
群の他の銀河は7320Cも含めて約3億光年と7倍遠い距離にあります。
7320が見かけ上は同じ群なのに、遠ざかる速度が遅い事から
”宇宙の膨張”を否定する根拠とされたことがあったそうです。

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2日前の夕暮れ時、きれいな夕焼けが見れたのですが
天気がくずれる前兆だったようです。
10日夕方の西の空
新月期なのに当分雲の切れる気配がありません。

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散開星団(3900光年) と 系外銀河(2300万光年) の2ショット

2015年10月10日 | 天体写真(系外銀河)
6日の夜、夕方から星が見えて撮影する事ができました。
コレクターPHを使うと星が二重になってしまうという問題は解決していないのですが、
貴重な撮影の機会ということで、今回は更にx1.4のエクステンダーを付けての撮影を行いました。
まず午後9時からは、近距離の散開星団とはるか彼方の銀河が一緒に写せる貴重なエリアを。
R200SSに特化したコレクターPHに、市販のエクステンダーを付けて星像がどうなるか・・

散開星団 NGC 6939 系外銀河 NGC6946 (はくちょう座・ケフェウス座)
( 画像クリックで元画像の25%まで拡大 ) ノートリミング
( 右が北の方向 )
撮影DATA: 2015/10/ 6 21:01’~ Vixen R200SS+コマコレクタPH+canon1.4x(合成f=1,064mm F5.3) 露出20分+25分×3枚 
ISO 800 Cooled 60D (気温15℃ 冷却 -4.5℃)  ガイド鏡GS-60S タカハシ EM-200 Temma2M PHD2 ステライメージ7
見かけの大きさはほぼ同じですが、散開星団NGC6939(右下)は天の川銀河内にあるため
距離は3,860光年、系外銀河NGC6946(左上)はケタ外れの2,250万光年も彼方にあります。

面積比で1/16にまで縮小しているためアラは目立ちませんが、
撮影した元画像の中央部分を拡大して見ると。
エクステンダーで拡大した事により、" キ " の字の光条がボケただけでなく、
星像がかなり劣化しているようにも見えます。
コレクターPH以前の汎用コレクターでもエクステンダーを併用していたのですが、
ここまでひどく劣化していなかったと思います。
コレクターPHにエクステンダー1.4xを取り付けた様子

そこで、このエリアは毎年いろんな光学系で撮影していますので比較してみました。
系外銀河NGC6946部分をトリミングで切りだしています。
( 画像クリックで全体画像を表示 )

まずは今回撮影した画像です。
f=1,064 mm F5.3 20+25分×3 ISO800 R200SS+コレクターPH+1.4x 2015/10/06

f=1,120 mm F5.6 10分×8 ISO1600 R200SS+バーダー社コレクター+1.4x 2012/08/20

f=1,278 mm F6.4 15分×4+10分×8 ISO 2500 VC200L+レデューサー 2014/09/20

f=1,800 mm F9 20分×4 ISO1600 VC200L 2015/07/11

二重の星像の他に、早い時間帯で灯火の影響もあるのかもしれませんが、
残念ながら今回撮った画像が一番できが悪いように思えます。
コレクターPHはR200SSに特化した設計となっていて、汎用性に劣るのかも知れません。

NGC6946 はその色合い、形とも大好きな銀河です。
すばる望遠鏡で撮った素晴らしい画像が公開されています。 → こちら

撮影中の北天の星空です。

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この夜も夜半過ぎには雲に覆われて撤収となりました。
雪国で貴重なこの時期、もう新月期なのに天候が・・
次回はこの後撮ったステファンの五つ子の予定です。

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