雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

まだ巡り会えない大彗星(講演会資料その4)

2014年08月27日 | 天体写真よろず話
私の撮影ノートの記載は先月28日以降空白のまま。
ほんとにこの8月は一日も撮影できずに終わりそうです。
この講演会模様の報告が終わるころには、初秋のさわやかな星空が訪れるのでしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

続いては、わたしの彗星との巡り会いのはなし。
一昔前は天体望遠鏡をのぞいていると、「新しい彗星でも探しているんですか?」
と言われたものですが・・
もっぱら天体の撮影を趣味とするわたしも、一度でもいいから肉眼で見える長い尾を引く
大彗星にお目にかかりたいと願っています。

これは私が天体写真を再開した年に、幸運にも撮れた彗星の写真です。
まだ撮影方法も未熟で望遠レンズで3分間露光で撮った画像です。
この彗星は公転周期約7年で火星と木星の間の軌道を回っており、太陽に近づくことも無く
ふだんは暗く地味な彗星なのですが、2007/10/24~2日間で 17等級→2等級に急劇に明るくなりました。
彗星から大量のガスまたはチリが突然放出されたものと言われています。
写真は6日間の間隔をおいて撮ったものですが、彗星が移動していることや
放出されたガスが広がっていることが写真からわかります。
最初に撮った写真は、彗星というより、クラゲのような姿でした。

これは初めて尾の写った彗星らしい写真です。
2007年台湾で発見された2年後に撮影したものです。周期数万年の一期一会の彗星です。
太陽には接近せずに地球のやや外側を回って戻っていきました。
2月24日の地球最接近でも4等級ですので、空が明るいと肉眼で見るのは厳しかったかも。

太陽に近づく彗星の撮影に初めて挑戦したのは、昨年3月のパンスターズ彗星でした。
撮影のためまだ雪の残る金谷山スキー場のレルヒ像までのぼったのですが・・
( ブログ用に追加した画像です )
暗くなりはじめてから懐中電灯を持ってこなかった事に気づき、暗くなる前に引き上げざるをえませんでした。
(いつもは自宅撮影ですので、たまに出かけるとこんなポカが・・)
それでもその時撮った画像から、正確な方角を調べる事ができました。
そして2日後・・
西に沈む彗星の姿を捉える事ができました。
肉眼では見えないものを撮るのには、事前調査なしでは無理でした。
まして沈む彗星は数分間の勝負で、15日の失敗も無駄ではありませんでした。
わずか3分間の間に撮った写真です。

最近 もっとも話題となった彗星といえば・・
なんといってもアイソン彗星! 写真は近づいてくるアイソン彗星と火星のツーショットです。
(背景はしし座になります)
昨年暮れに太陽に接近し、世紀の大彗星になるのではと騒がれました。
ところが期待に反してなかなか明るくならず、
むしろおなじ時期に見えていたラブジョイ彗星の方が目立つくらいでした。
それでも太陽に近づくにつれてしっかりした尾も確認できるようになりました。
だれもが太陽を回ったあと長い尾を引く姿を見せてくれるのでは、と期待したのですが・・
なんと太陽にもっとも接近した時に、彗星の核が崩壊して蒸発してしまったのです。
わたしが撮った写真の最後は11月17日のものですが、その約10日後
アイソン彗星が太陽を回る姿を、太陽観測衛星SOHOが捉えていました。
( 白い円が太陽の位置になります )
( 講演会ではもう少し枚数の多い画像を連続アニメーションでお見せしました。)
アイソン彗星は右下から太陽に近づき、とんでもないスピードで
太陽すれすれを通過していることがわかります。(わずか8時間半の動きです。)
そして太陽を通過後は彗星の輝きは失われています。
この続きを同じSOHOの広域カメラが捉えていました。
最初の画像ではまだ彗星の残骸のようなものが見えますが
最後にはほとんど薄い雲のようになってしまいました。
熱心な彗星ファンはそれでも、と探したのですが、まったく見つける事ができませんでした。


残念ながら今回も大彗星の姿を見ることができませんでした。
残された人生のなかでまだチャンスはあるでしょうか?

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先月末からもうずっと星のすがたを見ておりません。
既に終わった講演会ネタで、かろうじて天体写真がテーマの
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9 コメント

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Unknown (テナー)
2014-08-27 15:43:09
こんにちは
講演会報告はその3で終了かと思いましたが、その4が登場。
それも彗星がテーマ、代表的な彗星の案内、一期一会の不思議な天体を説明から感じます。
昨年はパンスターズ、アイソンと期待を膨らます彗星とダークホースのラブジョイ
の出現でまぁ!撮影も満足、時間との競争で事前のロケハンなど準備が忙しかったように
思います。
テナーが天体に首を突っ込んだのが池谷・関彗星、もう一度巨大彗星に会いたいですね。
その日までなんとか生き延びないと!!!
わたしはまだ・・ (雲上(くもがみ))
2014-08-27 17:01:47
テナーさんは既に大彗星に巡り合えているのですね。
わたしは途中30年以上も中断していたので、再開してからはまだ機会がありません。
お互いぼけずに大彗星をこの目にしたいものです。

撮影ができた夜があればすぐさま掲載するのですが・・
講演会資料はあと2・3回分くらいあります。
Unknown (おりおん)
2014-08-27 18:51:31
ホームズ彗星って2007年だったんですね。
つい最近かと思ってましたよ(笑)
彗星って、期待しすぎたら明るくならない法則みたいなものがあるんでしょうかね(笑)
アイソンに至っては消滅してしまいましたもんねぇ。
人も同じかもしれません。
私も幼いころは「末は博士か大臣か」と言われていたんですけどねぇ(泣)

大空をまたぐような大彗星、いちど見てみたいもんですね。
Unknown (雲上(くもがみ))
2014-08-27 19:08:04
おりおんさんこんばんは。
ホームズ彗星を撮ったときは、こんなに簡単に写せるの?って、拍子抜けでした。
ほんと、アイソン彗星のマスコミの取り上げ方はすごかったですね。
わたしは幼い時も、おりおんさんのように期待はされていなかったような・・(笑)

ほんと冥途のみやげにすごい彗星見てみたいです。
Unknown (やまねももんが)
2014-08-28 06:31:53
おはようございます。

昨年のアイソン彗星はとっても期待していたのですが、残念でしたねえ。
私は1970年代のベネット彗星やウェスト彗星を見ることができなくて、百武彗星とヘールボップ彗星までかなり待たされました。
次のチャンスまでは頑張りたいですね。
Unknown (雲上(くもがみ))
2014-08-28 10:14:49
やまねももんがさん おはようございます。
この趣味をやっておられる方の中には大彗星との縁が少なからずあるのですね。
昨年のアイソン彗星はフニャフニャベランダに望遠鏡を設置したり、
いろいろ準備したのですが残念な結果に。
昔、フィルムの時代でも長く尾を引くすごい写真が残っているのですから、
今あのような彗星が現れたらと思うと・・

うん? (さすけ)
2014-08-28 18:59:11
なんか年齢の話になってますね。
あと30年はがんばりましょう( ^ω^ )
こうご期待・・してます (さすけ)
2014-08-29 22:13:15
あと、2~3回分のネタがあるんですね。
参加した私の議事録ではあと1回かなと思っていたのですが楽しみです。

できれば是非お願いしたいです。
と言う事は普段の撮影はできませんように・・と祈っているようなもんですが(^。^)
晴れなかったら (雲上(くもがみ))
2014-08-30 07:20:14
さすけさん このあとも撮影できないようなら
残った天体アルバムを3回に分けてしのごうかと考えております。
9月に入ったら晴れて欲しいのですが・・

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