雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

「飛び板」方式、成果歴然。(月明かりのNGC2903)

2016年03月19日 | それでも星は流れる
15日夜、上弦前の月が中々低くなってくれないため、しびれを切らせて
高度30度を切ったあたりから撮影を開始しました。

撮影開始時の月(右下)の高度は26度。そこで月明かりにも負けない NGC2903(しし座) を撮る事にしました 。
( 西に傾いた月を入れたら しし座が外れてしまいました )
予報では日が替わった頃から雲が出るという事で、新ガイド方式 の検証をする事が目的でした。

結局この夜は15分露光の10枚目で月が沈み、それと同時に西から雲が出て撤収となりました。

NGC 2903  (しし座)
( 画像クリックで元画像の30%まで拡大表示 )
( 上が北の方角 )
撮影DATA: 2016/ 3/15 22:23’~24:55’ Vixen VC200L+レデューサー(合成f=1,278mm F6.4) 露出 15分×10枚
 ISO 2500 Cooled 60D (冷却オフ)  タカハシ EM-200 Temma2M ガイド鏡GS-60S PHD2Guiding ステライメージ7

NGC2903のトリミング画像です。(画像クリックで元画像の50%サイズ)

実は昨年3月にも同じ光学系で撮影しています。
昨年は既に純正の鏡筒バンドでガイド鏡筒をプレートに並列にして撮影しています。
この時は1枚当たり3画素と安定した星像でしたが、原因不明の突発的な流れが時々発生していました。

比較すると月明かりがあったにもかかわらず明らかに今回の画像の方が良いのですが、
実は星像の移動量は昨年の撮影結果とほぼ同じでした。
今回撮影した15分10枚(150分間)の星の移動です。
( 画像クリックで全体画像を表示します )
違うのは星像の形。 去年は星がブレて細長くなっていましたが、
今回の星像は歪んではいるものの、ほぼ丸になっています。
この違いは、昨年夏に赤道儀をEM-200 USDからTemma2Mに更改した理由でもある
赤経モーターの回転精度の向上があると思います。
他にはシィーングが良かった事。(先立って撮った月の撮影で確認済)
PHD2のガイドグラフではRA・Decを合わせても、1秒以内に収まっています

こう書くと、「新しいガイド方式の成果では無いんじゃないの? 」 と言われそうです。
確かに、鏡筒の向きに関係なく安定した星像がいつも得られるかどうか、引き続き検証が必要です。
ただ 実は連続して撮影できた翌日の結果でも好結果が得られています。
これで決まり! に是非なって欲しいものです。

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腰痛も完治していないのに、15日・16日と連チャンでした。
おまけに画像処理をしていたら、去年のフラット画像が合わなくて、
昨夕、また機材を出して薄明の曇り空を100枚近く撮りました。
掲載画像は新しいフラット画像で処理し直したものです。
これじゃ、腰痛 なおるわきゃない!

雲上くもがみ
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4 コメント

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一安心ですね (いっさ)
2016-03-19 09:58:15
雲上さん、おはようございます。

星が丸くなり「一安心」ですね。

ガイド鏡方式による「たわみを皆無」にすることは不可能ですよね。解決するにはオフアキしかありませんが狭い視野では、ガイド星導入の「しきい」が上がり、私も一時検討しましたがやめました。

撮影星の移動量があまり変わらないが「丸星」に改善された原因は、VC200L本体の「たわみ」がなくなったことと思います。

また、移動量があまり変わらない原因は、ガイド鏡の焦点距離が以前と同じからと思われます。

移動量を抑えるには、ガイド鏡焦点距離が長いほど「たわみ」の影響を受けますので、「ピントが出る短焦点化」と「丸星が確保」できる妥協点が得られる焦点距離を探すしかないと思います。※マニアが心踊る部分ですよね。

私の場合、PHD2は短焦点ガイド鏡でも正確に赤道儀をコントロールしますが、撮影カメラのCCDサイズが36mmのハーフ18mmですので主鏡の換算焦点距離が2倍の2,555mmとなり丸星が確保できる露出時間は約10分程度までで、枚数で稼いでいます。

適度な移動は、「ディザリング効果」につながり良い効果?かもしれませんね。
返信する
春の星雲がとても良いです (南風)
2016-03-19 10:44:37
雲上さんこんにちわ。ご無沙汰していましたが
ブログはよく拝見しておりました。
ようやく対策が効果を出してとてもきれいな星雲画像を
拝見でき感謝しています。
ところで、PHD2のmin motionは0.25のようですが
もう少し小さくしてみたらどうでしょう。
一度PHD2のガイドアシスタンスを走らせてみることを
お勧めします。もう少し細かくしたほうが星の丸さが
良くなるような気もします。
返信する
アドバイスのおかげです。 (雲上(くもがみ))
2016-03-19 13:08:07
いっささん こんにちは。
「たわみ」についてはまったく同感です。
これまでの経験から、「たわみ」を”0”に近づけるには
剛性を高めるしかなく、そうなれば限りなく重くなってしまいます。
またオフアキはガイド星の位置により構図が変わってしまうというのも、
踏み切れない理由です。(天体写真にも構図は大事と思っています。)
今回の移動量は許容範囲ですが、レデューサー無しだとどうなるかといったところですね。
今回は星像が東から西に移動してますので、ガイド鏡側のたわみでは無いような気がしています。
(ガイド鏡がたわんでお辞儀するようなら、星像は逆方向に移動?)
わたしも「ディザリング」効果にもなるかと思っていたのですが、
今回の画像でも見られるように、移動が直線的だとダーク減算の残りがコンポジット後に線状のノイズとして現れてきます。
それにしてもいっささんのアドバイスが無ければ、今頃「ドン・キホーテ(改)」で一喜一憂してたんだろうなぁ(笑)
返信する
ガイドアシスタント 初耳でした (雲上(くもがみ))
2016-03-19 13:28:29
南風さん こんにちは。
「鏡筒のバランスを取るために巻き付けていたウェイトが
諸悪の根源だった」という結論に収まってくれるとありがたいのですが・・
以前 PHDのパラメーターについて検討したことがあるのですが、
http://blog.goo.ne.jp/kumonoueniwa/e/924bbb41cdd4a45f1b26edb69d4dc55b

その時はMin moは小さすぎるとハンチングを起こしやすいので、
星のブレが目立たない許容範囲まで大きくするという結論に。
VC200Lで計算したら0.5となったのですが、念のため0.25にしてあります。
これまで思い込みで遠回りしていますので、
PHDのガイドアシスタント(初耳でした)で調べてみます。
返信する

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